黒電話 プロット

今後描く漫画のプロット
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@gomi64

電話の先に何がある 今や消えた黒電話 今手元にあるこの電話 どこにつながる黒電話

2011-03-08 06:29:33
@gomi64

かけてみる もしもしもしもしもしもし?あぁ聞こえてきます地獄の私。懐かしい声です。そうです私は地獄で行方不明でした。ごめんなさいね、いつまでも探さずにいて。そうだった、赤い花を探しては地獄をさまよう私は何処。

2011-03-08 06:30:55
@gomi64

地獄の私は雨に降られ一緒にラムネを買っていた。一緒に飲む相手もいないと言うのにかわいそうなやつだった。だから私は電話に言った。舌を噛みちぎって死んでしまえ。地獄にいても意味が無い。お前には一生相手もいなければ今からもない。

2011-03-08 06:32:37
@gomi64

どうせ独り身私も地獄に行くのです。地獄に二人も私はいりません。先に行ったお前は早く死んでしまえ。私の居場所を返してくれ。必死に訴える。私はもう赤い花を追いかけることはしないのだよ。自ら望んで地獄へ行く。

2011-03-08 06:34:19
@gomi64

あぁどうか殺さないでください神様。美しい世界をもう少し見てから地獄に行きとうございます。あと少しなのです。私の中ではもうすぐ地獄へ行くのです。苦しくてもがき苦しむ私が待っている。死を見つめ自分の生きざま後悔し息をせずに朱を吐くの。

2011-03-08 06:37:02
@gomi64

首を切っていきたい。あぁ首よ首。宙に浮く首は笑い転げて惑わせる。美しい世界見ても最後に見るのは地獄ばかり。あぁあぁ切なき人生地獄行き。だから先に行った私は早く死ね。

2011-03-08 06:39:03
@gomi64

何処からか美しいギターの音色。すっかりぼやけた写真の誰か。この人はいったい誰なのか。何もわからずさまよう自分を恨めしく思う。そうか、そうなのだ。私が死ぬんじゃない。私が地獄へ行き私を殺さねばならないのだ。そうでなければならないんだ。そうなんだ。

2011-03-08 06:41:00
@gomi64

電話口に私は叫び今から殺しに行くと言った。地獄の私はすべてを否定した。そうだろうねぇ、地獄の私はそこが地獄とは知らずにふわふわと宙ぶらりんのアンポンタンポカンなのだからな。こんなやつは早く殺さねばならない。心の奥から殺せという言葉がふつふつと生まれる。殺意の誕生だ。

2011-03-08 06:43:04
@gomi64

静かに電話を切った。気づいたらそこは森の中だった。暗く朽ちている廃墟の中で電話をひとりもって話していた。電話線なんてとうの昔に切られている。死んでいたのは私だ。私は最初から地獄にいたんだ。死ぬべきなのは私だ。ここでぐずぐずしている私だ。気づいたときは遅かった。

2011-03-08 06:45:29
@gomi64

振りかざしたカッターが私の喉に突き刺さる。その時電話が鳴り響いた。私は痙攣しながらも電話を取る。すると私がかけてきた「やっと居なくなったかこの蟲めが。お前のせいで何もできなかった。だから過去の私に頼んで私を殺したのだ。これは自殺ではない自分による他殺である。」

2011-03-08 06:51:16
@gomi64

喉を深く深くなんども抉られる。快感へと変化していくのがわかる。「殺されながらも快感を感じているのだろう。それは私が嬉しいからだ。私はたくさんいるが結局はひとりなのだ。決着をつけたいのだ。囚われた自分を殺して次へと進みたいと。だから殺したんだ。分かってくれ。」

2011-03-08 06:53:11
@gomi64

次は目を抉られた。その次は舌を切られた。耳を切られその後は覚えていない。興味がなかったのだ。手元にあるのは黒電話。私は過去の私へと電話した。「ありがとう、私はもう休んでいいよ。疲れただろう。地獄にいる私よ。ゆっくり休んでくれ、きっとまた出てくるから。」地獄の私は笑顔で

2011-03-08 06:55:36
@gomi64

「分かっているよ。それが私の役目だ。未来へ行く弱い私を殺すのが私の役目。だから地獄にいるんだ。だから私は気にしなくていいのだよ。」

2011-03-08 06:56:36
@gomi64

黒電話を切った。次に使うのはいつだろうか。この電話は何処にもつながっていない。そういうものだ。ひとり部屋で悩みながらまた私はペンを走らせる。次へと向かうために。死とは次へ向かう切っ掛けなのだろう。黒電話はまた無言になり部屋の飾りへと溶け込んだ。窓の向こうからカラスが覗く。 終わり

2011-03-08 06:59:03