アロハ天狗のシン・ゴジラネタバレ感想

アロハ天狗 @Aloha_Tengu

シン・ゴジラ感想【ネタバレ含む】をします。

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インターネットは義務教育ではないので、土日、オーボン、その他様々な各種タイミングを潜り抜けてまだ見てない人へのポリティカルコレクトネスな配慮は行わない。我々は無害なインターネットエルフではない、きけんなインターネットバーバリアンなのだ・・・！

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しかし我々はシン・ゴジラを見た直後に「ウィーピピー！」と脳がはれつしたのでこれを一挙に書き、そして今日までパソコンとスマッホをグルグル巻きにして封印した。

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そのため、特になんかすごい考察や衝撃の新事実（戦後のわれわれのなんかとか庵野のなんかとか）ではなく、初見当日ウワァー面白かったー文章なので、どこかの誰かがとっくに書いているようなことだ。

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しかし、これは俺の感想なのだ、俺の感想だから俺がある。

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以下・感想

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シン・ゴジラとにかく最高で、庵野に対する感謝の念しか湧かず、この映画のための生贄としてならサトエリキューティハニーもエヴァQも巨神兵も全て肯定しようという一作でした。

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すでに語られている通り会議シーンの多さ、それ自体が燃えどころでありいいぞもっとやれであるものの、やはり全てのゴジラ登場シーンはそのものがハイライト。

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特に中盤の山場、首都壊滅シーンは壮絶すぎて劇場の空気が冷え切ったのを肌で感じました。 「白け」ではなく、戦慄からの「冷え」で劇場の空気がスゥーッと冷え込んでいったんですよね。

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それまではゆっくりと歩くだけで積極的な破壊活動も行なわないので、「ひょっとして何とかなるんじゃ？」「クソ硬いだけでは？」「そのまま海にお帰りいただいては？」と気が緩んできたころでのまさかのアレですからね。一気に「もうこの国は終わりだァ…」という絶望的な感覚に叩き込んでくれます。

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火炎放射が収束してレーザーとなるわ、背びれからイデオンレーザーだわと「やりやがったな庵野案件」で通常であれば劇場総立ちの燃えアイデアなのに、それをはるか上回る「冷え」を即ブチ込んできますからね。

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あのまま爆炎をバックに歩いてくるゴジラのカットから、そのままスタッフロールに行くんじゃないかと初見では気が気でなかったです。（やりかねない）

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ゴジラ第二形態の「えええ！？」感も、庵野が観客の側頭部をハンマーでぶん殴る本気度がビンビンと伝わってきます。またあの気の抜けた表情が妖怪的というかＳＣＰ的でいいんですよ。

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終盤、対ゴジラ作戦がまさかのヤシマ作戦リメイクとわかり、限界突破して盛り上がってくるんですが（防災対でのエヴァの作戦準備BGMも完璧）、もちろん米軍と自衛隊の共同作戦や使い捨てドローンも燃えるものの、やはり一にも二にも、特撮史上最高のアイデアの無人在来線爆弾でしょう。

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そもそもヤシオリ作戦冒頭の無人新幹線爆弾（しかも陽動作戦！）で血中カラテ濃度が最高潮になってからのダメ押しの在来線爆弾ですからね。アレで燃えるなってほうが無理ってもんです。

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特に無人在来線爆弾は、着弾即大爆発ではなく、浮き上がり、ゴジラに絡みつくような状態になってからの爆発というあたり、庵野・樋口の凄まじい特撮力（ちから）をつくづく見せつけられました。

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もちろん会議シーンも非常に好みであり、「織田裕二が絶叫しない」「木村拓哉が絶叫しない」「米倉涼子が決め台詞を言わない」「篠原涼子が決め台詞を言わない」だけでこれだけ面白くなるのだなあというしみじみとした思いが胸を打ちます。

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人間方といえばほぼ、松尾 諭の演じる泉保守与党政調副会長も脇ながらセリフの一つ一つが非常によく、仏頂面の愛嬌も相まり実に印象に残るキャラクターでした。「あの水」はもはや言うまでもないですよね。

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また、巨災対（ネーミングが最高）の面々はともすれば映画全体から浮きかねないようなマンガチックな独立愚連隊ですが、そこをしっかりと矢口の指揮下に置いて釘をさすあたりは流石庵野の面目躍如と言ったところでしょう。

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そして、これを除いては語れない市川実日子の無表情早口なキャラクターは終始最高で、最後にデレるあたりこの…そのう…フィ…フィヒ…フィーッヒッヒッヒ！フィーヒッヒッヒ！ヒー！

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市川実日子は終始グダグダだったサトエリキューティハニーでも及川光博と並んで映画に締りをもたらしていたのですが、まさかここまで至高存在となるとは・・・

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その一方で石原さとみは存在自体がギャグになっているんですが、かろうじて映画を壊すには至らず良かったと言ったところ。これは、浮いたキャラであるものの、不快なキャラでは決してないところがデカいんですよね。

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今となっては、石原さとみがクルっと振り返る予告編初公開の際のお通夜ムードも懐かしいです。あの時の期待感の低さと言ったら、今から振り返ると信じられないですね。

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邦画の悪しきお約束である「子供がママーママーと泣きながら廃墟をウロウロして主人公に助けられて親と合流する」「政府や米軍の妨害を受けながら正義のジャーナリストが活躍する」「『撃てー！』と叫ぶだけの司令官（中尾彬）」「織田裕二が絶叫する」などが徹頭徹尾排除されているのも嬉しい。

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方々でも既に語られている通り今回のゴジラは災厄そのものとなっており、一作目とは全く別の映画なのに一作目の視聴体験を完全再現するという奇跡みたいな難題を成功させているんですよ。