- CulKayano_550
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どんなにきみがすきだかあててごらん
ちいさなシロウサギとクロウサギはだいすきなメガネウサギにきいてみたくなった。「おれたちがどんなにオサムのことをすきかあててみてくれよ」「そんなのわからないよ」メガネウサギはあせをかきながらこたえる。「わたしはオサムくんのこと、りょうていっぱいひろげたくらいすきだよ」とクロウサギ。
2016-04-29 09:17:42「それならぼくは、ぼくのりょううでいっぱいひろげたくらいおまえたちがすきだよ」メガネウサギのうではふたりよりももっとずっとながかった。なるほどそれはたくさんだ、とシロウサギクロウサギはかんがえる。「おれはオサムのこと、せいのびせいいっぱいすきだぞ」とシロウサギ。
2016-04-29 09:22:09「それならぼくは、ぼくのせいのびせいいっぱいおまえたちのことがすきだよ」とメガネウサギ。たしかにたかいなぁ。シロウサギとクロウサギはかんがえた。おれも、わたしも、あれくらいせがたかければなぁ。そこでシロウサギはいいことをおもいついた。ぴょんとさかだちをして、あしをぐーんとのばす。
2016-04-29 10:40:01「オサムのこと、つまさきのさきっちょまでぜーんぶすきだぞ!」とシロウサギ。メガネウサギはわらいながらシロウサギのうでをつかむと、ぐーんとふりあげこういった。「ぼくはおまえたちのこと、つまさきのさきのさきまですきだよ」
2016-04-29 10:45:52「オサムくんのこと、くんれんしつがとりおんでいーっぱいになるくらいすきだよ!」とわらいながらいうのはクロウサギ。「ぼくはおまえたちのこと、くんれんしつがとりおんでいっぱいになって、てんじょうをつきぬけてしまうくらいすきだよ」とメガネウサギ。
2016-04-29 10:50:23さぁこまった、それはうんとうんとたくさんだ。シロウサギとクロウサギはかんがえた。たくさんたくさんかんがえた。 そうして、シロウサギはおもいついた。
2016-04-29 10:52:54「おれは、深い深い『死』という海の底に沈んで、そのまま錆び果ててしまっても、それでも魂はオサムのもとへ還ってきてしまうくらい、それぐらいオサムのことがすきだぞ」シロウサギはみぎめとひだりわきばらから、ちをながしながらわらってそういった。うそいつわりのないえがおだった。
2016-04-29 10:57:23クロウサギは、なにかいわなくっちゃといっしょうけんめいかんがえた。かんがえてかんがえて、かんがえすぎてなみだがこぼれた。でも、メガネウサギはわらっていた。わらいながら、シロウサギとクロウサギをだきしめた。そうして、にひきのみみもとでぽそぽそとつぶやいた。
2016-04-29 11:00:42「明日はランク戦に向けて作戦会議だ。明後日は、千佳が食べたがってたクレープを買いに行こう。その次の日は空閑の自転車の特訓をしよう。そうして、そうやって、いつかいつの日か、麟児さんと千佳の友達、それからレプリカと空閑の体を取り戻しに近界へ行こう。」
2016-04-29 11:06:17「ずっとずっと、僕はお前達とずっと一緒だ。それくらい、僕はお前達のことがすきだよ」 シロウサギはもう、ちをながしてはいなかった。そのかわり、ほろりほろりとなみだがこぼれた。あとからあとからどんどんこぼれた。 あぁ、オサム。オサムくん。 ぼくたち、おれたち、わたしたちは、
2016-04-29 11:10:20メガネウサギはかんがえる。 ずっとずっと、おまえたちといっしょにいるよ。それでいいじゃないか、それこそがしあわせなんじゃないか。はなれたってまたであって、さんにんきりになったって、ずっとずっと、どこまでも。 ぼくたちさんにん、いっしょにいこうじゃないか。
2016-04-30 14:39:12ホラーとサスペンス