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胎の中にぶち撒かれた情熱を、胸の奥からわき上がってくる歓喜を、脳が麻痺したかのような興奮を、俺は“快楽”と名付けたのだ。 #twblnovel そして、耳元で囁かれた名前が、覆い被さった人肌が、握られたままの手が、“幸福”という名前なのだろう。
2016-06-08 01:14:53あまりにも雨の日が続くものだから、洗濯もできず、ついに着るものが無くなってしまった。まあ、家の中で全裸で過ごしたところで、誰に見られる訳でもないから困らないけど…。「ちーっす!生きてる-?!遊びに来たぞー…って、どわー!裸!?変態だー!」前言撤回。困った。 #twblnovel
2016-06-17 01:28:00シャワールームを出ると、先程まで激しいセックスをしていた相手は、既に着替えを終えていた。「それじゃあ、また来年ね」と彼は言う。私たちは、名残惜しく思いながら、最後に深い口付けを交わした。私は一年に一度だけ、元妻に引き取られた息子と会うことを許されている。 #twblnovel
2016-07-08 01:21:47街中を歩く人が増えた気がする。でも、その中の誰もが手にしたスマホを見つめている。時々立ち止まったりしては、何かに集中している。「だからって、手は繋がないからな」どうせ誰も気にしやしないのだから、恋人なんだから、手を繋いで街中を歩いてくれてもいいじゃないか。 #twblnovel
2016-07-25 02:06:59“お盆くらいは帰ってきなさい”と、母親から連絡があった。それを無視して、今日も男の家に入り浸る。「それじゃあ、留守番は頼んだよ」「行ってらっしゃい」彼は今日から三日、出産で実家に帰っている嫁の元へ向かう。その間は、俺を埋める物が何も無くて、少しだけ寂しい。 #twblnovel
2016-08-07 00:47:05「さあ!8月11日は山の日だ!早速山登りに行くぞ!まずはテントを張って拠点を作ろう!」「おい」「おやおや!?こんな所になだらかな山が二つもあるぞ!?さあ、早速登頂だ!」「おい」「なんと!山頂には謎の突起物が!」「やめろ」「山頂で採れたての苺を」「やめろ」 #twblnovel
2016-08-07 01:10:31実家が嫌なら、俺の所に帰ってきてもいいんだぞ。仏壇も無ければ、位牌も骨の一欠片も此処には無いけれど、お前を嫌う家族も無いんだ。ただお前が、俺の隣に帰ってきたいと思えばそれで、俺の所へ帰ってこれるんだ。さあ。この煙草の火を頼りに、早く此処に帰ってこい。 #twblnovel
2016-08-14 01:09:43卒業式に裏山の木の下で告白をすると、二人は永遠に結ばれる、ってやつ。あれ、告白したい人がブッキング被ったらどうするんだろうね?気まずくない?告白しようと女の子を呼び出したら、似たような考えの男たちが二、三人鉢合わせちゃったりして。女の子、いっぺんに来たりして。 #twnovel
2016-08-14 01:17:48