ハイキュープラス@林檎 二口シリーズ

林檎 @appLe95kA

好きな子にブスとか可愛くないとか言いからかってた二口。何時もは女の子も言い返してくるのに今日は何も言わずに下を向いている。不思議に思い女の子の顔を覗き込むと泣いていた。「二口に可愛いって思われたくて頑張ってたけど、もう無理だ私」喧嘩する程仲がいいって、嘘だろ #ハイキュープラス

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去っていった彼女を追うことが出来ず呆然とする。…あいつ、泣いてたよな。「クソ！」何で今日は泣くんだよ！いつも何とも無い顔してただろ！じゃねえよ！分かってんだよ、俺がどうしようもない馬鹿だって事くらい！…それでも、彼女を前に素直な言葉を紡ぐ事が出来なかった。 #ハイキュープラス

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その日から声を掛けようとしても避けられ、LINEの既読もつかない。苛々が募り練習に支障が出て先輩にも注意されるし厄年か？今年。気分を変えようと体育館の外に出ると悩みの元凶とも言える彼女が見えた。今更どうするって言うんだ。しかしよく見たら男と一緒じゃないか #ハイキュープラス

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良く見ると困った様な顔をしている。助けに行ってやろうか…いや、今の状態で行っても嫌だろ、アイツ。知らん顔して体育館へ戻ろうとした時に視界に入った男が無理に彼女の腕を引っ張っていく姿と「いやっ…助けて…っ！」と言う必死な声。気が付けば彼女の元へ走っていた。 #ハイキュープラス

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「おい」告白を断ると無理に何処かへ連れて行こうとする先輩に恐怖を感じた時に聞こえてきた声。「二口…！」肩を引っ張り先輩から引き剥がしてくれたのは私の片思いの相手で、失恋を機に距離を置いた相手。離れれば気持ちが落ち着くかと思ったのに、そんな事無かったんだよ。 #ハイキュープラス

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俺の顔を見て安心した様な表情をするコイツに今まで避けてた癖にと少しの怒りを覚えるが、今はそれどころじゃない。「あ？何だお前」目の前のコイツを何とかするのが先だ。「すいませ〜ん、コイツ嫌がってたんでつい」「んな訳ねえだろ！邪魔すんな！」邪魔、ねえ。 #ハイキュープラス

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「邪魔なのはアンタだろ、俺はコイツに話かけようとしても避けられるってのに何勝手に話してんだよ！いいか！コイツは俺が好きなんだよ！さっさと失せろ！」溜まっていた怒りをぶつける様に叫んでやると怯んだのか、男はどっかへ消えた。「…手、離して」「…無理」もう逃すかよ #ハイキュープラス

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そろそろ部活に戻らなくちゃいけなかったため、無理やり明日の放課後に教室に残る様に言いつける。正直本当に残ってくれんのかすげえ心配だし、何言っていいかわかんねえけどとりあえず今のままは嫌だから。…謝って、素直な気持ちを伝えよう。そう意気込んで迎えた放課後 #ハイキュープラス

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教室を出て行く友人達を見送り、誰も居なくなる。「…残ってくれんだな」「約束は守るよ」一方的な願いだったが、聞いてくれた彼女に頭を下げる。「いつも、嫌味ばっか言って悪かった。…お前の前になると、余裕なくなんだよ。本当は、いつも言いたかった…すげえ可愛いよ、お前」 #ハイキュープラス

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目の前にいる彼は今何て言った？「…すげえ可愛い」いつもブスとか、女っ気無いとか言ってたのに？全然意識されないのが悔しくてメイクを勉強したり、お菓子作ってみたり、自分なりに努力してきたのに全く届かない彼に限界が来てしまったあの時と同じ教室で２人という状況なのに #ハイキュープラス

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あの時とは全然違うこの空気にどうにかなってしまいそうだ。「俺、結構前からお前の事好き。馬鹿みてぇだけど、好きって分かったら素直になれなかった。…俺はお前が好きだよ」お前は？そう聞いて頭をあげる二口の表情は不安気で。気が付けば彼の元に近寄って居た。 #ハイキュープラス

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「私、二口に可愛いって思って欲しかった」「おう」「二口に、女の子として見て欲しかった」「…おう」「私、二口のこと、好きだから…っ！」涙でグシャグシャの私を二口は力強く抱き寄せてくれた。「沢山可愛いって、好きだって言うから。…俺と付き合って」「…遅いよ、バカ」 #ハイキュープラス

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その後。「お待たせ」「おー…」「ブスって言えば？」初デートの日、それなりに緊張しながら待っているといつもと違う彼女が来た。色付く唇、上向きのまつ毛、彼女の為かの様なワンピース。「…嘘でも言えるかよ」すげえ可愛い。そう言われ満足気に笑う彼女と、幸せそうな二口。 #ハイキュープラス