dear... again

大倉組 @ohkuragumi

①dear…again 異国へと旅立った彼と離れて もう…夏が通り過ぎた あの人なしで過ごした夏 独りきりの生活は、未だに慣れない 離れたって、大丈夫。 そう思っていたのに 寂しさは募る まるで、生きていないみたいに 抜け殻みたいな私…

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②dear…again 電話は、ちょくちょく しあってても 日常会話だけ 遠い異国で頑張ってる彼に 心配は させたくなくて 寂しさを隠して平気なフリをする。 だけど…本当はね…、 ――元気？久しぶりだよね？ 手紙なんて書くの。 思いきって書き始めた あの人へエアメール

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③dear…again 頻繁に電話はしてるから 特別なニュースなんてない でも…言葉に出せない、この想い 少しは知って欲しくて ――忘れないでね… 私のことも、2人のことも これから先も 此処で、待ってるから 初めて素直な気持ちを文字にした

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④dear…again そんなん、お前に似合わんで？ なんて笑うかな？ それでもいい、笑ってくれても。 笑われても、これが私の想いだから… 私なりの生活 ちゃんと頑張らなきゃ。 分かってる… 分かってるけど… やっぱり寂しくて…

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⑤dear…again それでも１日、１日は過ぎ 毎日に追われ違う季節が来る 最近は電話もかかって来ないけど きっと、忙しく過ごしてるのかな… 声が聞きたくて携帯を握るけど 通話ボタンを押せない私 だって…あなたの声を耳にしたら 寂しい…って、 泣いちゃいそうだから

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⑥dear…again ラジオからはクリスマスソングが 流れる季節 ねぇ… あなたも何処かで聞いてるかな…？ 出来る事なら、2人で、、、 過ごしたいな… しばらくぶりにきた電話 「ゴメンな？なかなか電話 出来んくて、、、」 せっかくそう言ってくれたのに

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⑦dear…again 『 平気。忠義が居なくても ちゃ～んと暮らしてるから、』 なんて強がり言ったりする だけどやっぱり寂しくて 『 ねぇ？年末は、帰って来れそう？』 って探りを入れる 本当は、もっと早く会いたい。 クリスマスを一緒に… なんて事は言えない…

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⑧dear…again 「、、、ん～、ゴメンな？ まだ分からへんわ…」 予想通りの言葉が帰ってくる そうだよね、 やっぱりね、、、 分かってる、 分かってるけどね、、、 会いたいよ… 早く会いたい… あとどれだけ、 1人の夜を越えればいいの…？

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⑨dear…again 街はクリスマス一色で イルミネーションが光り輝く あちこちのショーウィンドウには MerryX'masの文字と プレゼント用の商品が飾られている それを仲良く見る恋人達 溜息が漏れる やっぱり… 会えないよね…

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⑩dear…again クリスマスプレゼントなんて要らない 忠義が居てくれたら それでいいの… 会いたい… そんな私の思いは届かず クリスマスは やって来た キラキラ輝く街には 手を繋ぎ、微笑み合い 寄り添い歩くカップルばかり

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⑪dear…again “クリスマスケーキ いかがですか～” なんて言葉も飛び交っている 1人じゃ寂しいけど、、、 ケーキくらい、買おうかな… 一番小さなケーキ イチゴが1つだけ乗ってるケーキ 1人だから、これでいいや…

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⑫dear…again このケーキ、、、 と言おうとしたら ポケットに入れていた携帯が震えた 忠義からのLINEだった 開いてみると画像が送られていた このツリー、、、 それは毎年のイヴの夜 忠義と待ち合わせしてた場所の イルミネーション その後に送られてきた文字は

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⑬dear…again “今年も綺麗やな” 、、、えっ…？ 今年も…？ 返信を打とうとしたら電話がなった 直ぐ通話ボタンを押し 耳に当てると 「今年も綺麗やな～、このツリー、」 このツリー、、、？って えっ、、、？忠義、もしかして…

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⑭dear…again 「ずいぶん賑やかやけど、 外におるん？」 『 う、、うん。 今、帰る途中、、、』 鼓動は早まり声は震える 忠義は、、？何処に居るの…？ 期待してしまう私 「待っとるわ、」 『 、、えっ、？』 「ここで待っとるから、」 『 た、ただよし…？』

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⑮dear…again 「分かるやろ…？この場所、」 分からない訳がない 「早う来て、？」 『 う、うん…』 溢れる涙を拭いながら 人並みを掻き分け駆け抜ける 拭っても拭っても止まらない涙 化粧も崩れちゃうよ… オシャレもしてないのに… そんな事を思いながら急ぐ

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⑯dear…again やっと目に映ったクリスマスツリー 一旦 立ち止まり乱れた呼吸を整える 早まりすぎた心臓は パンク寸前になっている 背の高い人影が、ゆっくり歩いてくる 遠くからだって分かる、、、 忠義だ、、、って…

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⑰dear…again 重くなり力をなくした足が 自然と動き出し、忠義の胸の中へ 飛び込んだ ふわっ、と私を包み込み ボサボサになった髪を撫でてくれる 息を切らす私に 「どんだけ急いで来たん、」 って、冷えた頬に手を当てて じっと見つめる忠義

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⑱dear…again 人目も気にせず抱きしめ また溢れ出す涙を そっと指で拭ってくれて 「化粧、、剥げとるやん、」 って微笑む 『 、オシャレだって、、 してないのに、、、』 見つめ合い 2人で、ふっ、微笑み合う

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⑲dear…again 『 会いたかった…』 素直に出た言葉に 「強がらせて、ゴメンな…？」 って、抱きしめてくれる 忠義はちゃんと知ってたんだね… 周りの恋人達のように、 私と忠義も寄り添い歩く さっき立ち止まったケーキ屋で イチゴが いっぱい乗ったケーキ を買った

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⑳dear…again “素敵なクリスマスを、” 店員さんに言われ 「『 ありがとうございます』」 幸せいっぱいな気持ちで応えた さっきまで寂しく、孤独に見えた イルミネーションの街並みも 忠義が、世界一綺麗な景色に 変えてくれた

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②①dear…again 歩いていると耳に入った クリスマスソング *クリスマスまで～には、 間に合うように、私のもとへ 帰ってきてね….•*¨*•.¸¸♬ 『 、、あっ…』 いつも寂しく聴いていた曲 *ずっと遠く、すごく遠く、 離れて、、いるけど.•*¨*•.¸¸♬

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②②dear…again 立ち止まって聴き入る私 ふと忠義の顔を見ると 「ちゃんと、帰ってきたで、？」 て、大好きな暖かい笑顔が 幸せな気持ちにしてくれる これから先のクリスマスも あなたが居ればそれでいい… それが私への一番の クリスマスプレゼントだから… End