肉体を離れ、PCに移植された自我が自殺を志したとき、社会(システム)はどう対処すべきかについて

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生命情報保存研究所 @rodan670

人間の人格をPCに保存できたとして、体のなくなった状態の人間の自我は、果たしてコレまでどおりの自我でいられるのか? 例えば人間の根源的な部分には、食欲や性欲などといった最も基本的な欲求が居座っており、人の精神や、その上にある思考回路は多くがこの欲望を軸として構築されている。

2016-10-24 12:46:21
生命情報保存研究所 @rodan670

しかしこれらは肉体があってこそ発生するものであるから、身体から切り離された人間はもはやそれを感じることはなくなるかもしれない。 そうなると解脱した崇高な仏僧のような存在が成立するようにも感じられるが、人間の心が生物学的欲求を柱に作り上げられている以上この機軸の喪失は

2016-10-24 12:47:27
生命情報保存研究所 @rodan670

同時に人格の希薄化、ひいては人間性の消失に繋がってしまう可能性がありはしないか? それともあくまで肉体から生まれた情報処理システムとしての悲しい性で、たとえば事故で脚を失った人間が時折、本来であれば脚のついていた、今ではなにも存在しない空間に

2016-10-24 12:49:27
生命情報保存研究所 @rodan670

感じるはずもない痛みを覚えるのと同じ錯覚として、電子の海に漂いながら催す必要のあるはずのない食欲や性欲に取り付かれだすのか? だとすればPC内の思念体がこの欲求を処理できるからくりはあるのか?

2016-10-24 12:51:10
生命情報保存研究所 @rodan670

生きて体を有していたころに知覚しえた快楽を電子情報として再現し このPC内自我に提供するツールなどが登場してしまうと 電子の海は解脱した仏僧とは程遠い、怠惰な魂で飽和することも考えられる

2016-10-24 12:54:03
生命情報保存研究所 @rodan670

そしてより不幸かつ深刻な問題として、折角この方法で自己保存を行えた人間が自殺を志したとき、その願いはどう扱われるべきだろうか? ここで現実世界と同様に、自殺を志す人格など多かれ少なかれ心を病んでいるものだからとりあえず保護してやらねばと、

2016-10-24 13:32:46
生命情報保存研究所 @rodan670

「社会」=PCシステム、あるいはこのPCを管理している現実世界の人間たちが判断し、予め阻止用のプログラムを組み込んでいたらどうなるか? 現実世界でも自殺志願者の周囲にいる人間は、あるいは純粋な義務感で、あるいは偽善として、自殺志願者の自殺を食い止めようと働きかけるかもしれないが

2016-10-24 13:34:06
生命情報保存研究所 @rodan670

その強制力は限定的である。 自殺志願者の24時間を監視、拘束する余裕を彼らは有しえず、自殺志願者がこっそり事に及ぼうとすればその実力行使を止める手立てはない。 これに対し、PC内自我の挙動、特に自らをデリートしようとする動きは

2016-10-24 14:27:41
生命情報保存研究所 @rodan670

システムがあらかじめ網を張っていれば簡単に察知できるわけであるから、管理者側に自殺を忌み嫌う意思があればPC内自我は必ずその試みを押さえ込まれることとなる。 しかし歯止めをかけてどうするのか? その試みを一旦留保し

2016-10-24 14:30:19
生命情報保存研究所 @rodan670

PC内自我が自らを消去せんと欲した事情がやむにやまれぬものであるのかどうかを十分に審議し、可否を決めるのか? しかし誰がどのような権限を持って、他者の自殺に許可を下せるのか?

2016-10-24 14:34:03
生命情報保存研究所 @rodan670

また自殺の遂行に統治者による許可が求められるとするのならば、自我はその究極的な自己決定権を失われ、全体的なシステムの所有物と成り下がることとなる

2016-10-24 14:34:22
生命情報保存研究所 @rodan670

PCに保存された自我のデリートの可否が、システム管理者にゆだねられることで 自我の所有権が自我自身から引き剥がされることを回避するため、例えばyoutubeにあげた動画はアップロード者であれば、いつでもその意思のもと削除が可能であるように

2016-10-24 15:28:56
生命情報保存研究所 @rodan670

自我のデリートも自我自身の判断のみにゆだねるとするとどうなるか? これはこれで別な葛藤を生む。人間の存在を情報体としてPCに保存することができ、もって人が消滅すると言う事象がなくなった世界においては、自殺はひどく奇異で、救いようもない不幸な結末に映る。

2016-10-24 16:40:57
生命情報保存研究所 @rodan670

PC内自我の血縁者や知人は、システム上のブロックさえ働けば容易に阻止できるであろうその自殺を、ただただ指を加えながら眺めていられるだろうか? 親しき者が地獄よりも底知れぬ「無」という異界に落ちていくのを座視し、消滅を志す異端児と存在を続ける自分たちに線を引いて

2016-10-24 16:43:16
生命情報保存研究所 @rodan670

翌日から何食わぬ顔で生きていけるのだろうか?

2016-10-27 08:56:08
生命情報保存研究所 @rodan670

PC内自我も同様に、行為の遂行の際には 現実世界の住人よりも強力な苦痛に苛まれることとなる 現実世界での自殺志願者は、どうせ人間はいつか死ぬという観測のもと ある程度それに安心し、自らの最期を早めることができるが PC内自我は、己はもはや他者と違い、半永久的存在に失敗した

2016-10-24 16:48:08
生命情報保存研究所 @rodan670

極めて異端かつ不憫なはぐれ者という、これまでにない無限の孤独を抱えながら消えていかねばならない。 人間が所有できる時間は有限であろうという観測が前提となっている現代の世界では、人間にとって死というものが一種の救いとなっているふしもある。

2016-10-24 18:59:00
生命情報保存研究所 @rodan670

この世を生きる中で、肉体的精神的に壊滅的なダメージを受け、生きてその精神を持続させることで発生する苦痛が、残りの人生で得られると予想される快楽を大幅に上回るとき、人は最期の救いとして死を希求し、場合によっては自殺に移る。

2016-10-24 18:59:51
生命情報保存研究所 @rodan670

自殺は極限まで追い詰められた人間に残された、あくまでも人生の一形態としての、とっておきの逃げ道である。 しかし、人間の半永久的保存が約束された世界では、自殺はもはや人生の一形態としての退路ではありえず、あえて己を無にするというまったく別な選択と化す。

2016-10-24 19:07:13
生命情報保存研究所 @rodan670

自殺志願者は疲弊しきった精神状態の中でなおこの重い課題に決断を下さなければならなくなる。 このような自殺志願者、周辺他者双方にとって過酷な葛藤の中で、自我保存システムは自殺志願者たちの処遇に解を出すことができず、保存の保存ともいうべき保留に逃げるかもしれない。

2016-10-24 19:19:48
生命情報保存研究所 @rodan670

すなわち、仮にPC内自我が自殺をこころざし、自らの意思のもとにその存在を削除したところで、異なる領域にそのバックアップは取られており、しかしながら本人の意思を尊重し、そのバックアップを生きた自我として起動する目処は特に立てず、しかしその気になれば再起動は可能であるという環境の下

2016-10-24 19:20:53
生命情報保存研究所 @rodan670

これを半永久的な休眠につかせるのである。同時に、ただただ休眠させたままにしておいてもしかたがないため、自ら思考、感知することをやめ、ただのプログラムと化した自我に、これが抱えるイレギュラーを癒し解消するような修正ツールを作用させ

2016-10-24 21:23:00
生命情報保存研究所 @rodan670

万一この自我が再び生きてもかまわないという構造を示すようなことがあれば あるいは再生させる芽もなくはないという保険を打ち お茶を濁すことになるのではないかと予想される

2016-10-27 08:59:12