メルケルの原発政策転向の契機ー熊谷徹氏の連投

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熊谷 徹 @ToruKumagai

ドイツ連邦政府は福島事故からわずか4ヶ月で、全原発の2022年末までの廃止を決定、法制化した。民進党は、福島事故から6年経っても「脱原発」の目標の年を確定できない。この違いはどこから来るのか。

2017-03-11 15:18:52
熊谷 徹 @ToruKumagai

メルケル首相は、元々原子力推進派だった。前年の2010年秋には、原子炉の稼働年数を平均14年間延長させる決定も行っていた。だが福島事故のニュースに衝撃を受けたメルケルは、態度を180度転換させて「原子力批判派」に鞍替えした。

2017-03-11 15:32:00
熊谷 徹 @ToruKumagai

メルケルが受けた衝撃は、彼女が2011年6月9日に連邦議会で行った演説に、はっきりと表れている。 首相は「福島事故は、全世界にとって強烈な一撃でした。この事故は私個人にとっても、強い衝撃を与えました。

2017-03-11 15:32:13
熊谷 徹 @ToruKumagai

大災害に襲われた福島第一原発で、人々が事態がさらに悪化するのを防ぐために、海水を注入して原子炉を冷却しようとしていると聞いて、私は“日本ほど技術水準が高い国も、原子力のリスクを安全に制御することはできない”ということを理解しました」と述べた。

2017-03-11 15:32:23
熊谷 徹 @ToruKumagai

福島事故が起きるまで、多くのドイツ人は、日本について「あらゆる事態に対する備えを持った、ハイテク大国」という先入観を抱いていた。それまで、大量の放射能を外部に飛散させた原子炉の過酷事故は、1986年のチェルノブイリ事故だけだった。

2017-03-11 15:32:33
熊谷 徹 @ToruKumagai

つまりドイツ人たちは、「過酷事故は技術水準が低い社会主義国だから起きたのであり、日本のような先進国では起きない」と信じていた。だが福島事故は、その神話を粉微塵に打ち砕いた。 メルケルは続ける。「日本で起きたような巨大津波は、ドイツでは起こらないでしょう。

2017-03-11 15:32:44
熊谷 徹 @ToruKumagai

しかしそのことは、重要な問題ではありません。福島事故が我々に突きつけている最も重要な問題は、リスクの想定と、事故の確率分析をどの程度信頼できるかという点です」。メルケルは元々物理学者である。

2017-03-11 15:32:54
熊谷 徹 @ToruKumagai

彼女は、福島事故によって原発の事故リスクの評価を大幅に修正せざるを得ないという結論に達したのだ。

2017-03-11 15:33:06
熊谷 徹 @ToruKumagai

メルケルは国民の前で、自分の考えが間違っていたことを告白した。「私は2010年秋に発表した長期エネルギー戦略の中で、原子炉の稼動年数を延長させました。しかし私は今日、この連邦議会の議場ではっきりと申し上げます。福島事故は原子力についての私の態度を変えたのです」

2017-03-11 15:33:15
熊谷 徹 @ToruKumagai

彼女は、原子力エネルギーを使用し続ける場合、国民の健康と安全を守るという義務を果たせないと判断し、脱原子力の道を選んだのだ。

2017-03-11 15:33:19
熊谷 徹 @ToruKumagai

メルケルも完璧ではありません。米国のイラク侵攻の時には、ブッシュ政権を支持するという大失敗も犯しました。完全無欠な政治家はいません。だが3.11後の決断からは、何かを学べると思います。

2017-03-11 23:31:39