2024年の干支は架空の動物「辰」、こんなとき動物園はどうしてる?干支イベントを調べてみた

「辰」のかわりになってる動物たちは?
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年末になると各地の動物園では、新しい年の干支の動物をフィーチャーしたイベントを開催している。例えば2023年にうさぎ年を迎える際は、トラからうさぎへと干支を引き継ぐセレモニーや、うさぎとの写真撮影ができるといった内容のイベントが開かれるのだ。

さて、2024年の干支は「辰(たつ)=竜」。12年に1度の架空動物のターンがやって来る。こういう時動物園のイベントはどんな動物を「辰」の代わりにしているのだろうか。直接、各動物園の担当者に聞いてみた。

竜っぽい爬虫類で対応!愛媛県立とべ動物園

お正月イベントのカレンダーとマスコット(提供:愛媛県立とべ動物園)

愛媛県立とべ動物園では、2024年の干支にちなんだ動物として、2種類のワニを取り上げている。

2023年12月28日(木)には、とべ動物園で最大の大きさを誇るワニ「マレーガビアル」の獣舎の前で干支おくりイベントが行われ、年明けの開園日である2024年1月2日(火)と3日(水)にはお正月イベントとして、イリエワニをモチーフにしたマスコット(先着300名)とカレンダー(先着300組)のプレゼントが行われる。

同園ではこれまでも辰年にちなんだ動物として様々な爬虫類を取り上げており、1988年はミズオオトカゲ、2000年はイグアナ、2012年にはグリーンイグアナを紹介している。毎回取り上げる動物が変わるというのは、トカゲやワニなど様々な爬虫類を飼育している愛媛県立とべ動物園ならではだ。

なお、一説によれば「竜」の伝説はオオトカゲなどの大型爬虫類への恐れから生まれたそうなので、これらの爬虫類も「竜」と呼んで差し支えないのかもしれない。

漢字で書けば「土竜」多摩動物公園はモグラを起用

モグラ展のポスター(提供:(公財)東京動物園協会)

東京都の多摩動物公園が辰年に取り上げたのは、なんと「モグラ」。モグラは漢字で書くと「土竜」と書くため、辰年代表として選ばれたという。

多摩動物公園では普段からアズマモグラ、コウベモグラなどが展示されているが、辰年を迎えるにあたりモグラを理解するための企画展として、干支の企画展「ようこそ 土竜世界(モグランド)へ」が開催される。

この企画展に合わせ、モグラのマシュマロを使ったドリンクの販売も始まるそう。珍しいモグラモチーフのかわいらしいドリンクはSNSなどでも異彩を放つこと間違いなしだ。

土竜マシュマロココア(提供:(公財)東京動物園協会)

担当者によると「身近にいるもののあまり見ることがないモグラの生態などをこの機会に知っていただければ」とのこと。

モグラといえば、穴を掘って土の中で暮しているといったことは想像できるが、それ以上のことはあまり知られていない。なぜ「土の竜」と呼ばれるのかなども展示で紹介されているとのことだ。

タツノオトシゴがいる!宇都宮動物園

飼育しているタツノオトシゴ(提供:宇都宮動物園)

栃木県宇都宮市にある宇都宮動物園では、辰年の定番であるタツノオトシゴを使った展示が行われる。

使われる生き物は定番だが、驚きなのはタツノオトシゴが水族館からのレンタルなどではなく、宇都宮動物園で飼育されている個体であること。

海のない栃木県の動物園でタツノオトシゴを飼育しているのはかなり異例とも思えるが、実は同園ではこれまでも積極的に移動水族館などを招き、海の生き物と触れ合える取り組みを行ってきている。

園長の荒井賢治さんは「海のない栃木県だが、海の生き物とふれあうことで海洋保全について考えてほしい」と話してくれた。

動物園での飼育は珍しいとされているタツノオトシゴ、辰年の今こそ見に行きたいものだ。

バラエティに富んだ各動物園の「辰年代表」

実在しない動物である竜だけに、各動物園では工夫をこらし、別の動物に「辰年代表」となってもらっていることがよくわかる。

辰年の年賀状は竜そのものが描かれたものが多いが、ワニやモグラを使ってみると話の種になりそうだ。

あなたの家の近くの動物園では干支イベントにどんな動物を起用しているだろうか。調べてみると意外な「辰」との関連を知ることができるかもしれない。

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