サンリオ大賞上位のキャラクターについてのざっくりした話
1970年代
サンリオキャラクタービジネス草創期。1973~75年の3年間にサンリオを代表する3大キャラクターが生まれているが、同期間の間に合計12のキャラクターが作られており、最初から完成されていたというよりは生き残ったキャラクターと言えるだろう。
ハローキティ
1974年登場。サンリオがキャラクタービジネスを開始してまもなく作られた最初期世代のキャラクターの一つ。1980年代には人気は下火となっていたが、1990年代に人気が復活、一時はサンリオの収益の7割を担うまでになった。以降サンリオを代表する「顔」となっている。
外野のキャラ付け(非公式)
2010年代にサンリオがテコ入れ策としてコラボ・ライセンシーの要件を大幅に引き下げた結果、想像もしなかったようなコラボが多数生まれることになった。中にはハローキティ本来のイメージとのギャップの大きい奇想天外なものもあり、「仕事を選ばないキティさん」というキャラが立つようになった。
なおサンリオ公式でキティが変身したヒーロー「イチゴマン」というキャラクターが存在し、ピューロランドに通うようなコアなファンのあいだではおなじみだが、なじみのない人にとっては驚きであるようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=vKaAt6VNyEw
マイメロディ
1975年登場。1980年代には人気が低迷したが、ハローキティと同じく1990年代後半から人気が復活した。初期からあまりデザインが変わっておらず、2000年代のカワイイの収斂に際してベースとなるデザインコンセプトを提供したといえるキャラクター。
元は赤ずきんをモチーフとして開発されており、ウサギのキャラクターというわけではなく、頭は被り物という設定である。
外野のキャラ付け(非公式)
2005年にアニメ化された際、いわゆる超展開を連発したため、コアなファン層は公式・二次創作でぶっ飛んだ展開があってもあまり驚かない傾向にある。
公式Twitterで古株キャラの誕生日を祝っているのに対して、新人の鮭のKIRIMIや卵は料理するツイートになっていることから、年功序列に厳しい体育会系パイセンキャラという味付けにされることがある。
きょうは、キティちゃんのおたんじょうび だよ♪ キティちゃん おめでとう♪ これからも なかよくしてね♡ みんなも いっしょに おいわいしてね♪ pic.twitter.com/9mQRkkYo7I
2014-11-01 11:00:06きょうは メロディのたいせつなおともだち、キキくんとララちゃんの おたんじょうびだよ♪ おめでとう♡ pic.twitter.com/4i1vLuB5E3
2014-12-24 13:00:05きょうは プリンくんの お誕生日だよ♪ くつと てづくりプリンを ぴれぜんと♡おめでとう♡ pic.twitter.com/2Zn8H4DFWR
2015-04-16 12:00:08ふわふわしっぽが かわいい しなもんくん♪ おたんじょうび おめでとう♡ おなかいっぱい、けーき たべてね♪ pic.twitter.com/323fuygoXm
2016-03-06 12:00:05マイメロディちゃんは、ぐでたまとKIRIMIちゃんのことを食材としか見てないから…。 pic.twitter.com/l20iyn8s7q
2017-04-26 16:01:291990年代
ポムポムプリン
2000年代
2000年代初頭までにハローキティ、リトルツインスターズ、マイメロディが時代を超えた人気を得たことがはっきりしてくると、それらに共通する特徴を抽出して新キャラが創造されるようになる。いわばカワイイが完成した時期だが、その反面没個性的とも思えるキャラが量産された向きもある。
シナモロール
2001年登場。サンリオ古参人気キャラクターの特徴を抽出して作られた、いわば「カワイイのエリート」と言えるキャラクター。
クロミ
2010年代
2000年代の量産型カワイイに限界が見え、サンエックスのたれぱんだやリラックマと競合する中で、従来のピュアなカワイイを脱却し、完成されたカワイイの上に毛色の違うキャラクター性を模索していく傾向が強くなる。実験的キャラクターの多い時期である。
ハローキティが「仕事を選ばないキティさん」になり、リトルツインスターズに新設定が付け加えられるのもこのころである。
SHOW BY ROCK!!
2012年に登場。サンリオのこれまでのキャラクターは個性をそぎ落とし八方美人にした「マスコット」というべきものだったが、このシリーズでははっきりとした人格が設定されており、アニメ絵のバージョンも存在するなど、サンリオキャラとしては異色の存在。
主人公キャラクター(プラズマジカ、シンガンクリムゾンズ)のアニメ絵はあからさまに男オタク向け、腐女子向けの造形をしているが、アニメではどのキャラクターも男女双方から人気があったのはさすがにサンリオというところか。キャラクター、ゲーム、アニメともに中堅どころの人気といったところ。
KIRIMIちゃん.
2010年代に入り、サンリオがハローキティなど従来のカワイイ一本足からの脱却を目指し、毛色の違うキャラクターを生み出すべく企画された「食べキャラ総選挙〜食うか食われるか真剣勝負!〜」で1位を獲得してデビューしたキャラクター。初年度には異端キャラクターとしての話題性、2年目以降は公式twitterで話題性を維持し、中堅どころのキャラクターとして人気を保っている。
キャラ付け
2010年代キャラクターは公式にやや外連味のある味付けがされており、KIRIMIちゃんの場合には
- 水産関係のマスコットを務める → 社畜キャラ
- ゲームとコラボ → ゲーム廃人キャラ
- 流行ネタに積極的に乗っていく
- エキセントリックな一発芸もやる
といったデザインがなされ、全体としては高校生~大学生~新社会人女性のようなキャラクターに落ち着いている。
はいはい…プレミアムフライデーね…! pic.twitter.com/oSz3cNNVCH
2017-04-28 18:30:04【MHX】KIRIMIちゃん.の世界にもモンスターハンターシリーズのモンスターたちが登場!あのモンスターが切り身の世界へ・・・!!続報を乞うご期待!【PC】bit.ly/1Ix0nrC【モンハン部編集部】 pic.twitter.com/6RZFfRGZrI
2015-08-10 12:07:00新たな冒険まであと七日…! (わたしは…アーリーアクセスするから…あと三日…!) #FF14SB_CD pic.twitter.com/oRUs4lCW6i
2017-06-13 19:00:05あぁぁぁぁぁぁぁぁぁかぜつよいいいぃぃぃぃこどものひひひひおめでとうううううう pic.twitter.com/HU1OMZV5JC
2017-05-05 18:30:04よる9時いこうは…食べないように…してるの… pic.twitter.com/YL3UTYvrNb
2017-04-27 23:30:05ぐでたま
「食べキャラ総選挙〜食うか食われるか真剣勝負!〜」でKIRIMIちゃん.に次いで2位を獲得してデビューしたキャラクター。投票数はこの2つで割れており、僅差だった。テレビデビューで一気に知名度を伸ばし、現在のツイッターフォロワー数はKIRIMIの3倍、サンリオ大賞でも3大キャラに次ぐ位置につけている。
キャラ付け
常に疲れていて何もかもやる気がない、ぐでっとしているというキャラクターはコンセプトからほとんど変わることがない。ただしサンリオの原型から外すように作られたということに自覚的であり、エイプリルフールに「サンリオ風ぐでたま」というコンセプト外しをやっている(これは後に「ぎゅでちゃま」として独立キャラになった)。
本来は「疲れた大人がぐでぐでしたいという気持ちを表現するキャラ」という大人向けのキャラだったはずだが、TBS「あさチャン」でミニアニメが放映されて以来子供に大人気となり、やや子供に重心を置いた全年齢向けキャラクターとなっている。比して、KIRIMIは子供に魚の切り身を食べてほしいという低年齢向けに近かったものが、今はむしろ社会人をターゲットとした社畜キャラになっており、対象年齢層が逆転している感がある。