第零章「深焦風景」

俺式カルデア:ミルクレープ
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MilK;RE-Pu @MilkBlack666

FGO、明日でいよいよ終章だけどぼくの考えた最強のぐだを書きたいから今後書いていくぞ

2016-12-21 23:47:14
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 第零章「深焦風景」 零節 ものごころついた頃から、自我というものがなかった。 今でこそ人間らしく振る舞えるようになったが、幼い頃はなにをすればいいかわからず、ひどく両親を困らせていた。 2つ下の妹がいなければ、僕は何処かに預けられていただろう。

2016-12-21 23:56:54
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 生きていることがどういうものなのか、分からなかった幼い僕は、近くの例に準ずることにした。 妹が笑うものには笑い、泣くものには泣き、怒るものには怒り……続けていくうちにようやく感情というものを理解できるようになる。

2016-12-22 00:11:36
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 それが感情があるということとはまた別なのというのを知るのはそのずっと後だが、僕はそうして生きてみた。 そう、生きてみた、というのが正しい。目標が無かった。欲望が無かった。自我が無かった。

2016-12-22 00:16:37
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 本能なのか気紛れなのか、最早僕自身にも分からないが、妹の真から始まった僕には、何も無かった。 ただ生きているから生きてみただけなのだ。 その内、妹の真似をし尽くしたので、他のサンプルを真似た。 あるいは、それこそが自我なのかもしれない。

2016-12-22 00:22:03
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 自我を獲得するという自我。 いや、そんなのは本能であって、やはり自我とは言えない。 ともかく僕はそんな風に他人を真似し続けて、とりあえず人間らしい中身を構築した。

2016-12-22 00:25:14
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 それからは、求められている人間の真似をしながら、ずうっと自分を構築した。 自分を作り続けていけば、僕ではないぼくが出来上がるかもしれないと、思っていた。 色んな自分をつくった。 色んな自分を演じた。 けれど、僕は僕のままだった。

2016-12-22 00:32:30
MilK;RE-Pu @MilkBlack666

@MilkBlack666 やがて高校生になった僕は眠ることが増えた。 眠り世界から接続を絶ち、残りの人生を消化する。 最早生きてはいなかった。 死んでみなかっただけだ。 それでも死ななかったのはやはり本能か。 それとも死にたいという欲望すら、僕にはないのだろうか。

2016-12-22 00:36:51