ぴくめす番外編 エルフのメイジ見習いとオークの魔導書
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デロいち
@dero_ichi
オークメイジ様の通信教育 オークのメイジ見習いが落っことした魔導入門書をエルフのメイジ見習いが拾う 長い年月をかけて養うエルフの良心をかっ飛ばしてあふれだす知識欲 pic.twitter.com/W6wGnrdJvL
2017-03-31 21:21:19
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デロいち
@dero_ichi
エルフのメイジ見習い キュマとシュマ 噴き出す魔力 流れ込む知識 あふれ出る好奇心 こぼれ落ちる道徳 末はマッドなウィザードかネクロマンサー pic.twitter.com/vqxa5cSWEs
2017-03-27 23:02:03
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帽子男
@alkali_acid
田舎の畦道にエロ本が落ちてる感じで、エルフの邑（むら）の外れに奇妙に歪んだ古代文字で書いた、しかし真新しい魔導書が落ちている。
2017-03-27 23:32:58
帽子男
@alkali_acid
人か人に似た種族の皮で装丁してあり、中の頁も恐ろしく薄いが同じ素材の人皮紙（にんぴし）のようである。インクは血で作っているのか妙に匂う。びっしりと呪文や術式の解説が載っており、内容はひどく分かりやすく、まるで知恵遅れに無理矢理、妖術を教え込ませるために作ったかのよう。
2017-03-27 23:36:26
帽子男
@alkali_acid
拾ったのは邑でひさしぶりに生まれたエルフの童等。子供の少ない種族故、たまに生まれると甘やかし放題にするきらいがあった。幼い妖精は、持ち前の好奇心に従って、さっそく魔導書を繰り始める。もちろん大人には黙って。
2017-03-27 23:38:07
帽子男
@alkali_acid
しかし禍々しき思考が著した禍々しき知恵は、いまだ形の固まらぬ生まれたばかりの魂を次第に捻じり、捩って鬼仔に変えてゆくのだった。
2017-03-27 23:39:38
帽子男
@alkali_acid
一方、遠く離れたオークの砦では二匹の小さな怪物がしょげかえって、奥まった部屋の扉の前に立っていた。およそ獣じみた蛮夷の住処にはありうべからざる場所、書斎である。うずたかく積んだ略奪品の巻物や折本のあいだに、でっぷりと太った疣だらけの主が鎮座している。
2017-03-27 23:42:58
帽子男
@alkali_acid
蟾蜍（ひきがえる）と紛う面相は、笑っているやら怒っているやら、引きつり皺んだ表情を浮かべ、小さな同胞達を眺める。 「グググ…それで」 嗄れた問いに、未熟なオークは肩をすぼめ、小声で答える。 「きょうかしょ、おとしちゃった…ギマが」 次いですぐ隣を指し示す。
2017-03-27 23:49:29
帽子男
@alkali_acid
するともう一匹の仔鬼が飛び上がり、逆に指を突きつける。 「ちがうジマ！」 素早い切り返しに、ぎょっとなった連れは、しかし気を取り直すと牙をむき出してわめく。 「ギマ！」 「ジマ！！」 「ギィィマ！！！！」 「ジィイイマア！！」
2017-03-27 23:52:14
帽子男
@alkali_acid
とっくみあいを始めそうな二匹に、かたわらのぶよぶよした贅肉の塊が腹を波打たせてから、おもむろに割って入った。 「おとしたのはどこだ」 「知らない！ギマのせい！」 「ジマのせい！」 なお喚く仔鬼を鎮めるよう、でっぷりした腕が上がり、左右に揺れて淀んだ空気を攪拌する。
2017-03-27 23:57:41
帽子男
@alkali_acid
「だいたいでいい。このあたりか？」 脂ぎった指が宙にぐるりと円を描くと、朧に光る球があらわれ、みるみる一部だけが大きくなって、わずかに曲面を為す、地図とおぼしき虚像へと変わる。森らしき濃い色の帯の上に淡く点滅する印は集落か。簡略化した長耳と細い四肢の人に似た姿が横に添う。
2017-03-28 00:00:40
帽子男
@alkali_acid
「そこ！そこでギマがおとした！」 「ジマ！」 「なるほど…上（かみ）エルフどものすみかか…グググ…よいよい…きゃつらは知識の誘惑に勝てぬものども…学びたければ学ばせてやるがよい…グググ…」 「おこってない？」 「おこってない！」 ギマとジマは手を打ち合わせてはしゃぎ出す。
2017-03-28 00:03:08
帽子男
@alkali_acid
「怒るどころか…褒めてやりたいほどだ…グググ」 「落としたのジマ！」 自らを指さす仔鬼に、相方はまたぴょんと跳ね上がって真似をする。 「違うギマ！」 「ジィマ！」 「ギィマアア！！」
2017-03-28 00:04:23
帽子男
@alkali_acid
また喧嘩しそうになる二匹に、大蛙じみた怪物は溜息をつくと、また宙で指を回す。 どこかの暗い木陰が浮かび上がり、殺したばかりの山猫を捌く純白の年若い獣鬼が映る。 「ガブ…ギマとジマを連れていけ」
2017-03-28 00:09:28
帽子男
@alkali_acid
「…なんで俺」 突然、離れた場所から話しかけてくる声にも動じぬようすで、アルビノのオークがむっつりと応える。 不満そうにしながらも、雪花石膏に似た膚から赤黒い血をぬぐいとって、獲物をばらすのもそこそこ、砦へ戻る支度をするようすだった。 百貫でぶの術師は頷いて虚像を閉じる。
2017-03-28 00:10:47
帽子男
@alkali_acid
「グググ…はたしてエルフとオークの根は違うものか、同じものか…試してみるのも面白い…」 うそぶくオークメイジを横に、弟子達は周囲の貴重な古文書を引き裂き、たたきつけあいながら甲高い絶叫を放っていつものとめどもない格闘に入ろうとしていた。
2017-03-28 00:12:52
デロいち
@dero_ichi
かち合う火炎球と触手 けんかする仔オーク ｷｨｱｰ! !とか ｷﾞﾆｬｰ!! とか ｳｷｬｧｰ!! みたいな甲高い鳴き声 pic.twitter.com/Ub8EgqzKTb
2017-03-26 14:44:09
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デロいち
@dero_ichi
オークメイジ様の通信教育 オークのメイジ見習いが落っことした魔導入門書をエルフのメイジ見習いが拾う 長い年月をかけて養うエルフの良心をかっ飛ばしてあふれだす知識欲 pic.twitter.com/W6wGnrdJvL
2017-03-31 21:21:19
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デロいち
@dero_ichi
教育係のエルフのねえちゃん エルフの倫理を叩き込む 拾った魔導入門書はとりあげられそうなので隠す pic.twitter.com/6YpFFsHUeI
2017-03-31 23:37:33
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デロいち
@dero_ichi
双子の魔道士見習いのアイコンタクトは不幸の前兆 穏やかなエルフの大人に囲まれて、感情表現はかなり控えめ pic.twitter.com/s8pjMhRrUA
2017-04-01 13:33:13
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デロいち
@dero_ichi
エルフの女教師とメイジ見習い 魔法入門講座 エルフのねえちゃん、子どもの考えお見通し メイジ見習いの隠した汚い本を取り上げた pic.twitter.com/l9HrILpEbe
2017-04-02 00:18:19
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デロいち
@dero_ichi
あっ！ と、拾った魔導書を取り上げられて とりあえず逃げ出すエルフのメイジ見習い 意外にも捕まらなかったのでコソッと振り返ったら、エルフのねえちゃん本持ったままでビクンビクンしてる 痙攣がおさまったら服を脱ぎだした
2017-04-02 00:23:51
デロいち
@dero_ichi
エルフの女教師とメイジ見習い 先生とお別れ メイジ見習いは、勉強の成果を発揮しに、エルフの聖なる森の奥に出かけていく 幽鬼になった先生は夜闇をさまよい続ける pic.twitter.com/eOeQB1GJYZ
2017-04-02 23:21:19
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