DRUMMER KAZI上京物語～回想録

DRUMMER KAZI @DRUMMERKAZI

高校を卒業してすぐ俺は新宿LOFTに出れるようなバンドマンになりたくて俺に上京を打診したら貧乏な家庭だから専門学校などは無理、就職するならOKと言われた。地元のガソリンスタンドの会社の人事部長が親戚のおじさんでまずはその会社に就職してすぐに東京支店に専属願いを出した。(続く)

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その年の新入社員は100人くらいいたかな？でも俺以外の全員は地元の配属希望でいきなり東京行きたいなんてやつは珍しがられて笑われたよ。 それから半年くらい小倉のスタンドで先輩方と働いてからいよいよ東京に専属された。(続く)

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おじさんもそれは俺の両親から聞いてたから理解してくれた。 そして先に花の都大東京に乗り込んだ俺は地元からバンドメンバーを呼び寄せた。(続く)

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夢にまで見た東京…と思いきや寮は本八幡。職場は西船橋。 東京じゃなかった！ でもそこで泣きたくなるくらい必死に働いて金貯めて一年後に俺を採用してくれた人事部長の親戚のおじさんに「すんません！入ったのは東京でいっぱしのミュージシャンになりたかったからです！」と告げて退社した。

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本八幡から部屋を探して先に上京した友達の近くに部屋を借りた。 そこは和光市(埼玉県)。 またもや東京じゃない！ でも最寄りは成増駅(板橋区)。 ギリギリ東京だ。 やっと上京した20歳。(続く)

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バンドブームということもあって同じ高校から上京して来たら仲間は5人。みんな近所に住んで一緒に飯を食い曲を作って新宿LOFTを夢見た。 が、一年くらい過ぎてみんな限界を感じたり事情あったりで田舎に帰った。その時俺は愛情もありながら「辞める辞めちまえ！」 (つづく)

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「絶対将来『ああ、あの時踏ん張って東京でバンドやっとけばよかったな…』って絶対後悔させてやるからかな！」と吐き捨てた。 当時乗ってたオンボロ車で相方を乗せて羽田空港に送りながらベイブリッジに差し掛かる辺りでARB「さらば相棒」をカーステで大音量で唄った。(つづく)

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みんな地元に帰ったがもう1人まだ残ってるギタリストに上京を打診した。そいつは就職も決まってて車も買ってたのに全部投げ打って俺の部屋に転がり込んできた。そして2人で暮らし始めて毎日曲を作った。(つづく)

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その頃の俺たちと言えばボーカルもベーシストもいない、ただ毎日死ぬほど練習ばかり。そして夜になったら2人リーゼントしてスーツを着て新宿LOFTに行くんだ。「どうやら LOFTはライブ終わったらバンドもお客さんも一緒に打ち上げするらしい。そこに乗り込んで名前売るぞ」(つづく)

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平行して同じ高校の先輩が先に上京してバンドを組んでたからローディまがいのボウヤ的なことをやっていた。その先輩たちが繋がりがあったのがMADやTRACY。今じゃ考えられないが当時全く酒を吞めなかった俺は打ち上げの度に1番歳下だから強制一気させられて毎度泥酔で潰れていた。(つづく)

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当時MADの打ち上げはだいたい新宿の居酒屋でやってて、そこを終わってから近くの屋台で先輩達と呑んでた。酔っ払ってARB愛をアツク語ってたらたまたま隣で呑んでた人がARBの事務所の人で「君ARB好きなの？」「俺はARBに憧れて東京来たんすよ！(鼻息荒い)」(つづく)

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「じゃあこれあげるよ」とその人はARBのバッチをくれた。 「押忍！あざーーす！これピアスにするんで！」と俺は耳たぶにぶっ刺して流血しながら(当時弱かった)酒を一気した。(つづく)

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ある時「お前と同じくらいイキのいいローディーがいるぞ」(今考えると変)と連れられて行った目黒鹿鳴館。演奏されているのはデッケネ「Holiday In Cambodia」ボーカリストが倒したマイクスタンドを袖から走ってきたローディーが素早く立てにきた(つづく)

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そのローディーはなんとパンツ一丁だった。なんかの罰ゲームか？と思ったがその男が後にBLOODY IMITATION SOCITYで唄い今はHUMAN TAILで一緒にやっている窪洋介だった。俺20歳の夜。(つづく)

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(15)パンクやめんたいロックばかり聴いてた俺も洋楽に興味を持つようになり当時は小滝橋通りの(今はなき)ROUGH TRADEによく行っていた。suedeの「METAL MICKEY」を買ってワクワクしながら帰宅したのをよく憶えている。ブリットポップブーム前夜な頃。(つづく)

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(16)歌舞伎町のリキッドでsuedeを観た後ボーカリストを探してた俺達は「同じライブに来てるなら趣味も合うはず」と、バンドやってそうなやつをスカウトしようと出口で待ち構えていた時カッコいい男が現れた。声をかけると彼はボーカリストだった。「メンバー探してるんだけど一緒やらない？」

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(17)と声をかけると宙也さん似の彼は「あ、俺もバンドのギタリストと2人で来てるんだけどそっちもギタリストとドラマーならツインギターでやらない？」と。ただこちらはツインギターの考えはなくその旨を伝えそこで別れた。

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(18)それからしばらくして相方もギターを辞めて田舎に帰った。あの時は淋しかったなぁ。思えば当時はバンドブームだったからたくさん田舎から上京した同世代のバンドマン達がいたと思う。それから椎間板ヘルニアが悪化して半年くらい自宅療養。(つづく)

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(19)身体も良くなって和光市のクリーニング工場の配送のバイトを始めて初日は助手席に乗り先輩ドライバーからルートを教わる。その先輩が後に一緒にREDЯUMをやる剛さんだった。音楽かけていいっすか？ってジギースターダストかけたら「お、ボウイ好きなんだ？俺もだよ」と剛さん。(つづく)

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(20)剛さんの当時住んでた光が丘に家に行った時部屋に入ると目に飛び込んできたのが一風堂のレコードジャケット。剛さんは土屋さんの大ファンだった。「梶原くん(最初はそう呼ばれていた)お茶飲む？」と言われて出てきたのは麦酒だった。「え？おちゃ…」そしてNWやたくさんの音楽を教わった。

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(21)俺とギター、そして剛さんと何か一緒にやることにした。当時はTRANSVISION VAMPとかBOW WOW WOW、日本だと山下久美子みたいなバンドをやりたくてボーカルはもう一人東京に残っていた地元の同級生を誘った。スタジオは川口のPARK SIDEってとこだったな。

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(22)ギターは弾けるがバンド経験のない剛さんにはとりあえずベースで参加してもらうことに。ようやく四人揃ってオリジナルを作り始めた。この時ようやく「俺東京に来てバンド始めたんだ」と実感できた。と、思ったら今度はギタリストが辞めて福岡に帰りたいと言いだした。