映画「この世界の片隅に」の演出を心理学的観点から考える

アニメーション映画「この世界の片隅に」(片渕須直 監督・脚本, こうの史代 原作)で用いられている技法について、心理学の知見を補助線に @COLORrain_ さんが語っています。 ▼劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」公式サイト|2016年11月12日(土)全国公開 http://konosekai.jp/
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2016年11月

katsu @color_buddha

この世界の片隅には凄すぎる、映画というより実際に起きたドキュメンタリーだなぁ。 だから、右も左も思想入って無くて見やすく感動する、このバランスを成し遂げた片渕監督はほんとすごい

2016-11-18 21:39:24
katsu @color_buddha

アリーテ姫」ファンとしては、この世界の片隅にのおかげで当時、東京都写真美術館で見た宝物のような作品、アリーテ姫がクローズアップされて嬉しい。この世界の片隅にもいいけど、アリーテ姫片渕監督の作品の中では大好きです。この世界の片隅に片渕監督作品気になった方は是非!

2016-12-09 08:16:33

 →▼アリーテ姫 PRINCESS ARETE (片渕須直監督作品, 2001年) http://www.arete.jp/
 →▼アリーテ姫(2001年) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アリーテ姫

katsu @color_buddha

庵野さんの「ぼーっとしてて首絞めたくなった」発言だけど、何気にこれって庵野監督もすずさんが単なるアニメのキャラクターじゃなくって、実在の人物の様にイラっとしたと言うほど、キャラクターが描けているという事で、庵野監督流の最大級の讃辞何じゃないかなぁと思うんだけどどうなんじゃろ?

2016-12-09 13:07:48

 ※言及されている庵野秀明監督(「シン・ゴジラ」「新世紀エヴァンゲリオン」ほか)の反応は、次のインタビュー記事で片渕監督の口から語られている。

 →▼「本来は、アニメは1人で作れるものです」/アニメーション映画「この世界の片隅に」片渕須直監督(後編)(取材:松浦晋也)〔2016年12月9日〕|日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/230078/120600065/

庵野監督の感想は…

片渕: そうですね。それは自分にとっては、個人の視点には限界があるけれども、個人の精神はその限界に縛られていないということを意味しています。人間は物理的に存在しているだけではなくて、精神世界を持っているということなんですよ。肉眼では見えない心の中の世界があるからこそ、僕らは他人を見た目だけで判断してはいけないし、お互い尊重し合わなくてはいけないんです。
 すずさんは、本当に見かけだけならつまらない人なのかも知れません。ぼおっとしているし、なにもしゃべらなかったりして。でも心の中には色々豊かな絵画的なイメージが存在しているし、“鬼いちゃん”のような物語だって存在している。
 昨日、庵野秀明君に会って「観た?」って聞いたら「観たなんだあの女ぼおっとして首締めたくなった」って(笑)。でもそんな女性の裡に色々なイマジネーションが存在しているからこそ、愛おしくなるんじゃないかな、と僕は考えているんです。

 

2016年12月09日

katsu @color_buddha

心理学かじった端くれから少し語ろうかなぁ、この世界の片隅にを見た人に共通してるのは「言葉にならない」「感想が言えない」「すごいのは解るけど一言でいえない」この評価はどこから出てくるのか?それは、視聴した個人個人の内部表現すら書換えてしまう作品だからだ  #この世界の片隅に

2016-12-09 15:50:04
katsu @color_buddha

内部表現の書換えとはどういう事か?人はショッキングな出来事や深く感銘を覚えた出来事があると、その後の考え方思考を変えてしまう。内部表現が書き換わるのは変性意識状態トランス状態)に置かれてるからだ #この世界の片隅に

2016-12-09 15:53:29
katsu @color_buddha

いくつかの傑作映画の中には共通点がある、一般的には感情移入がしやすい映画と言う事だが、感情移入=作品の内部に入り込む=トランス状態と言う事だ、トランス状態に入るには方法論がいくつか確立している、緊張解放繰り返しを行うとトランス状態に入りやすい。 #この世界の片隅に

2016-12-09 15:57:28

 

katsu @color_buddha

ここまで語るとお分かりだろう、この世界の片隅には、日常パートのほっとするすずさんのリラックスと戦争描写パートの緊張感の繰り返しによって成り立っているのだ。また、私たちは戦争描写の怖さやすずさんの世界で何が起きるか知っている。 #この世界の片隅に

2016-12-09 16:04:33
katsu @color_buddha

日常パートを見てリラックスの最中でも「これから悲惨な戦争が始まるんだよなぁ」と考えれば緊張が走るし、後半の戦争が苛烈さを増す中で、前半の「幸せな時間もあったなぁ」と思い出す中(実際にカットインが入ることも多々あるが)で、緊張解放が何十回と繰り返されてるのだ #この世界の片隅に

2016-12-09 16:12:02
katsu @color_buddha

緊張と解放からトランス状態に導き、感情移入させやすくする作品と言えば、ダークナイトが有名だ、かなり派手な効果音が度々入っているかと思う、劇場で大音量である程度の効果音を聞くと身体は必ず緊張してしまう、その効果まで戦争描写シーンで片隅は巧みに狙っている #この世界の片隅に

2016-12-09 16:14:40

 →▼ダークナイト(2008年) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ダークナイト
 

katsu @color_buddha

その上、仮現運動の事まで研究されている片渕監督は観客を感情移入させやすくする上で、アニメのの表現を徹底的に排除している、いわゆる中割のカットに「オバケ」となる動画が一切無いのだ。 #この世界の片隅に

2016-12-09 16:17:42
katsu @color_buddha

この世界」に入り込むにはアニメで見慣れた表現、残像を中割で描いたり、ありもしない所に手が伸びたり、早い動きは敢えて歪ませたりするものだが、一切この作品には無い、前述の解放と緊張を繰り返し、アニメで有りながら徹底的にアニメ的表現廃す事で、実在性を可能にした #この世界の片隅に

2016-12-09 16:21:23
katsu @color_buddha

アニメで有りながらアニメ的動画の排除、世界観の徹底的な考証、臨場感のある効果音、緊張と解放を繰り返すストーリーとコンテ、気持ちを盛り上げる音楽、緻密に計算してさながら航空機の設計図の様に映画を組み立てていると感じる、これは文系の作品ではなく、理系の作品だ  #この世界の片隅に

2016-12-09 16:27:05

 

katsu @color_buddha

この世界の片隅にを見ているとテンポの良さを感じると思う、君の名は。も同様にテンポの良い作品だが、どちらの作品もコンテを切るときにこの秒数でこのエピソードをまとめれば、視聴者は飽きないと完全に計算して作ってるとは思う#この世界の片隅に

2016-12-09 16:30:08
katsu @color_buddha

原作者のこうのさんが「おとぼけの部分がしっかり残ってて、ある重要そうな所がバッサリカットで驚いた」と語ってるが、おとぼけ部分の「解放、リラックス」とそれに対比する戦争シーンの「緊張」の対比は必ず必要だ、コントラストが強いほどキャラクターは輝くからだ #この世界の片隅に

2016-12-09 16:32:41
katsu @color_buddha

この世界の片隅にはコントラストが強い作品だ 「おとぼけ」と「苛烈な戦闘」 「生きる喜び」と「生きる苦しみ」 「笑」と「怒」 「出会い」と「別れ」 「生」と「死」 そして 「絶望」と「希望」 どちらの描写もなければ どちらも光り輝かないのだ #この世界の片隅に には全てある

2016-12-09 16:38:29

 

katsu @color_buddha

うわあ、監督にリツイートして貰ってしまったぁあ、ありがとうございます!!本当に感激でございます!! こりゃー、また劇場に見に行かないとあかんなぁ(笑) マッドマックスも五回みましたけど、この世界の片隅には劇場に行った回数、過去最高更新してますw 科学的に見ると楽しいんですよね。

2016-12-09 16:45:48
katsu @color_buddha

それにしても、Twitterってすごいよなぁ Twitterが無ければこの世界の片隅にも正直、マイマイ新子に近い道をたどったかもしれない… 片渕監督は何気に宣伝手腕も進化してますよね、クラウドファンディングの使い方といい、Twitterの使い方といい #この世界の片隅に

2016-12-09 17:53:35