冷笑系の権化ケルゼンと正義の関係~高島弁護士のつぶやきを中心に

今ネットでホットな冷笑系と正義の問題をネット弁慶がまとめます。
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高島章 @BarlKarth

正義だけでなく、社会学的事実・存在、価値、神、歴史その他、「規範」「当為」とは無縁の要素を法律学から追放した。だからこその純粋法学である。

2016-06-17 14:34:10
高島章 @BarlKarth

このような方法論・純粋性の追究は、人間が生来的に持っている自然的思考(客観的正義が存在するはずだ)人工的・実験的思考である。ケルゼンはそれを殊更に徹底的にわざとやっているに過ぎない。

2016-06-17 14:36:57
高島章 @BarlKarth

@BarlKarth このような方法論・純粋性の追究は、人間が生来的に持っている自然的思考(客観的正義が存在するはずだ)と対極にある人工的・実験的思考である。ケルゼンはそれを殊更に徹底的にわざとやっているに過ぎない。 (訂正)。

2016-06-17 14:53:15
高島章 @BarlKarth

例えば(変な例だが)、人間は誰でも「緑」という色を知っていて、緑という色彩が好きだ。ひねくれた画家が、「緑色の絵の具を使わないで絵を描いてみるとこんな風景画が描けますよ」という実験的絵画を作品として発表するようなもの。

2016-06-17 14:39:24
高島章 @BarlKarth

だから、純粋法学は、二重の意味で不自然なのである。第1義は「反自然法」という意味で「不自然な法学」である。第2に「人間の自然な思考」から著しくかい離しているという意味で「不自然な法学」である。だから、純粋法学を読み解くにはー実証主義を貫くためにはー日常的な自然的思考

2016-06-17 14:42:40
高島章 @BarlKarth

を頭から追放してー規範・意思・当為ー以外の要素(「正義・理性・神」)を考慮しないという純粋性が必要となってくる。頭の使い方としてとても技巧的なものだから、ケルゼンを読むと頭がおかしくなる。

2016-06-17 14:44:45
高島章 @BarlKarth

ケルゼンは、「法律学から不純な要素ー正義とか神とか歴史とか理性とかーを取り去るとこんなに美しい・純粋な世界が描けますよ」という芸術作品を見せてくれているのであり、それ以上の意味はない。

2016-06-17 14:46:27
高島章 @BarlKarth

このような純粋法学を作品鑑賞者がどのような感じ、どのように利用するかは、需給者が自由に決めればよいことでナチスに利用されようがスターリンに利用されようが、それはケルゼンの責任ではない。利用者・需給者の責任でケルゼンに罪はない。放射線科学者に原爆製造の責任がないのと同じ話だ。

2016-06-17 14:49:16
高島章 @BarlKarth

正義を熱く語らない(実は、デモクラシー論では少しだけ熱く語っている)、法律学から正義を追放したケルゼンは「冷笑主義者」だとののしるのは結構だが、ケルゼンは墓の中で喜んでいるだろう。

2016-06-17 14:51:15
高島章 @BarlKarth

@BarlKarth 素朴なものであれ哲学思考であれ、我々の思考は「当為は存在に根差している」「価値は事実に根差している」と何となく考えている。そう考えないと「当為」も「価値」も根無し草になってしまい、自己の判断・思考の根拠を失ってしまうから。

2016-06-17 15:02:02
高島章 @BarlKarth

@BarlKarth 素朴な人間が誰しも「自然法論者」であり「有神論者であり」「客観主義者」である理由はここにあるのだろう。ケルゼンはそのような自然的で人間的思考をハンマーでぶち壊した。まぁ、冷笑主義者というレッテルも故なしとはしない。

2016-06-17 15:04:28

楠木雲太郎 @hoshina17

そのために「根本規範」という造語にしようと、そんなもの「正義」の言い換えに過ぎない。 twitter.com/BarlKarth/stat…

2016-06-17 14:38:06
高島章 @BarlKarth

問題は、そのような(自明とされていて、ことさらの懐疑によらなければ否定しえない)「正義」のような観念を法律学に持ち込むかどうかという、ある意味方法論の問題だろう。純粋法学は「正義」という観念を議論の対象・議論の方法として持ち込むことを意図的に拒否したに過ぎない。

2016-06-17 14:31:15
高島章 @BarlKarth

@hoshina17 根本規範は正義とは無縁の概念です。

2016-06-17 14:40:13

ニド @2ewsHQJgnvkGNPr

自然科学系だと「正義とか神とか歴史とか理性とか」を記述範囲に含めることがまずないので、そっちの分野から見ると、その『芸術作品』の方が学問的に自然な態度に見えるなあ。「理論的に正しくとも実用上は行き過ぎ」という問題? twitter.com/BarlKarth/stat…

2016-06-17 14:55:26
高島章 @BarlKarth

@2ewsHQJgnvkGNPr 確かに「民衆の物理学」「正義の生物学」「理性の公衆衛生学」というお話はあまり聞きません。

2016-06-17 15:07:50
ニド @2ewsHQJgnvkGNPr

@BarlKarth 現代の視点において錬金術を指して「霊性の化学」みたいに表現することは辛うじて可能ですかねえ……

2016-06-17 15:20:33
高島章 @BarlKarth

@2ewsHQJgnvkGNPr 純粋法学は、科学ですが、実用科学ではありません。宇宙論や天文学みたいに人類の福祉とは無縁の純粋科学です。

2016-06-17 15:08:48
ニド @2ewsHQJgnvkGNPr

@BarlKarth いえ、法学ジャンルの中で純粋法学が異端視? されている理由はそこかな、と。 あと宇宙論はともかく、天文学は古来より主に天測航法と暦の作成という点で人類の福祉に大いに貢献してきた実用科学ですよ……! 『天地明察』は名作(ステマ)

2016-06-17 15:14:14

@_l_bottom_l_

@BarlKarth アインシュタインやファインマンらは、戦後、道徳的責任を感じて平和活動に積極的に参加するようになりましたね。

2016-06-17 14:52:06
高島章 @BarlKarth

@_l_bottom_l_ ケルゼンが道徳的責任を感じているかは不明。たぶん感じていない。そこがラートブルッフと違うところ。

2016-06-17 15:16:30
北守 @hokusyu82

ケルゼンの法哲学は不十分なところが多く、法学の「純粋性」を極めることによる政治的なものの脱臭化がナチスをアシストしたというのはあながち間違いではないが、ケルゼン本人はオーストリア憲法を起草するなどバリバリ政治的なことをやっていた。

2016-06-17 15:31:33
北守 @hokusyu82

ケルゼンはラートブルフと違ってユダヤ人だからすぐ逃げたから駄目というのは不当なんじゃないかなあ。それはそうとラートブルフは言ってることは割と穏当なのだがカップ一揆と戦って捕まり殺されかけたという経歴をもつガチ活動家でもある。

2016-06-17 15:27:55