2016夏-秋　おそチョロSSまとめ

ねこまつ@三月まで低浮上 @bluerose_eye

【カジノ13】「わ、おめでとう！え、コイン？僕からのプレゼントですよ」笑顔の仮面を貼付けて、誘うのは地獄の沙汰。「ねえお兄さん、その金倍にしたくない？」二人の天才ディーラーは悪魔のように笑う。「それじゃあ兄さん、ご案内は任せたよ？」「まったくもー、俺好みのワルイ子になっちゃって」

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【レスカマ】一言で言えば、住む世界が違うのだ。愛を知る彼は誰よりも優しく、真っ直ぐで。例えるなら太陽の光を浴びて、まっすぐに咲く向日葵。毒の花とは訳が違う。「チョロ美さん、今度デート行こ？」俺、スイーツのうまい店見つけたんだ！なんて、お願いだからそんな眩しい顔こっちに向けないで。

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【OSOマネ】ぽろぽろ鳴らされるアコースティックギターに甘い声。故郷を想うその歌に、一体彼はどんな心を秘めているのだろう。「あれ、マネさんごめん。起こしちゃった？」彼は何も言わないから、僕は何も知らない。家族のこと、彼自身のこと。「ねえ、OSOくんのこと、もっと教えてくれない？」

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【執プリ】「殿下、そろそろお休みになりませんと」「嫌だ、もうちょっと遊ぶもん」「そんなことではお父様のように立派な王にはなれませんよ？」頭を撫でると、俺の主人は子どもらしいふっくらした頬を膨らませ、唇はぎゅっと結んでこちらを睨んでくる。「僕はお前とずっと遊んで暮らしたいのに！」

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【キン執】「ねえ、これお前に似合うと思うんだけどどう？お前緑好きだったよね？」「いえ、私は…陛下、私は使用人です」「知ってるよ？ちょろ、ちょっと」ちこうよれ、だっけ？僕の輪郭をするりとなぞり、にこりと笑う陛下の御顔は、ひどく優しい。「一使用人への態度で、俺の権威が落ちるとでも？」

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わこさん(@131s61 )のお描きになっていた、教師×作家のおそチョロ+猫のぽこたんを書かせていただきました！ いいおそチョロの日、おめでとう！ pic.twitter.com/KHqQrW8kEb

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【秋の夜】鈴虫の声、まあるく光る満月、そして「月見団子！」「ったく、ほんと花より団子だよね」「じゃあ何だよ、願いごとでも言えばいいわけ？」「それは七夕！ったく、これだからテンションだけのガサツ人間は…」そっぽを向いたその時がチャンス。耳元でそっと「月が綺麗だな？」さあ、どうする？

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【学生】「うー…さみぃ」「なんでマフラーしてこないんだよ、ちゃんと玄関に置いてあったのに」「忘れたもんは仕方ねぇだろ？うー…」三男は呆れたようにため息をついて、自分のマフラーを外して、俺と自分を一緒くたにして巻き始めた。「ここまでしてやったんだから、」寄り道して奢ってくれるよね。

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【やきもち】「へー、お前こんなに可愛いのに捨てられてたの？ひっどい世の中だねぇ」最近の兄は、四男の連れ帰ってきた猫を可愛がるのに夢中だ。緑の瞳のその子は確かに可愛い、だけど。ぴとり。背中を合わせて、精一杯のアピール。普段鬱陶しいくらい突っかかってくるから調子狂うんだよ、ばかばか。

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【布団】「たっだいまぁ、あれ」なんでそんなとこにいんの、お前。冷たい床に体育座りなんかして、肩震わせて。「…どこ行ってたの」「いやぁ、コンビニ？ほら、このプリンうまいらしーよ。早く食おー…」思いきり抱きつかれたせいで、言葉が途切れる。「…ごめん」それは目見て言ってよ、ちょろまつ。

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【布団】たわいもない喧嘩だった。ただあいつがどんな顔をするのか見てみたくて、冷える体も厭わずに外に出た。素直じゃないところも可愛いけど、たまにはこういうのもいいよな？惚れたもん負けとよく言うけど、俺たちはどっちもどっちだよ。さて、優しい兄ちゃんがうまいもんでも買って帰ってやるか。

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【警マネ】「お務め、ご苦労さまです」違う、そんな言葉を聞きたかったんじゃない。せっかく休みが重なって、2人で出掛けられるはずだったのに。いっそのこと怒ってくれてもいい。彼の優しさに、かえって心が痛むのだ。「なぁにしょぼくれてんだ、よ！」正直言って、かっこよくて惚れ直したんだけど？

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【マフィカマ】レコードから流れ出るジャズシンガーの甘い声。「いつか王子様が…ねぇ」ねぇ、アンタは信じる？運命とか、愛とか。何でもないことのように呟くくせに、誰より愛を切望し運命に絶望する彼はまるで悲劇の女王だ。「信じるも信じないもキミ次第だよ」それより、情熱的なキスをしない？

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【リーマン】「えー、帰るのー」今日も今日とて上司の愚痴やらモテない談義の繰り返し。緩んだネクタイの隙間から見える白い肌が眩しくて、赤らんだ目元の潤み具合に、ごくりと唾を飲み込む。「なぁに？帰らないでほしいのー？」今にも切れそうな理性の糸は見えないふりで、俺は微睡む彼にキスをした。

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【学生】「ねー、お兄さんどこ行ったか知らない？赤の」「え？ああ、ちょっと待って」中央階段を思い切り駆け上がって、窓から校舎を一望する。「いた」サッカーボールを片手に…追手は担任か。プリントだけ出しとけって言ったのに。有象無象の中のたった1人。あいつを見つけるのは僕の、僕だけの。

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【学生】「あーあー、結局誰もポッ〇ーゲームしてくんなかったぁ！「やめろよ大声で…みっともない」「お前はいいってのかよ！リア充が近くでちゅっちゅちゅっちゅしてんだよ！？」「いやまぁ、そりゃ、そうだけど…」足に思いきり学生鞄がぶつかって、中のお菓子の紙箱が、ぐしゃりと潰れた音がした。

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【金瓶】「あれ、今帰り？」「あっ、う、うん…」分厚い眼鏡が邪魔をして、彼がどんな顔をしているのか伺いしれない。「あー、邪魔…」「えっ、何？ご、ごめんね…」え、今口から出てた？「いやそうじゃなくて！その、さ」何となく気恥ずかしくて目をそらす。あの瞳を見て平静でいられる保証は、ない。

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【ディラリー】どうしてこんな状況になっているのか。僕はただ、ひとり寂しくクリスマスの路地裏を歩いていて、ちょっとすれ違いざまに肩がぶつかってしまっただけなのに。涙に濡れた瞳を落とせば、魔法使いみたいな格好の男がそっと耳打ち。「オニーサンが助けてあげよっかぁ」可哀想な子羊ちゃん？

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#文字書きと絵描きによる表現力テスト 参加させていただきましたー！ pic.twitter.com/N17CDpyXAf

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【布団】久しぶりに、泣く子も黙るほどの喧嘩をした。12時をとうに過ぎたというのに、長男はまだ帰ってこない。子どもでもないし、こんな寒い日に外を出歩くなんてごめんで、布団を頭までかぶるのに、全然暖かくない。暖かくなれない。闇の中で星は震えるように瞬いた。あいつはまだ、帰ってこない。

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【炬燵】「あ〜やっぱ今日さっみいなー、さむいー、さむいー…」「1日だらだら炬燵ん中でポテチ食ってた奴が何言ってんだよ！つーか足もぞもぞさせんな気持ち悪い！」「えーいいじゃーん、そういう時ってあるでしょー？」「お前は五男か！って、ひあ！」んー、いい声。これだから炬燵はサイコーだな！

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【炬燵】「あ、炬燵？兄さんが出したの？」「おー、使用料払えよー？」「いや意味わかんないから。あー、最高…」じわりと広がる熱の波が、外の冷たい空気にかじかんだ体を優しく癒す。と、そこに怪しげな手が。「って何すんだバカ長男！」「は、お前何言ってんの？」使用料払えって、言ったじゃん。

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【警マネ】穏やかな朝。隣には柔らかな寝顔の恋人…ってあれ、いない？部屋をくまなく歩き回ると、彼は真っ青な顔で床に散らばった写真を眺めている。「ど、どうしよう、おまわりさん」昔の呼び名に戻ってるよぉ、なんて軽口を言える状況ではない。俺はただ、ゆっくりと目の前の体を強く抱きしめた。

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【キン執】誰よりも早い朝を迎え、誰よりも深い夜を知る。それが王の執事たる者の心得。「んなこと言ってるから、風邪なんて引いちゃうんだよねぇ…」自分より少しだけ小さく見えるその体に、一体どれ程の重みを背負っているのだろうか。「いつまでも子どもでいたかったよ」他でもない、お前のために。

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【警マネ】最近届く、不可解な手紙。最初は担当の子に宛てた悪質なファンレターだと思っていたのに、封を開ければそこには。「何これ、僕…！？」写真の中の僕の隣で穏やかな笑みを浮かべるお巡りさんの顔には、真っ赤なバツ印。「んーどうしたの、マネちゃん…？」身体中の震えが、とまらなかった。