X'mas エイト

X'masをeightと過ごしてみませんか? #妄想なので、ご注意ください
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【安田章大】

久しぶりの彼とのデート

「章ちゃん、これ乗ろっ」

大きな観覧車を指差し

「ほら、早く早くーっ」

『え、ちょ、待ってぇやー』

ぐいぐいと彼の服の裾を引っ張る

『うわぁ、近くまで来るとホンマでかいなぁ』

ふと立ち止まり、てっぺんを見上げていると

《次の方どうぞ》

声をかけられ

『あ、はいっ』

2人で乗り込んだ

ゆっくりと回る観覧車

『なぁ、そっち行ってもええ?』

「うん、いいよ」

肩を並べ、徐々に広がる景色に

「わ…、きれー…」

一瞬で心を奪われる

『ホンマや、めっさ綺麗やな…』

すぐ近くに感じる彼の声と

「…っ//」

そっと握られた手

「…しょ、章ちゃん…?//」

『んー?なにー?』

一気に夜景どころじゃなくなった

「…近い…//」

『…いや?』

「…や、じゃないけど…//」

恥ずかしくて顔が上げられない私

『こっち、向いて?』

手が頬を撫で

…ちゅ、

額に優しく唇が触れた

『…ふふっ、離れたないなぁ♡』

なんて、ふわりと笑う

白い雪の様に溶けて胸に落ちた

【大倉忠義】

向こう側から走ってくる彼の姿

『ゴメン、お待たせ…っ』

息を切らせ

「忠義、遅刻だよ?」

申し訳なさそうに謝る彼に背を向けた

『ホンマごめんっ』

肩越しに振り向き

「…いいよ、来てくれたから許してあげる」

仕方ないなぁって微笑むと…

ふわりと後から引き寄せられた

『なぁ、俺の為にオシャレしてきてくれたん?』

耳元で囁く声が優しく私を包む

「だって…久しぶりのデートだもん//」

肩に回された両腕をそっと掴み

「…すごい楽しみにしてたの//」

呟く様に伝えた

『俺も』

「え?」

『俺も楽しみやってん』

「ホント?」

『そぉやなかったら俺走らんもん』

その一言が嬉しくて

やっぱり好きだなぁって思ったクリスマスの夜

【錦戸亮】

彩られたイルミネーションの中

『やっぱ人多いなぁ』

行き交う人の波

「亮ちゃん、ゴメンね?」

うっかり

“行ってみたい”

なんて言ったから優しい彼に無理させたかもしれない

『なんで謝んの?』

「だって亮ちゃん、仕事で忙しいのに…」

俯く私の頭に手を乗せ

『そんなん気にせんでええって。俺が来たくて来てんねんから、なっ?』

柔らかく撫でる

「うん」

首を傾げ目線を合わせると

『せっかく来てんから、楽しもうやっ』

ニッと笑って

「うん!」

『ほら、行こっ』

当たり前の様のように差し出された手

「え?」

驚いて顔を上げると

『はぐれん様に、俺に掴まっといて/』

少し恥ずかしそうに鼻の頭を掻く彼の手をギュッと握った

「…大好き…っ//」

『なんか言うた?』

「ううん、なんにもっ//」

小さく呟いた言葉を、クリスマスの願いに込めて

『(…聞こえたし//)』

聖夜の街を2人並んで歩いてく

【丸山隆平】

お洒落なBARで

『乾杯』

彼と2人肩を並べ、グラスに口を付ける

「こうやって飲むの、久しぶりだね」

『お互いに時間合わへんもんなぁ』

もっとこうやってご飯行ったりしたいけど、仕事をしてるとそうもいかない

『最近どぉなん?』

「んー…相変わらずだよ。隆平は?」

『そぉやなー…ツアーが終わったら、ちょっと落ち着くかもしれへんけど…』

他愛ない話をしながら

「ねぇ、隆平?」

『ん?どしたん?』

気になってた事を聞く

「隆平って浮いた話聞かないけど…付き合ってる子とか居ないの?」

『え?居らんよー』

「やっぱりアイドルだからダメとか?」

『そぉいうワケやないんやけど…(笑』

「じゃあ…好きな子も居ないの…?」

知りたいけど、怖くてずっと聞けなかった

『それは……居るよ』

「そ、っか…」

あ……居るんだ

やっぱり聞くんじゃなかったな…

知らないままが良かった

もう遅いけど

「どんな、子…?可愛い…?」

なんでこんな事聞いてるんだろ

自分が傷つくだけなのに

『気になる?』

そんなの聞かないでよ

視線をグラスに落としたまま耳を塞ぎたくなる

『…君やねん』

「え、?」

思ってもいなかった言葉に頭が真っ白で

『俺の好きな子』

上手く声が出ない

テーブルに頬杖を付いて

『結構前から…もぉ君に夢中やねんけどなぁ』

なんて。

優しい笑顔で覗き込む彼

夢…なのかな?

『なかなか言えんくてゴメン』

眉を下げて、零れていた涙を指で拭う

「今日は…帰らなくていい…?」

離れたくないから

『…ええの?』

このまま連れてって

【渋谷すばる】

リビングのソファでうたた寝している彼

「すばるー?こんな所で寝たら風邪引くよ?」

肩を揺すって呼びかけると

『ん…寒い…』

更に身体を丸めてしまう

「あー、もう、身体冷えてる!ほら、ベッド行こ?」

ギュッと手を掴み、顔を覗きんだ

その時

ぐい…っ

力強く引き寄せられ

「わ…っ!」

彼の上に覆い被さる様に倒れ込んでしまう

『…まだ寝たない』

抱き締められた腕の中

「本当、風邪引いても知らないからね?」

呟く彼に、もうお手上げ

「…すばるの奥さんになる人は大変だなぁ…」

『…お前はどうなん?大変やったん?』

「私?私はもう慣れちゃった(笑」

『それやったら問題ないやんけ』

「え?」

『…俺と居れんのはお前ぐらいやろ』

バッと顔を上げ、彼を見つめるけど

「すばる…今のって…」

突然の事で、頭が回らない

『何やねん』

本当に?聞き間違いじゃなくて?

何度も繰り返す自問自答

ちゃんと確認したくて開きかけた唇が

「すば、ん…っ、」

言葉を遮る様に重なった

窓の外には、街を染める白い雪の降り始めていた

【村上信五】

車を降りて

『さっむっ』

「本当、思ってたより寒いね(笑」

夜景の見える場所まで歩くと

「わ…、綺麗ー」

色とりどりの光が目の前に広がっている

『こないなええトコあったんやな』

白い息を吐きながら、眺める景色は凄く特別なもの

いつまでも見ていたいけど…

「くしゅんっ」

寒さには勝てない

『もっとこっち来たらええやんか』

不意にぐいっと引き寄せられ

『これやったら寒ないやろ』

気付けば彼の腕の中

「うん//」

暖かな体温に包まれ、ささやかだけど一緒に過ごせる時間が愛しく感じた

【横山裕】

デート帰りの車の中

『そぉいえば、LIVE来るん?』

ツアーで忙しいのに、こうやって時間作って会いに来てくれる彼

「うん、昨日チケット届いたよ」

少しでも一緒に居たくて

『ホンマ、知らん間に取ってんねんもんな(笑』

たくさん話ていたくて

「スゴイでしょ?」

色んな事いっぱい喋るけど

『自分で言うたらあかんやつやん、それ(笑』

時間は待ってくれなくて

「ふふっ、楽しみにしてるからね」

そこの角を曲がれば

『ん、楽しませたるわ』

お別れの場所に着いてしまう

「今日はありがとう」

家の前に止まった車

『こっちこそ、ありがとうな。今日会えて良かったわ』

「私も。気を付けて帰ってね」

あっさりとした会話を寂しいと感じてるのは私だけなのかな…

座席から降りようとドアに手をかけた

その時…

「え、?」

ぐいっと腕を引き寄せられ

…ちゅ。

暖かな温もりが唇に触れた

『…お前だけちゃうねん』

呟いた吐息が耳にかかる

『俺も同んなじ事思ってんねんからな』

微かに見えた、紅く染まった頬

『一緒に居りたい思たんはお前だけやわ』

その言葉に胸がいっぱいになる

「きみくん」

『ん?』

「大好き」

嬉しくて抱き締め返す腕

『…あかんわ』

「え?」

『やっぱ帰したない』

車のフロントに雪が舞い降りていた