【直接】国民総参加の直接民主制の困難さに言及してみた【間接】

割と膨大なゴゴゴのまとめ部分のみ。 「政治家を廃止して国民が直接法案議決を行う直接民主主義を採用すべき」 という論者との対話を経た後の、意見まとめのみ。 本編はきっと誰かがまとめてくれるでしょう。
28
加藤AZUKI @azukiglg

では、ここからはいつものまとめです(`・ω・´)

2016-04-26 17:16:41
加藤AZUKI @azukiglg

まず、我々が採用している間接民主主義は、決してベストな体制ではないけど、それでも「今のところ一番安上がりで、一番不平が出にくく、一番迅速な意志決定が可能で」要するに、一番マシな仕組みである、ということの確認。

2016-04-26 17:17:34
加藤AZUKI @azukiglg

そして、「代議員」としての政治家、及び「行政指導者」としての政治家を完全廃止して、あらゆる政策の議決と政治的決定(外交決断なども)を、一億人の有権者がネットで行う直接民主制は、その運用コストが高く付きすぎて実現は不可能だろう、ということ。

2016-04-26 17:18:39
加藤AZUKI @azukiglg

運用コストというのは、別に「ネットのサーバー代」の話ではなくて(ここ大事)、「様々な政策の審議と議決に必要な情報の摂取(勉強、レクチャー)を、審議議決する全ての国民が受けなければならず、それはそれぞれの国民の本業と平行して満遍なく行われなければならないという点。

2016-04-26 17:19:53
加藤AZUKI @azukiglg

これには終わりというものがなく、選挙権を得た18歳から死ぬまでの間、ずっと「国政(ケースによっては自治体などの地方政治も)について、有権者は満遍なく全方位の勉強と判断を求められ続けることになる。これは、国民の生産性そのものを下げるので、下がった分の全てが制度維持「コスト」になる。

2016-04-26 17:21:06
加藤AZUKI @azukiglg

しかも、政治家に代議を委ねる現行制度と違って、国民全員参加の直接民主制下では、議員たる有権者一人一人に政策秘書がつくわけではないから、政策の正確な判断に必要な情報収集などは全て国民自身が【それぞれ個別に】行わなければならない。

2016-04-26 17:23:16
加藤AZUKI @azukiglg

このとき、重要な鍵になるのはマスメディア。 つまり、代議員を置かず、有権者が全て「議員」になるに当たって、政策の是非を判断するための判断材料を議員たる有権者は得なければならないんだけど、それらは一次ソース、及びそれを要約した報道、または立場別の識者の意見に基づくことになる。

2016-04-26 17:25:07
加藤AZUKI @azukiglg

門外漢である有権者は、まず一次情報を【見つけられない】か、見つけられても【全てを読むことができない】さらに【読めても内容が理解できない】。 ので、それらを要約する報道に依存することになる。しかし、報道の要約が常に正確かどうかは、門外漢なので検証できない。

2016-04-26 17:26:07
加藤AZUKI @azukiglg

そこで、報道の内容が正確であるかどうかの検証は、それぞれの専門分野の識者に頼ることになるのだが、今度はその識者が信頼できるかどうかの判断を、門外漢は下すことができない。 軍事について清谷信一を頼り、医療について伊藤隼也を頼るかもしれない。

2016-04-26 17:27:17
加藤AZUKI @azukiglg

結局の所、「不勉強な門外漢は、提示された問題を不正確にしか理解できないので、不正確な判断しか下すことができない」となる。全員が確立1/2で間違えたら、常に正解は半分しか出ないので、これは単純に「国民総参加のバクチ」になってしまう。

2016-04-26 17:29:29
加藤AZUKI @azukiglg

また、直接民主制において、「棄権、白票、不参加」を認めるかどうか。認めない場合、罰則を設けるのかどうか。設けない場合、国民の何割までが参加した議決に効力が発生するのか、とか。注目政策なら投票率も高かろうが、影響範囲の小さいマニアックな重要議題だと登用率は著しく下がる。

2016-04-26 17:30:50
加藤AZUKI @azukiglg

発議の乱立、根回しの困難、決選投票の繰り返しによる採決の長期化、政治決断の鈍化……などなど、現時点で直接民主制にメリットを見出せない。 サーバの強化、ハッキング対策、そうした設備上の問題が解決されても、決議を判断する有権者個々の能力は向上しないため。

2016-04-26 17:32:41
加藤AZUKI @azukiglg

後は、有権者全員が脳を並列接続してシビュラシステムのように振る舞うか、オpリュンポスのバイオロイドのように振る舞うかしなければならないけど、その場合もフルマルチタスクシンキングが可能になる未来が来ないうちは、「本業が疎かになるリードタイム」は発生してしまい、生産性は下がる。

2016-04-26 17:34:00
加藤AZUKI @azukiglg

仮に、「有権者の全ての脳を並列接続して政策を処理する」という仕組みが実現する未来が来たとしても、そこに脳を提供する全ての有権者が、「全く同じ職業、まったく同じ報酬、まったく同じ家族構成、まったく同じ人生」を歩んでいるのでない限り、立場による利害の対立は避けられない。

2016-04-26 17:35:11
加藤AZUKI @azukiglg

その立場による利害の対立を解消するのが政治であるわけなんだけど、脳を並列して高速度処理をしたところで、「得られる者と得られない者」の格差の全てを解消できるわけではないから、妬み嫉み羨みは避けられず、会議は必ず踊る。

2016-04-26 17:36:10
加藤AZUKI @azukiglg

民主主義に変わる新しい制度が採用されないうちは、このへんのジレンマから我々が解放される未来は、当面来ないんじゃないかな、というのが、怪談の専門家の暫定結論です。 以上っした。

2016-04-26 17:36:58
加藤AZUKI @azukiglg

なお、 「長年考えてきた末の考えを、変えるほうがおかしい」 という主張には興味を惹かれた。 老人が歳を重ねるほど固陋になる理由はたぶんそれなんだろうなあ、と。

2016-04-26 17:39:35
加藤AZUKI @azukiglg

そこに至るまでに掛かった長い時間が全て無駄だったとは思いたくないから、結論を得るのに時間を掛ければ掛けるほど、長年かけて得た結論を死守したくなる。 齢を重ねてからの「新事実」は、 「今までの自分の人生は全て無駄だったというのか!」 という破壊的落胆をもたらすのではないか。

2016-04-26 17:40:41
加藤AZUKI @azukiglg

だからこそ、年喰っても新しいことを吸収し続けられる人、例えばアーサーCクラークや小池一夫というのは、すげえんだな、と思うわけなんですよ。

2016-04-26 17:41:17