アニメデジタル化(自動中割システム編)

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神谷純 @junkamiya

90年代後半から彩色・撮影会社などでも、デジタル移行できなかった会社は次々に倒産していきました。革新には闇が付き纏いますね。 RT @NOB_toyball: @junkamiya ほとんどのアニメで使われていた会社なのにひっそりと姿を消す、っていうのも色々考えちゃいますね。

2011-02-03 20:22:32
神谷純 @junkamiya

12年ほど前に、アニメ業界は次々とデジタル化していった。いろいろな条件が、デジタルへの移行を必然とばかりに動かしていた。その最大のものが、アセテートフィルム(セルのこと)の大幅な生産縮小だったと思う。

2011-02-03 21:41:59
神谷純 @junkamiya

他にも彩色絵の具の調達問題(色数や、同一異色の問題)などもあったし、デジタルへの移行を始めた瞬間から、仕事がなくなる業種も出てくる。

2011-02-03 21:44:51
神谷純 @junkamiya

仕事がなくなる撮影や彩色は、早めにデジタルに移行するか、移行できずに立ち消えとなるかの選択を迫られるし、初めてしまえば『フィルム』と『デジタル』の共存は人員的にもコスト高で採算が取れない。

2011-02-03 21:46:16
神谷純 @junkamiya

そんなこんなで、わずか2・3年の間にアニメ界はデジタル化への移行を完了した。とはいっても、これは彩色以降のデジタル化だ。

2011-02-03 21:47:48
神谷純 @junkamiya

スタジオぴえろは、比較的早くからデジタルを導入しようとテストを続けていた会社だった。「はじめ人間ゴン」はTVシリーズとしては最も早い時期のデジタル彩色・撮影アニメーションではないか。

2011-02-03 21:50:07
神谷純 @junkamiya

ただ、スタジオぴえろが日立と共同開発していた『自動中割システム』は、結局プロジェクト半ばで頓挫・解体した。 http://bit.ly/dWS2sb

2011-02-03 21:51:09
羽原信義@SUNRISE BEYOND @NobuyoshiHabara

@junkamiya 確か、今ではもう見る事のない秒間30コマでしたよね。

2011-02-03 21:51:40
神谷純 @junkamiya

『自動中割システム』は、原画と原画の間を補完する、いわゆる『中割』を、ソフトウェア上で自動生成しようというシステムだ。

2011-02-03 21:52:26
神谷純 @junkamiya

@NobuyoshiHabara そうでした。システム見せてもらったんですが、拡大・縮小なんか、数値入力オンリーの、かなり面倒くさいものでした。

2011-02-03 21:53:21
飯面雅子 サンドアート工房 @iimenmasako

誰か纏めて〜!! RT @junkamiya: スタジオぴえろは、比較的早くからデジタルを導入しようとテストを続けていた会社だった。「はじめ人間ゴン」はTVシリーズとしては最も早い時期のデジタル彩色・撮影アニメーションではないか。

2011-02-03 21:54:36
神谷純 @junkamiya

『自動中割システム』に関しては、実は根本的な、設計思想そのものの大きなミスがある。

2011-02-03 21:54:44
神谷純 @junkamiya

中間の立体を作る。たとえば、立方体を回転させるとして、その間のラインの移動は当然立体的に書かれなければいけない。ところが『中割システム』はあくまで二次元的な線の移動として設計されている。

2011-02-03 21:59:06
神谷純 @junkamiya

動画マンは、誰もが新人の時に「線を割るな。立体を動かせ」と教育される。その根本の部分が『自動中割システム』には、思想的に完全に欠落していた。

2011-02-03 22:00:19
神谷純 @junkamiya

当時、僕はプロデューサーに「アニメーションをデジタル化するなら、むしろ3Dの方が、はるかに思想的に近いですし、そちらのほうが可能性があります」と言ったことがある。『グルグルタウンはなまるくん』の頃だ。

2011-02-03 22:02:31
睡眠不足さん @nemudesu

@junkamiya デジタル移行期のお話ですね^^ 話はいろんな人から聞いていたので監督の呟きは理解出来ます。 リスマスクのマキ・プロや撮影のT・西等でしたか。 仕上げスタジオもあっさり移行できなかった所が多かったとも。 シマ・スタももたついたみたいな事を聞いたような。

2011-02-03 22:02:53
神谷純 @junkamiya

『自動中割システム』は、結局その後凍結した。別に僕の進言があったからではない。やはり実用にならなかったのだと思う。

2011-02-03 22:05:22
睡眠不足さん @nemudesu

@junkamiya 東映Aさんやトムスさんの仕事していた所が一気に転向して、 あのあたりの下請け・中堅製作会社が大慌てで小規模なシステムで運用を始めたとも聞いています。ぎゃろっぷさんがたしかそんな感じだったよと。 「パソコン扱えるようになるにはどのくらいかかる?」と聞かれた事も

2011-02-03 22:07:10
神谷純 @junkamiya

さて、自分自身は、その何年か後にまさか3Dによるセルルックアニメーションを、少なくとも今も含めて4年も監督することになるとは思ってもいなかった。10年前の自分の言葉が、はからずも自分の身に降りかかったという不思議を味わいつつ今にいたっている。

2011-02-03 22:07:55
神谷純 @junkamiya

@nemudesu ひとつひとつのセクションが、スタジオごと次々に移行して言ったので、もう業界全体で変わらないと、どんどん作品が作れなくなって言ったんですよ。そのスピードは早かったですよ。

2011-02-03 22:09:31
高木⚓ 弘樹 @takawokukuru

@junkamiya 根本的にはプロジェクトの中核にアニメーターがいなかったこと、省力化という方向性に誤りがあったのだと思います。皮肉な事に担当していたプログラマーでアニメーターになった方がいましたが。

2011-02-03 22:12:33
神谷純 @junkamiya

@takawokukuru 当時、僕も設計に関わっている人間にアニメーターがいないことを聞いてかなりショックでした。と同時に『だからこうなったのか』とも思いました。しかし担当していた方でアニメーターになった方が居らっしゃるんですか!? 凄い転身ですね。ちょっと感動しました。

2011-02-03 22:15:19
睡眠不足さん @nemudesu

@junkamiya 今度は、アニメーションが最も苦手とする3D化ですね。過渡期に上手に対応して勝ち組になる所はどこになるのでしょうね。

2011-02-03 22:37:09
神谷純 @junkamiya

@nemudesu 難しいです。手書きは当然なんとしても残していかなければいけませんし、3Dアニメも多分増えていくでしょうし。アニメ界の2年先すら見えにくいです。

2011-02-03 22:46:42
Takahiro Omori ♋ @t0mori

@windycatter @takawokukuru 実は少し誤認があって、凍結は日立のシステムの後じゃなく、ぴえろだけでソフトハウス入れて、別なのを開発してたんです。それに僕とぴえろの動検さんが噛んでました。まさしくアニメーターを入れた開発をしようとしてた。

2011-07-14 15:52:06