個体や種を犠牲にしても、生命体自体を未来に残すことができさえすればよしとする生命現象は、仕事に追われる映画監督に例えられる

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生命情報保存研究所 @rodan670

生命体にとって最も重要な命題は 個や種の存続ではなく まして幸福などではなく 生命体なる存在が単に存在し続けることにより時間と供にある事だと仮定する

2016-10-17 22:49:49
生命情報保存研究所 @rodan670

この概念は、仕事に追われる映画監督に例えることができる 仕事に追われる映画監督にとって唯一重要なことは、今この瞬間映画を撮ることである。 この監督はあるシリーズをとり続けており、毎年1本撮影することをノルマとしている。

2016-10-17 22:54:57
生命情報保存研究所 @rodan670

彼は時間の経過に切迫感を感じており、時代からはがされることを極端に恐れ。 時代遅れとなってしまった己の旧作に目を通すことはなく、乱雑に放り投げてしまうことすらある。 時代の要望にあわせて作風を変えることはまったく厭わず 今この時代の観衆に受けるのであれば

2016-10-17 22:56:03
生命情報保存研究所 @rodan670

これまで築き上げてきた伝統もセオリーも惜しむことはない 実際彼の作品はひどくマイナーであり DVD化されてレンタル店におかれることもないため 上映後の時間軸を彼は所有できない

2016-10-17 22:57:16
生命情報保存研究所 @rodan670

上映期間が終了すれば彼の個々の作品は二度と人目を見る機会もないため 己の過去の作品に過度な情をかけてもしかたがない 職業監督にとって 観客に見られなくなった作品はそもそも存在していないも同然である 彼にとって唯一大切なことはこの瞬間に彼の作品が映画館で上映されていることであり

2016-10-17 22:58:07
生命情報保存研究所 @rodan670

この期間が終了すれば彼の存在は世間から完全に忘れ去られてしまうと彼は恐れる 彼はマイナーながらにある程度の知名度と一定のファンとを有し これがゆえに何とか作品の上映を映画館に許可されているが そのささやかな認知を一旦失えば最後

2016-10-17 23:03:19
生命情報保存研究所 @rodan670

一から今の立場を再び築き上げるだけの力を彼は常時持ちえることができない 彼が映画監督であるためにはひたすら新作をつむぎ続けるよりほかなく 彼はただその命ある限り、映画館に新たな一作を持ち込むことだけに奔走することとなる

2016-10-17 23:07:17
生命情報保存研究所 @rodan670

彼にとっては映画の上映を通じて「映画監督である」ことだけが大事であり 同時にそれにしか拘泥する余裕を持ち得ない この映画監督が生命現象であり 乱雑に投げ捨てられる個々の作品が個体や種に相当する

2016-10-17 23:08:15
生命情報保存研究所 @rodan670

よって個体や種が救われるためには 彼の作品がきちんとDVD化されてレンタルビデオ店に陳列され 折に触れて地上波やBSやケーブルテレビにて再放送され あるいはyoutube上にアップロードされ

2016-10-17 23:19:41
生命情報保存研究所 @rodan670

視聴者側がいつでもどこでもその気になれば再生できるような立ち位置に収められる ことが重要である 映画の中には数十年にわたってシリーズ化され続け 結果新作が出されるたびに過去の作品が脚光を浴び その時代その時代の観衆たちに

2016-10-17 23:36:56
生命情報保存研究所 @rodan670

何度でも回収されなおし 永遠の時間を有する幸運なものが存在する 個体や種のレベルもこの境地に落ち着いてこそ 初めて生命現象の傀儡の座から脱することができるようになる

2016-10-17 23:37:19