湖鏡の城【Twitterセッションログまとめ】

Twitter上で展開中のフィロゥくんラストロールのまとめです #蒼き湖水国の書 #湖鏡の波紋 ダンジョン作成:RPGツクールMV使用 続きを読む
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@blue_grc

@blue_grc リーンゴーン、リーンゴーン、リーンゴーン… 朝まだきの靄の中、涼しげな鐘の音色が城下に鳴り響いて行く。 目で合図をし、ハヴェルに声に魔法をかけてもらう。 上りゆく朝日の元に照らされて、鐘楼で輝く銀糸の混ざる緑髪の頭を、国民は決して見間違えることはないだろう→

2017-03-30 13:53:27
@blue_grc

@blue_grc そしてぼくの宣言はヴェンツェルトの城下に響き渡った。 その瞬間を、ぼくは生涯忘れない。

2017-03-30 13:54:44
@blue_grc

@blue_grc 『ヴェンツェルトの国民に告ぐ。これは布告である。マクシムの嗣子フィロゥが戻って来た。マクシムは契約魔法師でありパンドラの魔女であったミランダと共に昨夜死した。マクシムの聖印を継承し、今より──私、フィロゥ・クレイツァルが、皆を守るヴェンツェルトの君主である』

2017-03-30 13:55:21

エピローグ

 

@blue_grc

#湖鏡の波紋(エピローグ) その後、以前ぼくが駐屯していたクルノフの町から、忠実な従者だったロベルトを早馬を出させて城下に呼び──ぼくが生死不明と聞いてからずっと落胆していた彼は、生きて、しかも聖印を継承したと言う手紙を半ば信じられず、半ば一縷の望みをかけて駆けつけてくれた──→

2017-04-03 14:49:47
@blue_grc

業務に有能な彼を事務方として、ミランダと父に身の危険を感じて逃げ出したり避難した家臣たちを少しずつ城へ呼び戻し始めた。 ぼくが生きて戻り、ヴェンツェルトのものと、新しい聖印を所持している事に、誰も不服を唱える臣下はいなかった。 →

2017-04-03 14:51:23
@blue_grc

圧政を敷いていた父とそれを支えるミランダに不満を持っていた者や、どちらかと言うとぼくの味方だった者たちは手放しで喜び忠誠を誓い、対して、ぼくが玉座に就きたいばかりに前君主とその契約魔法師を弑して聖印を手に入れたのではないかと陰ながらこの経緯に咎める者も少しはいた。 →

2017-04-03 14:52:23
@blue_grc

だが、ミランダがパンドラの手のものだったと言う証拠をぼくが城中で集め、彼女が意図的にこの国と聖印を壊そうとしていたこと、父が隙に付け入られており残念ながらミランダとぼくとの戦いの最中に命を落とした旨をアカデミーにも提出した事により、段々とその批難も影を潜めて行った。→

2017-04-03 14:53:17
@blue_grc

ぼくはヴェンツェルトの君主継承式行うと同時に、国旗を新しく作り直した。 今までの三本の剣の後ろに、水鳥の羽を持つ盾のデザインを付け加えたのだ──今ヴェンツェルトの君主であるぼくが新しく創り出し、そして所持している紋様だ。 →

2017-04-03 14:53:43
@blue_grc

これでぼくの代から、この国の君主は祖国を守る者なのだというのが周辺国や子孫により伝わるだろう。 父の命で近隣へ派遣されていた部隊も全て呼び戻し、諸国や村々には戦は中止であると伝えた。攻め込まれていた側からすると安堵と同時に憤懣もあるに違いない。 →

2017-04-03 14:54:19
@blue_grc

ぼくのこれからの国王としての仕事は、荒れた国内の立て直しと、国民の信頼回復から、近隣諸国との国交の正常化まで、ロベルトに手伝って貰いながらもかなり骨が折れるものになるだろう。 →

2017-04-03 14:55:14
@blue_grc

あの後、崩れた塔の中から、ミランダの身体と、父マクシムの身体も探した──不思議な事に、ミランダの身体はどこにもなかった。 塔の瓦礫を前に最後の混沌調律を汗びっしょりで行いながら、ハヴェルが言うには、 →

2017-04-03 14:55:44
@blue_grc

「兄上、ミランダは生き返って逃れたとかではなく…捜索する前に、混沌に、の、呑み込まれてしまったのだと思います。それほどあの室内は濃度が高かった…」 →

2017-04-03 14:56:20
@blue_grc

父は、歴代のクレイツァル家の墓所である湖の小島へ運んだ。そこには母と兄も眠っている。母と父は又従兄弟同士で、恋愛結婚だったと聞いている。従属騎士だった父が母に恋をして結婚を申し込んだのだと。果たして父が焦がれたのは、母自身にだったのか、母の君主としての力にだったのか。 →

2017-04-03 14:57:13
@blue_grc

今となっては分からない…… が、ぼくが幼かった頃に確かに仲睦まじかった両親の姿も見たのだ。 魔女に誑かされ、戦場で戦死をしたと言われていたぼくの兄ベルナルド、一番上の息子をもあやめていたことは、兄の名誉のためにも秘匿する。→

2017-04-03 14:58:33
@blue_grc

今は国王であるぼくの一存で、パンドラの魔女に操られた哀れな前君主として、父をここ葬らずどこかにうち捨てることも出来た。 だが父も、ここに眠る代々の先祖の魂も、今は全て何の力もないただの人なのだ。その片隅に、父マクシムを簡素な葬送と墓碑とともに埋葬した。 →

2017-04-03 14:59:04
@blue_grc

そして、今は埋め立てられた湖と運命を共にしているミランダの故郷の村周辺は、混沌魔境に近い環境になっているが、ぼくが出向き少しずつ浄化をして行った。 →

2017-04-03 14:59:38
@blue_grc

まだ少女だったロードの母が過って湖に撒いた毒が、ミランダの村と民を壊滅させ、彼女を毒の魅力に目覚めさせ、やがてアカデミーへと導き、そしてどこかでパンドラの組織と出逢い、君主の持つ聖印をわざと大きくして混沌に戻す事に魅せられてヴェンツェルトへと戻ってき、 →

2017-04-03 15:00:14
@blue_grc

そして母の息子であるぼくに討たれる一連の流れが、まるで運命のようにも思える。 おそらく父をぼくが討つのも彼女の思惑通りだったのだと思う、ただ彼女はぼくをも殺しクレイツァル家を根絶やしにするはずが、ぼくが勝って、生き残った。 →

2017-04-03 15:00:54
@blue_grc

そんな、新たな君主としての責務を果たしているうちに、あっという間に数週間が過ぎて行き、ハヴェルがアカデミーに戻る時が来た。 元々ハヴェルは休暇を貰ってアカデミーを発っていた、まだきちんと卒業はしていない見習いメイジだった。 →

2017-04-03 15:01:53
@blue_grc

ハヴェルが出立する日、あまり仰々しい見送りは恥ずかしいというので、ぼくと少ない臣下で朝早く見送った。 「思いがけない長い休暇になり、国のゴタゴタに巻き込まれて、さぞやアカデミーの師匠もやきもきしているだろう、すまない、ハヴェル」 →

2017-04-03 15:02:31
@blue_grc

「はい、遠話で連絡もせずとても心配をかけたと思うので、師にはたくさん謝っておきます」「お前の師にぼくも謝罪の手紙を送った。ごめん、そしてハヴェル、ありがとう」幼い弟を巻き込む事になったのは心外だったが、結果としてぼくらの絆は深まった。最後に弟と抱擁を交わし、精一杯の感謝を伝える→

2017-04-03 15:03:11
@blue_grc

「立派なメイジになってくれ。お前と入れ替わりに新しい契約魔法師が来るらしい」するとハヴェルがぼくを見上げて懸命にこう言ってきた。 「ぼくが、卒業したら、この国の契約魔法師になって、兄上の元に参ります、だから、それまで待っていてください。→

2017-04-03 15:03:45
@blue_grc

「ぼくが兄上を助けるヴェンツェルトのメイジになります、必ず」 「うん、分かってるよ、信じてるよ、待っているから」 はは…と弟に笑いかける。何年先になるか分からないが、ハヴェルはきっとそうなって戻ってきてくれるだろう。 →

2017-04-03 15:04:36
@blue_grc

そしてぼくら兄弟はまた、ハヴェルが卒業するまで、暫しの別れを味わうことになったのだった。 →

2017-04-03 15:05:34
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