【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第10部

お玉さんの読書マラソン企画「名探偵図鑑完読作戦」第10部です。第10部は荊木歓喜(『悪霊の群』他)から始まり、多羅尾伴内(映像作品はスルー)、リチャード・カッフ(『月長石』)、フィリップ・トレント(『トレント最後の事件』)、グレゴリー・ハウス(映像作品スルー)、御手洗潔(番外編)、倉石義男(『臨場』)、エイドリアン・モンク(映像作品スルー)、鬼貫警部まで。特に鬼貫警部篇は、鬼貫短編作品全レビューに短・中編作品から長編化された作品まで評したスペシャリテ。後半戦最大のヤマ場です。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、名探偵図鑑完読作戦スペシャル「あゆてつのあは、アリバイのあ」でございます。 本日の鬼貫警部短編マラソンはナント最終回、その28「首」をお送りいたしますぞい。 1976年「野性時代」2月号掲載

2016-07-15 03:15:18
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

首無し死体が登場するから「首」 正直なところウルトラ超傑作「誰の死体か」の細かな超絶技巧をゴッソリ引っこ抜き、その代わりにスゴく雑なアリバイトリックを付け加えた内容。 かなり希釈されているが「誰の死体か」の雰囲気は感じられるので首切りのロジックには見るべきものはあるんだけど、、、

2016-07-15 03:16:23
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、アリバイトリックが「そ、そんな間違いをするヤツっているのかしら、、、 (´Д` )」な内容が前提となってるため、ラストにおける鬼貫警部のドヤっぷり高めな指摘に対しても腑に落ちるというより、唖然としたポカ〜ンどもが襲来といった感じなんよね、、、

2016-07-15 03:16:50
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと、ずいぶんな年齢まで独り身の男性は「プレイボーイ」か「ホモ」に違いない Σ(゚д゚lll) といった鬼貫警部の雑な推理もちょっと戸惑っちゃうわよね……。作者はお忘れかもだけど、、、原作の鬼貫は独身者……

2016-07-15 03:18:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

前回取り上げた「まだらの犬」は鬼貫警部的要素を結構詰め込んでやりましたわよ! な喜びが感じられる短編でした。 「首」に関してもステレオタイプな丹那の使い方もありますので鬼貫警部が活躍する短編の形式は確かに踏襲してはいるんですが、、、

2016-07-15 03:19:09
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

首を巡る推理の構築に見られる「誰の死体か」風の雰囲気、と、首の論理から導き出された最有力容疑者が主張するアリバイ、が全然水と油でまとまりきってないのよね。 でもってアリバイでのああいう落とし方。えっ、アレの行方に関して一言も言及ないけど、、、みたいな疑問も自然と出て来るわ、わ、わ

2016-07-15 03:19:23
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

全編に漂うユーモアの気色、事件の見せ方&推理のキメ、そこらは三番館シリーズのそれに近いような気がするんよね。 邪推なんだけど、元々は三番館用のネタだったんだけど、野性時代→角川春樹指揮下なサムシングパワーの介在で「鮎川哲也の代表的名探偵」モノとして書かざるを得なかったのでは? と

2016-07-15 03:19:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

マラソンの最後の最後で寂しい内容になってしまったが、コレは再三申し上げた通り後期の鬼貫短編は三番館シリーズという鮎川哲也のメインワークの谷間で書かれていた作品という性質もあるし、後期鬼貫警部でチカラを入れていたのは長編作品という事情もあったりするので、マァ仕方ないのである

2016-07-15 03:19:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、コレで鬼貫警部短編マラソン(とそれに関連する幾つかの長編への言及)は終了である。 前期の歴史的傑作短編の数々があまりにも眩しく、口の端にあがるときそれらは単独で取り扱われることが多いが、こうして流れで見ることでいろいろ見えてくることがあったことは有意義だった

2016-07-15 03:20:22
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

初期の初期はゲーム性の高い読者の推理と向き合う作品構造だった。しかし、「五つの時計」を境に論理の構築の初手となる違和感の気づきにのみパズル的な手ごたえを残し、推理の大部分は論理を構築する際の展開の仕方や手順の面白さを見せるスタイルとなっている。その微妙な混ざり具合と配分。面白い

2016-07-15 03:21:14
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

短編→長編となった作品でも短編時点の作り込みが全く違っていたのも面白かった。「城と塔」→『風の証言』は短編での傷に対してのケアが全く為されていなくて結構ショックだったなぁ (´Д` ) 「死のある風景」→『死のある風景』の広げ方のお見事さなんかを見ちゃってるんで尚更なんよなぁ……

2016-07-15 03:21:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと何度も主張するけど、皆様が認知なされている「呪縛再現」→『憎悪の化石』の変遷って、ワイは違うと思いますよ、と

2016-07-15 03:22:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

顎の張った警部って、鬼貫警部その人を想定して書かれていたのかな? ってのも未だに疑問だ。 倒叙スタイルの作品群は出来不出来がクッキリ見えちゃうんだよなぁ……(´Д` ) 「いたい風」はとても良いのに「わるい風」とゴッチャになっちゃうんだよなぁ……

2016-07-15 03:23:33
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ガッツリと列車の時刻表を使用した鮎川哲也作品は(長編も含めて)案外少なかったりする。 あと乱歩のルーブリックって結構テキトーなのが多い。列車トリックの引き出し多さというより、何でもかんでもアリバイトリックに変換可能なミステリ作家として認識したほうが変な先入観がなくて良いのでは?

2016-07-15 03:28:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

短編マラソンだったので今回取り上げることのできなかった鬼貫モノの長編もある。 そして星影と三番館のマスターという課題もまだ残っている。 ノンシリーズの短編もイカスナンバーがゴロゴロしてるし、、、これらも時間を作らなきゃなんだよね。 ひぃ〜

2016-07-15 03:31:57
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで鬼貫警部でした。 ……当初の予定でしたら『黒い白鳥』で鬼貫警部は締める予定でしたが、こちらはちょっとだけ延長します。具体的に言うと10回後となるんですわ。 次回は別の名探偵ということで、ではでは〜〜 ( ´ ▽ ` )ノ

2016-07-15 03:32:23
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