阿子島・溝口・中尾考古学対談『ムカシのミライ:プロセス考古学×ポストプロセス考古学』
#考古学対談 (溝口)考古学の基礎はパターンを認知して,その共変動に基づく推論をすることである.
2016-06-05 12:14:27#考古学対談 (溝口)そのパターン認知に及ぼす観察者の影響を避けることはできないだろう.
2016-06-05 12:15:25#考古学対談 (溝口)パターン認知は統計学的に実施することはできるが,その関係性を論じることには観察者の世界観の介在を考えざるを得ない.
2016-06-05 12:17:26#考古学対談 (阿子島)観察可能なデータをどのように選択するかについては意見は同じ.パターンとその解析についても同意する.
2016-06-05 12:19:59#考古学対談 (阿子島)考古学的記録はすべて palimpsest である.時間的な厚みと重なりあいがあるデータを考古学者は手にしている.
2016-06-05 12:27:16#考古学対談 (溝口)反証可能性を確保するという点ではポストプロセス考古学も重視するが,あまりリジッドには考えない. #Popper
2016-06-05 12:32:43#考古学対談 (溝口)考古学は科学ではあるのだが,科学ではない帰結についても責任を取る必要があるだろう.
2016-06-05 13:22:57#考古学対談 (阿子島)発見された史料にもとづいて歴史に関する推論をするかという点では科学だが,その社会的含意については科学ではない.
2016-06-05 13:23:55#考古学対談 (溝口)考古学研究の社会的影響についてはしかるべき「構え」が研究者コミュニティとして必要だろう.
2016-06-05 13:36:28#考古学対談 (阿子島)60年代 new archaeology, 70年代プロセス考古学,80年代ポストプロセス考古学の影響をもっとも受けなかった国が日本にほかならない.
2016-06-05 13:47:06#考古学対談 (阿子島)それぞれの国の考古学の特徴を解説した記事が 1980年代に World Archaeology という雑誌に掲載された.
2016-06-05 13:50:19#考古学対談 (溝口)日本にもプロセス考古学とポストプロセス考古学の波は確かに到達していたのではないか.フーコーの『知の考古学』にいうエピステミックな “断絶” がマルクス主義考古学からの移行にはあった.
2016-06-05 13:54:20#考古学対談 (溝口)ポストプロセス考古学の場合よりどころとなる「参照枠」がなくなってしまったので,それに替わる柱がない.悪い場合,かつての「古物学」への退行すら始まっている.
2016-06-05 13:56:02#考古学対談 (溝口)日本考古学においては「言語化」を忌避する(美化する)ハビトゥスがあるのではないか.
2016-06-05 13:58:10#考古学対談 (阿子島)日本の考古学の過去半世紀をちゃんと見なおして,諸外国との比較検討をしないと.
2016-06-05 14:05:29#考古学対談 (中尾)実証は大事なのだが,積極的に説を立てないことにはダメなんじゃないか.
2016-06-05 14:12:57