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#twnovel手作りチョコ、1枚目は甘すぎて、2枚目は苦すぎた。3枚目からは舌がバカになって甘いのか苦いのかも判らない。まるで私の人生みたい。だから、このまま、あなたにあげる。私には、この味しか作れないから。好きになってとは言わない。癖になって。
2011-02-14 23:47:29煮干が切れたから、とおつかいに出たところで雪。雨でなくて良かった、と思ってたら同じクラスの斉藤に出くわした。「お前、傘は?」「…斉藤だって差してないじゃん」「バカお前、風邪引くぞ」折畳傘を私に握らせて斉藤は走り去った。…返すのはチョコと一緒でいいかな?【覆面 #twnovel 】
2011-02-14 23:47:54「いいかい、みんな!あたし達はこの世で最も気高い猫族だ!雪を見ただけで人間に尻尾振る犬共とは違うのさ!誰にも頼らず、一匹でも立派に生きていく。さあ、今日もエサを奪いまくるよ!」「ミケ~ご飯だよ~。今日はチョコの代わりに煮干し付きだよ」「にゃあにゃあ♥」【覆面 #twnovel 】
2011-02-14 23:50:05雪の降る夜に訪問者。チョコの包みを手にした女の子が一人。「あの! 田中先輩のお宅・・・じゃない」消え入りそうな声。田中はこのアパートには僕だけ。頭を下げ身を翻す女の子を引き止め,煮干しで出汁をとった味噌汁を振舞う。まだ探すんでしょ。風邪ひかないでね。【覆面 #twnovel 】
2011-02-14 23:52:34星降る夜のスノーバレンタイン、とある家で愛を囁き合う。「私はチョコなんてものに頼らなくても、貴方と溶け合って1つになれるわ。」「それもそうだね、僕らの愛は永遠だ。」煮干しと味噌は互いを抱きしめ、愛を確かめるキスを交わし、愛のスープになるのだ。【覆面 #twnovel 】
2011-02-14 23:55:46いつも遅くに酔って帰る母は決まって味噌汁を飲みたがるので、煮干しを鍋に入れて帰りを待っているとおずおずと呼び鈴が鳴った。開けると真っ赤な顔に雪を積もらせたクラスメイトが右手の紙包みを震わせながら立っていた。「…良かったら、味噌汁飲んでく?」【覆面 #twnovel 】
2011-02-14 23:57:04#twnovel 小魚の群の絵柄の紙で包んだハート形のチョコを芯に雪だるまを作り、置き去りにする。0時に小魚の群とハートが動き出す。雪だるまが最初に見た動くものについて行こうとするのだ。受け取った記憶のないチョコはこうやって届く。道中には煮干が落ちているはずだ。 #twnvday
2011-02-14 23:57:30そろそろ今日も終わりか。今年はくれなかったな。ケータイも鳴らなかった。幼なじみだし、しょうがないか。彼氏がいるようには見えないけどな。って、自分も彼女いないな。誰だよこんな夜中に。え、何。くれるのか。なに義理義理チョコって。お前、それだけのために。23時59分。 #twnovel
2011-02-14 23:59:04摂氏零度。水と氷の境界線。雪が融けるはずの温度。<3摂氏36.9度。あなたの体温。仄かに熱いのは私のせいだって勘違いしてもいい? チョコレートを溶かす温度。二人の体温が重なっていく。<3摂氏80度。美味しいお味噌汁の温度? 鰹節と煮干しと愛情が、出汁。【覆面 #twnovel 】
2011-02-14 23:59:19「なんで対男のセクハラいチョコってないのかなぁ」「自分で作れば? どうせ手作りチョコなんて既製品、溶かして固めるだけなんだろ」「ほう、なるほど。じゃあ石膏と速硬シリコンとポリ樹脂、どれがいい?」「は? どれがいいって何が?」「そりゃ、あんたので型取りするからよ」 #twnovel
2011-02-15 00:05:33#twnovel 定時、退社、道、雪、冷気、手、摩擦、息、白、着信、メール、「早く帰ってきて」、笑顔、返信 #twnvday 家、煮干し、鍋、湯気、白、お玉、ふうふう、味見、着信、メール、「直ぐ帰る」、笑顔、準備、チョコ、添付、手紙、「いつもありがと」【覆面 #twnovel 】
2011-02-15 00:07:14娘が初めてチョコを手作りしたいと言うので、手伝う事に。「私も高校の頃、好きな人にチョコ作ったなあ」「そうなんだ!ママがあげた人ってどんな人?イケメン?」「もちろん。学年で一番よ」「いいなあ~。でその人とはどうなったの?」「今目の前にいるじゃない」「えっ」「えっ」 #twnovel
2011-02-15 00:08:45幼い私に貴方という存在は恋を与え、そして貴方は自身を以って愛を教えてくれた。愛の先には何があるのか知りたかったけれど、もう私の傍に貴方はいない。だから渡せなかったチョコレートに想いを乗せて捨ててしまおう。貴方への恋も愛も、教えてくれた感情の全ても。 #twnovel
2011-02-15 00:10:53「雨が夜更け過ぎに雪へと変わったらホワイトバレンタイン?」「ただの火曜」正論を返せば露骨に嫌な顔をされる。愛だか恋だか製菓会社の陰謀だか何が正しいのかはわかんないけど、確実なのは貰えない男子も寂しいけれど、あげれない女子も可哀相だと言うこと。そう、気持ちを。 #twnovel
2011-02-15 00:19:29「バレンタインなんて、所詮はただの作り物に過ぎない」彼女はそう言って、小さなチョコレートの包み紙を指で回す。「二月十四日が誕生日の人間が、それを何よりも優先的にバレンタインだと意識すると思うかい? その呼称は、結局は大多数のために作られた薄い看板でしかないんだ」 #twnovel
2011-02-15 00:22:54玄関を叩く音。こんな時間に誰だろう。「先輩…遅くにすみません。これ…受け取ってください。もう14日過ぎちゃったけど…。そ、それで…ら、来年はちゃんと、遅れずに渡せるようにしたいので、つ…付き合ってください」 雪まみれの贈り物と贈り主を、僕は溶かすように包み込む。 #twnovel
2011-02-15 00:23:39#twnovel お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんじゃないんだからねっ「え、つまり、どゆ事?」
2011-02-15 00:33:09「遅い、もう手遅れだ!」「そんなことって……っ」「落ち着け、バレンタインには遅れたが賞味期限は問題ない、ゆえにそのチョコは俺が頂く!」「もしかして貰えなかった?」「な、馬鹿な!義理など積み重ねたところで本め……なんでもない!」正義のおにゃのこと悪の男の子の話 #twnovel
2011-02-15 00:48:42#twnovel バレンタインデーだというのにチョコの「チ」の字もかかわらなかった一日。帰り道に幼馴染みの彼女が渡してきたのも『煮干し』と書かれた紙袋。紙袋をひったくるようにして受け取り、家に帰る。酒のつまみでもしようと紙袋を開けると、出てきたのは甘いチョコレート。
2011-02-15 01:30:39バレンタイン。チョコレートショップまで行く電車は、大雪で運休。あの生チョコ、できたてを彼に食べさせたかったのに。寒い寒いとやってきた彼に事情を話して温かいお味噌汁を出す。「うまい!煮干しのだしが効いてる!あったまる!俺はチョコよりこのほうがいい」と彼は笑った。 #twnovel
2011-02-15 01:36:58いつもおいらを馬鹿にするあの子が浮かれている。「ビターは先生、ミルクは友達、本命はホワイトね☆」おいらにもチロルチョコくらいくれよ。「頭悪いあんたは煮干しで十分よ!」うちに帰ってもしゃもしゃ食べたら、雪のように白いホワイトチョコの味がした。なんだこれ?【覆面 #twnovel 】
2011-02-15 01:43:21雪まみれになりながら、煮干しの出汁の香りがきいた路地裏を歩いていく。だってここは彼に会える近道。チョコをポケットに忍ばせて、インターホンを押しましょう。14日よ、まだ終わらないで!! #twnovel
2011-02-15 01:48:49#twnovel 「時期が悪かったわね、今年はチョコありません」つい昨日仲直りした彼女にそう宣告された。喧嘩の原因は俺だったし、何の文句も言えない。それでも去年食べた手作りチョコケーキを思い出すと悔しくて仕方ない。「そこで」彼女は言葉を続けた。「一緒に作ろうか、チョコケーキ」
2011-02-15 02:22:56「あんた、またアイツに飴もらったの?」「うん」「やめときなよ。あんまりもらわないほうがいいから」「なんで?」「明日、何日だか憶えてる?」「…14日」「なんの日」「ってそりゃ、バレン…」言いかけた瞬間、背中にジトッと視線を感じた。翌朝、あたしは学校を休むことにした。#twnovel
2011-02-15 02:35:46