雪のついのべ。

雪にちなんだついのべをまとめました。
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しーな@GO2完走 @xsheeenax

視界に飛び込んできた窓の向こうの雪景色を見て私は笑みを浮かべる。昨日、約束をしたの。あなたの気持ちが本物なら、私にもちゃんと判るように見せて。「愛してる」の一言だけじゃ信じられないから、と。闇に包まれて消えたあなたが空から絶え間なく降ってくる。「これで満足か?」 #twnovel

2011-02-11 10:36:48
しーな@GO2完走 @xsheeenax

計画通り。いつもと違う朝。一面の銀世界を作り上げた僕は嬉しくて思わず声を上げた。これが、最初に覚えた魔法。雪を見たことがないと言う君に本物を見せてあげる。その為に全ての力を使い切って、もう二度と魔法が使えなくなっても構わない。君が笑ってくれるなら何だってするよ。 #twnovel

2011-02-11 10:45:57
しーな@GO2完走 @xsheeenax

「あ、雪溶けてる」カーテンの裾をめくり、残念そうな声が窓を曇らせた。「もっと降りまくって閉じ込められたらよかったのに」「高速と電車は止まったらしいで」「せやのうて……もっと」ベッドに戻った白い腕を撫でる。既に僕らの世界はホワイトアウトしていて、境界線が見えない。 #twnovel

2011-02-11 20:06:41
しーな@GO2完走 @xsheeenax

低体温の君は寒くなればなる程肌がひんやりする。雪なんて降ろうものなら冬眠するしかないね、と言っていた君は今朝目覚めて銀色に染まった下界を見た後、苦笑しながら僕に頬をすり寄せた。「明日起きなかったらキスして起こしてね」その前に、眠らせないっていう選択肢があるけど? #twnovel

2011-02-11 20:22:03
しーな@GO2完走 @xsheeenax

雪のせいで会えなくなった。折角の三連休だったのに、何でそこを狙ったように降るんだ。空気読め。ひらひらと白い結晶を落とす空を睨みつけた。息を吸い込む度に冷気が胸を押し潰すよう。君のことを思うだけで胸の奥がぎゅっと痛んで、涙が滲む。ああ、ドライアイだから丁度いいよ。 #twnovel

2011-02-12 00:57:07
しーな@GO2完走 @xsheeenax

連休や天候不良で臨時の休み。喜ぶみんなの陰で僕はこっそり溜息をつく。休みが増えればその分君の顔を見る日が減るだけで、いいことなんか何ひとつない。早く月曜日にならないかな。週末が憂鬱で仕方ない。休みなんかなくなってしまえばいいのに。休日にはどうせ会えないのだから。 #twnovel

2011-02-12 01:15:25
しーな@GO2完走 @xsheeenax

発泡スチロールみたいな雪が降っている。地面はぐずぐずのフローズンシャーベット。「ホワイトクリスマスじゃなかったね」なんて言ったけど、別にホワイトバレンタインデーにして欲しかった訳じゃない。スカートとブーツの足元が不安定で、約束の時間に遅れそう。早く、行かなきゃ。 #twnovel

2011-02-14 19:09:14
しーな@GO2完走 @xsheeenax

一晩明けて外に出てみると、街が白く覆われていた。誰も触っていないところを試しに指ですくって舐めてみると甘い。ああ、これは砂糖だ。溶けたらべたべたになるだろうな、と無粋なことを思いながら真白の街を歩く。さくさく、さくさく。道端にはシャーベット。雪だるまの砂糖菓子。 #twnovel

2011-02-15 12:16:13