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ニンジャスレイヤー二次創作集『テイルス・オブ・ギブン・ネームス』より【ストリート・ニンジャ・ファイト】 #4215tk
2016-07-18 19:36:21ドコドコドコドコドコピロピロピロピロ!焼肉バー『発電所』には今日も轟音のメタルが鳴り響く。カウンターの奥にこっそりと潜んだ店主は、おそるおそるといった様子で店内奥の四人の客を見た。店内はそれなりに広いが、彼らが来ると途端に客足がなくなってしまう。1 #4215tk
2016-07-18 19:40:28それも無理はないことだろう。おお!ニューロンの細い読者は心を決めていただきたい!焼肉を楽しむその男たちはいずれも屈強な肉体の持ち主ばかりだ。手前に座るのは赤髪のヤンクめいた青年、あからさまにアンタイブディズム・ブラックメタリストであろうスキンヘッドの男。2 #4215tk
2016-07-18 19:45:31そして奥側、壁を背にして座るのは、呪術めいた文様の刻まれた布で両目と耳を覆う謎めいたブラックメタリスト。そしていつも彼らを引き連れてくる、鋲打ちレザー装束の筋骨隆々としたニンジャ。然り、ニンジャだ。店主もすでにその名を覚えている。ジューテイオン。3 #4215tk
2016-07-18 19:50:35この店に足繁く通う彼らが暴力行為を働いたという事実はない。しかし、そのあからさまに常人とは違うアトモスフィアのため、彼らが来る時間帯となると途端に普通の客がいなくなってしまうのだ。結果、『発電所』は彼らの貸切という状態になってしまっている。4 #4215tk
2016-07-18 19:52:46「スミマセーン!ケモ・ビール、ジョッキ4つ!」赤髪の青年が、BGMのメタルにも負けないほどの声でオーダーを飛ばしてきた。「ハ、ハイヨロコンデー……!」消え入るような声で店主はビールを用意する。店員たちもこの時間になると逃げてしまうのだ。事態は深刻であった。5 #4215tk
2016-07-18 19:56:28故にこそ。店主はキヨミズを決めるような決意を持って、彼らを追い出すためのヨージンボを雇ったのである。(もうそろそろ来るはず……!)彼は願うような気持ちで時計を見た。「オーイ!ビールまだかァーッ!?」「アイエッ!スミマセン!」そして震える手でジョッキを出した。6 #4215tk
2016-07-18 20:00:31……「「「「カンパーイ!」」」」小鹿めいて震える店主が持ってきたケモ・ビールジョッキを手にした四人は、何度目とも知れぬカンパイ・チャントとともに互いのジョッキを打ち鳴らした。「けど悪いなァ、ジューテイオン=サン。何度も焼肉奢らせちまって」8 #4215tk
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