となりのエイトさん

はち公。 @funkastic_8er

1 私がひとり暮らしを始めたアパートの 隣の部屋には 『お？新入りさん？ ご丁寧に挨拶まで･･･どーもどーもw』 【村上 信五】と言う名前の 気さくで優しそうな 年上のお兄さんが住んでいました。 #となりの村上さん pic.twitter.com/p9t1WQKBba

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2 村上さんは 私が通い始める大学を この春卒業したばかりで 『この街気に入ったからw』 とゆーことで そのままこの街で 社会人生活をスタートさせるらしく 『まぁ、わからん事あったら 何でも聞きやーwww』 始まりは 【お兄さん】の様でした。 #となりの村上さん

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3 そんな関係が 大きく変わったのは 4月も半ばの頃･･･ 「あの･･･困ります！」 バイトを始めたコンビニで 酔っ払いに絡まれて 《ええやん！お兄さんとあーそぼ♡》 帰り際に捕まってしまった(泣) （ど、どうしよう･･･怖い･･･） #となりの村上さん

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4 男性経験ほぼゼロの私には これをかわすスキルなんか無く 困っていたら 「わ･･･」 急に肩を掴まれて 酔っ払いと私の間に 誰かが割って入ってきた。 『おいにーちゃん。 その辺でやめとき？』 その声ですぐに分かった。 「村上さん！！！」 #となりの村上さん

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5 《何やねんお前･･･邪魔すんな》 『邪魔なんはお前の方やわ ええんか？さっきこの辺 警察うろついてたで？』 そのフレーズに 酔っ払いは動揺した 『見たとこお前･･･まだ20前やろ？ ここで俺と揉めて 警察駆けつけたら･･･アウトやで♡』 #となりの村上さん

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6 すると酔っ払いは ちっと舌打ちして 逃げるようにその場を去った。 『ったく･･･アホか』 その後ろ姿を睨みつけてる村上さんに 私はドキドキして 『大丈夫か？怖かったやろ？』 そのドキドキが 怖かったからなの何なのか 正直よくわからなかった #となりの村上さん

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7 『危ないから このまま一緒に帰る？』 その提案に 私はコクコクと頷くばかり 『よっしゃ。ほな、行こか』 村上さんは さっきまでの怖い顔はどこへやら いつもの優しい笑顔でそう言った。 ────そーゆうわけで 半歩前をゆく 村上さんについて歩く #となりの村上さん

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8 『この辺はなぁ･･･この時間帯 けっこー酔っ払い多いから』 村上さんはそう言いながら 『遠回りになるけど こっちの明るい道歩き？ いつもの近道やと人通り少ないから』 私に安全な道を教えてくれて ついでに 『そや、旨いラーメン屋教えたろか！』 #となりの村上さん

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9 帰るついでに この街の事を色々教えてくれました。 『あの定食屋はなぁ おばちゃん優しいから 金無い時は頼り？ ちょっとまけてくれんでw』 『あの店で服こーたらアカンで？ モールとかで売ってるよーなもん 倍の値段で売りよる！！』 #となりの村上さん

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10 そうこうしてたら あっという間に アパートに着いちゃって 『まぁ、こんな感じで 俺で分かることなら教えるから 頼っておいでw』 そう言いながら 頭をポンポンしてくれて （あ･･･） ────その瞬間 さっきと同じ ドキドキが蘇って･･･ #となりの村上さん

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11 （そうか･･･このドキドキは） この胸の音は 恋をしてる時に鳴るやつだ･･･ 『ん？どーした？』 ぼんやりする私に 村上さんは心配そう だから思わず その優しさに甘えたくなる 「･･･あの、何でも 教えてくれますか？」 『おう。ええよ？』 #となりの村上さん

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12 村上さん･･･ 彼女はいますか？ いないなら 好きになってもいいですか？ 私は 好きになってもらえる 可能性ありますか？ ────なんて聞く度胸はないから 「今猛烈にさっきのラーメン屋さん 行きたいんですけど･･･」 『おぉ！！！』 #となりの村上さん

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13 「初めて行くお店って 何頼んでいいか分からないから 一緒に行って 教えてもらえませんか？」 ストレートには行けない でも 【急がば回れ】ってゆーでしょ？ 『ええで！行こいこ♪』 こうして私は となりの村上さんに恋をしました。 【end】 #となりの村上さん pic.twitter.com/esvVegaztO

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1 私がひとり暮らしを始めたアパートの 隣の部屋には 『わぁ！初めまして安田ですー♪ え？ご挨拶のお菓子？ありがとー♡』 【安田 章大】と言う名前の 人懐っこくて可愛い感じの 年上のお兄さんが住んでいました。 #となりの安田さん pic.twitter.com/BQvoKaKMRO

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2 安田さんは 近くの服飾専門学校に通ってる ひとつ年上のお兄さんで 『休みの日とか仲間とフリマで 作った服とか売ってんねん！ よかったら遊びに来てー♡』 なんとゆーか 人生全力で楽しんでるなーって そんな印象の 【ちょっと遠い存在】って人でした。 #となりの安田さん

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3 そんな関係が 大きく変わったのは 暑くなりだした夏の頃･･･ 「え？」 部屋に帰ると 《ニャー》 と、見た事のない猫がいて 「お前、迷い猫？」 手を伸ばすとその子は 私にすんなり抱かれました （窓開けっ放しだったから 迷い込んだかな？） #となりの安田さん

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4 《ニャーニャー》 やけに甘えてくるこの感じ 「お前･･･お腹空いてるの？」 そんな気がして とりあえずミルクをお皿へ するとその子は喜んで それを飲み始めた。 「ふふ･･･可愛いなぁ♡」 その様子をほっこり眺めていたら ────ピンポーン #となりの安田さん

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5 「え？はーい？」 急にチャイムが鳴って 慌てて玄関に向かうと 「え？安田さん？」 『どもーw』 なんかソワソワしながら 安田さんが立っていました。 「どーしたんですか？」 『や、その･･･』 「？」 『あの･･･猫、来てたりします？』 #となりの安田さん

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6 「猫･･･ってもしかして！ あの猫、安田さんの！？」 『しー！しー！声でかいって！！』 ────そんなこんなで 安田さんに部屋に入ってもらい 事情を聞くことに･･･ 『おお！ やっぱりここおったんか！』 安心したのか にこぉっと笑う安田さん #となりの安田さん

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7 「安田さん･･･ 部屋で飼ってるんですか？」 『あ･･･はい』 「でも、このアパート ペット禁止じゃ･･･」 『そーなんすよ･･･ そーなんですけど！！！』 すると安田さんは 腕に飛び込んできたその猫を ぎゅーっと抱きしめて #となりの安田さん

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8 『なんかね？ アパートの前に捨てられててね？ そしたら可愛そうやもん 拾うやないですか！？』 「はぁ･･･」 いつものオシャレな感じとは違い 必死に熱弁w 『すぐにね？他に飼ってくれる奴 探そうとしたんですよ？ でもほら･･･もう、ねぇ？』 #となりの安田さん

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9 「愛着湧いて 手放せなくなったと･･･」 『そう！その通り！！！』 安田さんはパンと手を叩くと 正解！と言わんばかりに私を指さした 『ん？ この感覚分かってくれるとは･･･ もしかして君も猫好き！？』 「はいw実家で2匹飼ってます！」 #となりの安田さん

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10 『ほんまに！！？』 すると安田さんは 喜んで私をぎゅーって抱きしめた （ふわっ///） 『めっちゃうれしい！ この街でなかなか 猫好きに出会えんくて！！』 ･･･たぶん スポーツ選手が ハグする感覚なんだろうけど （ふわわ･･･///） #となりの安田さん

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11 私の心臓は ドキドキ半端なくて 破裂寸前･･･ 『あー、めっちゃうれし！ あのさ、たまに 世話手伝ってくれへんかな？ 制作の課題とかやってたら エサ忘れてもーて たまにこーやって逃げんねんw』 「い、いいですよ！ 忙しい時はあ、預かりますよ！」 #となりの安田さん

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12 『ほんま！？めっちゃ助かる！！』 「や、その、OKなんで ･･･手、手を///」 『あ！ごめんごめん！ 興奮してもたwww』 ようやく その腕から解放される ･･･でも ドキドキ止まらないよ 『じゃあ、これからよろしくです！』 #となりの安田さん