【魔法少女まどか☆マギカ】美樹さやかと「未来」についての一考【#madoka_magica】

あるにゃん(2024冬まで生きる) @Arnicat_38

この時点から、テレビシリーズで一旦は否定された「昼の世界」の象徴としての美樹さやかが再び立ち現れてくる。

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そして『[新編] 叛逆の物語』は、この「昼の世界」の象徴としての美樹さやかの再誕で幕を閉じる。「円環の理」ーーこれもまた「環」であるーーから切り離され、人として日常に戻“され”ながらも、その世界を是と“して”、青空を見上げ、笑顔を浮かべ、やはり「脚を使い」前に歩み出すさやか。

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「円環の理」は、魔女化さやかと同じく「環」ーー前に進むことのないものーーのモチーフだ。そして、魔法少女にとっての確定された「終着点」という点で、魔女化と同質である。物語はさやかがこれに再回収される結末を是としない。不確定な未来を前に歩ませる。そしてさやか自身が、それを承認する。

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さやかの魔法少女としての初戦(第4話)は、「皆一緒に楽園に行こうとする者」(仁美)と、「それを拒絶する者」(さやか)の対立図となっている。新編はこの点をも踏襲している。「皆一緒の楽園」＝円環の理を認めない。

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道ーー前へと続いていくものーーを笑顔で歩んでいくさまは、テレビシリーズや新編序盤で印象づけられていた平和な世界ーー人間・美樹さやかが進み得た未来そのままの風景である。その世界の再来は、かつて彼女が辿った悲惨な末路を知る視聴者に、「昼の世界」の価値を極めて情緒的に訴える。

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空色の少女が、蒼空の下、人として再び前へと歩み出すことで、「昼の世界」を肯定する。家畜が人間へと救済される。かくして、順接と逆接の両面から「未来」を賛美する存在が美樹さやかであり、その眼前の世界はまさしく「未来 明か（みき さやか）」ーー晴天のごとく明るく開かれているのだ。(終)