- narazu_mo_no
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ナラズモノ『それでもロケット団か』 ナラズモノは、2年前の第一回公演にアニメーションとして関わりました。 第一回公演は大好きだったし、作演出の千代田さんはいつも面白く、今回も良からぬことを考えていそうなので、是非観に行きましょう。 twitter.com/narazu_mo_no/s…
2016-09-15 22:32:31ナラズモノ公演『それでもロケット団か』特別にゲネプロを観劇させて頂く@駒場第三音楽練習室。40分と短い上演時間、狭い音楽練習室にチープな舞台が3ピースのバンドに良く似合う。3人のメンバーは客席と目を合わせない。内側に閉じてて、反抗のパンクではなくて鬱屈のオルタナを思わせる。(1)
2016-09-22 17:31:56エレアコのトーンも湿ってて、ニルヴァーナのMTVアンプラグドが始まりそうな雰囲気に打たれる。その態度は多分劇中のコジロウの想いともリンクしてて、「全部どうでもいい」だから前説、観客への注意が入ったときに彼らが演奏を止めてしまうのが違和感だった、とそんな感想を書いた気がする。(2)
2016-09-22 17:33:023ピースってのは最低構成のバンドで、(いや、ホワイト・ストライプスとかタッチミーとか二人構成もあるけど)僕はそこに何か特別なものを感じてしまう。普通にバンドをやってると分かるけど、3人だと何もごまかしが効かない。3人の「個」がむき出しになる。(3)
2016-09-22 17:33:14そうした3ピースのバンドと、ロケット団の3人が重ねられてるように感じた。最低構成要素であり、チームであり、同時に危うさを含むグループ。僕はポケモンはごく僅かしか知らないのだけど、よく分かる気がしたのは、それがヤッターマンやナディアの悪役三人にも交換可能だからだろう。(4)
2016-09-22 17:33:3340分の短い劇だけれど、構成要素は複雑でそれが「悪とは・悪事とは何か」というテーマ・メッセージを豊かにしている。音楽と演劇という二極、またムサシとコジロウ・ニャースの2つのストーリーが交互に語られ、そのうえセリフは奇妙な間を持って、詩の朗読のように言葉が異化される。(6)
2016-09-22 17:34:39テーマは明確なのだけれど、その構成の複雑さによって語られるテキストを容易に信じることができなくなる。この間、ある企画の鼎談で演劇について色々話していたのだけど、この言葉の意味をあらゆる要素で異化・脱臼させていく、というのも舞台芸術の特徴だなあ、と改めて。(7)
2016-09-22 17:34:54それでもテーマが明確なので、僕はやっぱり「悪」について考えさせられることになる。悩めるコジロウは一人のニーチェだ。あるいはドストエフスキーの登場人物、それともカート・コバーンかも。言わば「ひとりロケット団」としてしか生きられない彼の姿が苦しい。(8)
2016-09-22 17:35:21はみ出しものだったニャースが「悪」としてのロケット団に居場所を見つけた話は美しい。彼の仲間たちへの思いも泣ける。ムサシの優しさ「それでもあなたを理解したい」という思い。けれど、そこには一滴の欺瞞があって、それをコジロウの純粋な悪は看過しない。(9)
2016-09-22 17:36:28だから、「悪というのは一人でなくてはならない、理解されてしまえばそれは悪ではない」そんなことを考えていた。アイヒマン的「凡庸な悪」でもなく、合目的的なチープな悪でもなく、純粋な悪たろうとすれば、むしろ意味性のある行動が出来なくなっていく。(10)
2016-09-22 17:37:13(ハンナ・アーレントの名前も知らない頃に書いていた小説の一種のラスボスは、児童買春に疑いを持たず、ただ地元暴力団の言う通りに、逃げようとする少女を連れ戻してしまう”人の良い”タクシー運転手だった。彼は全ての悪を当たり前のものに変えてしまう。おそらく戦争も、殺人も)
2016-09-22 17:38:07(この物語での)ニャースも、ムサシも、出会い方が異なれば正義の中にいる可能性は十分あった。けれど、コジロウの悪はそうではなかった。その、他者には届き得ない拒絶、排除、原理的に誰の理解も拒む孤。(11)
2016-09-22 17:38:42「それでもロケット団か?」と問う彼の理想化された悪のロケット団には彼しかいない。ほとんど矛盾してるように聞こえる。その問いは僕、というか一人ひとりに対して切実に問われてるように聞こえた。いや、コジロウも自分自身へと問いかけているようにも。(12)
2016-09-22 17:39:39そして僕達も一度自分自身を通して自分にそう問いかける。ほかの誰にも理解できない問を。ポケモンを知らない僕にも、僕にとってのロケット団があったことを、思い出させられる。たぶん、あのひと言を聴くー問うためにあの場所にいったのだろう。(13)
2016-09-22 17:40:46.@narazu_mo_noさんの、明日から開演の「それでもロケット団か」、特別にゲネを見せてもらいました。 演劇ってより、バンドライブ。台詞ってより、歌詞。新しくて面白いです。ロケット団って実は凄いこと言ってたわ。僕はおすすめです。(編集長)
2016-09-22 18:56:35ナラズモノ「それでもロケット団か」みてきた。ついひねくれた目で劇見ちゃう癖があるんだけど、演奏がかっこいいのとニャースがあまりに愛しいのとで素直に楽しめてしまったのニャー
2016-09-23 22:46:02