140字呟き怪談

140字以内で怪談書いてみてます。1ツイートで一話になり、基本オチは無いです。
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小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

夜、帰宅するとベランダの窓が全開になっていた。 空き巣かと部屋を確認するも異常は無い。 部屋は7階だ、ただ戸締りを忘れていたのだろう。 念の為、ベランダの外も確認する。 突然背後で窓が閉まる。開かない! 何故か鍵が掛っている。 ベランダの手摺に手が掛かり、ナニか這い上がって来る。

2017-09-05 11:31:02
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

夜中、帰路へついていた。途上、灯りも疎らで人通りも無い路地があるのだが、そこは変質者の目撃例が多々あるなど物騒な所だ。そこを通った時だ、それからずっと付けてくるヤツが居る。途中、何度か振り切ろうとしたが無駄だった。そいつは今も付いて来ている、頭上の電線を伝いながら付いて来ている。

2017-09-06 11:15:39
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

床に就くと去年亡くなった祖父の顔が天井に現れ、自分を見てくる。何か訴えたい事があるのかと思考を巡らせた。今年はまだ墓参りをしていないので来いと言う事なのか? すぐに墓参りに行ったのだが、以降も祖父は現れる。その祖父の顔を何者かが掴んでいる。一体、祖父は死後どうなってしまったのか。

2017-09-07 20:28:08
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

商業施設の駐車場で、対面に駐車している車の下に男が挟まっているのが目に入った。何か事故ではと慌てて駆け寄り、安否を問うが返答は無い。代わりに此方に視線を向けニカッと笑うと、車体底奥へと引っ込んで行った。怖くなり下を覗く勇気は起きなかった。それ以来、あの男は自分の車に挟まっている。

2017-09-08 10:21:32
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

平凡な会社員である私の日々は、それも平凡なものであった。しかし、その平凡は突如砕かれた。就寝中、足を掴まれる感覚で覚醒し、其方に目をやると、そこには人影が居り、私を自らの元へと引き寄せて来る。そして途中意識が途絶えた。それ以降、奴は引き寄せてくる。毎晩、少しづつ自らの元へと……。

2017-09-11 14:07:26
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

電柱の灯が夜闇を僅かに照らす中、前方にぬうっと項垂れた女が現れ吃驚した。微動たりとしない様子に薄気味悪さを感じたが好奇心もあり、すれ違いざまに女を瞥見する。驚愕した。女の頭がぱっくりと割れ、「オギャァァ」という啼泣と共に中から小さな手が飛び出し、それは外へ出ようとしていた。 #呟怖

2018-06-22 21:49:23
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

桜が咲き誇る季節の夜だった。帰宅中に喧騒が聞こえたので其方へと目を見遣る。そこには満開の桜があり、人々が一席設けてるではないか。こんな所あったかと、疑問に思いつつも通過する。翌朝、見に行くと其処は墓地だった。桜を愛でるのに、死者も生者と変らないのだなと想える出来事であった。 #呟怖 twitter.com/neighbor00/sta…

2018-06-29 09:48:45
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

「桜の襖とはこれまた風流ですね」 私が旅館の女将にそう言うと、 「今ちょうど満開でして見頃なんですよ」 そう答える女将の言葉に疑問を抱き、どういう意味かと尋ねようとすると、襖に描かれた桜が花弁を散らし始めた絵に変化していった。 「もうすぐ散ってしまいますね」 女将が寂しそうに言った。

2019-06-25 03:00:26
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

登山中に立札が目に入り、何が書かれているのか読もうとするも、文字が掠れて読めない。 わざわざ近づいて確認するのも億劫だが、一度気になると落ち着かないものだ。 人の性分とはそんなものだろうと、自嘲気味に立札へ近づき文字を見る。 『○○○○が7人目』 自分の本名と共にそう書かれていた。 twitter.com/tanderion1216/…

2019-11-27 18:48:04
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

都内の会社に、和装をした二人の子供の幽霊が現れる事があった。二人は社内を走り回って遊んでおり、初めはどこの子供だろうと訝しんでいたが、人や物をすり抜けるので人じゃないと確信した。社長が有名になり調子乗り始めると二人は現れなくなった。それから会社で大きな事件が起き、倒産した。 #怪談

2020-01-17 20:29:25
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

山岳救助隊員の話。遭難者の捜索の折、急な濃霧にまかれ待機をしていると、「ねぇ。」と声をかけられた。続けて「こっちで皆とお話しようよ。」そう呼びかけてくる。「返事すんな連れてかれるぞ。」一緒にいた先輩がそう呟き、声を潜めやり過ごす事となった。少しすると濃霧は嘘のように晴れた。 #怪談

2020-01-24 09:30:47
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

ドローンを使って建造物の高所点検のテストを行っていた。立ち入りを禁止にしている建造物の頂上に人が立っているのが映った。危ないぞと関係者がざわめいていると、その人物がそこから飛び降りてしまった。その場は騒然となり慌てて現場へ駆け付けると、そこには飛び降りた人物の姿は無かった。 #怪談

2020-01-24 10:14:48
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

雪の降る夜中、ベランダで煙草を吹かしていた。眼前の道路は積雪で真っ白だ。突如、ギュッギュッと雪を踏む音が聞こえてきた。視線を向けると、誰も居ないのに雪上へ靴跡が次々と現れる。呆然と眺めていると、自分の居る位置で靴跡が立ち止まり驚いた。程なく靴跡は再び歩を進め去っていった。 #怪談

2020-01-28 01:04:22
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

ある日、飛び出し坊やの首が切断される悪戯が起きた。何度設置しても首は切断され、犯人も解らず、更には変な噂も出た。悪戯の翌日に児童が必ず接触事故に遭う。これは飛び出し坊や祟りだという内容だ。事実、事故は起きており、不気味に思った自治体は設置を止めた。以降、事故は起きていない。 #怪談

2020-01-28 18:21:10
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

旅客船が南極大陸に着き、デッキから氷山を眺めていると、氷壁に動く何かが見えた。それは手足の生えた大きな白い毛の塊で、氷壁をよじ登っている。観察しているとそれは体を振り向かせた。覆われた毛の中に人らしき顔が覗いており驚愕した。次の瞬間、そいつは凄い速度で氷山を登り姿を消した。 #怪談

2020-01-29 10:08:05
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

その日は水族館に来ており、ペンギンの展示場を見ていた。親鳥のお腹の皮の下からヒナが顔を覗かせていて可愛らしい。ある親鳥のお腹がモゾっと動いたので、ヒナが顔を出すかなと眺めていると、小さな人の手がお腹の皮をめくり、真っ白な子供の顔が覗く。しばらく目が合うと顔は中に引っ込んだ。 #怪談

2020-01-31 00:59:44
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

ある交差点に歩行者信号が青になっても、ジッと動かない男子児童がいる。時折、交差点中央を指差す事がある。すると、直後に交通事故が起き児童は立ち去っていく。ある時、児童がまた指を差した。何時もと違い満面の笑みだった。直後、トラック同士が正面衝突を起こし、それは死亡事故となった。 #怪談

2020-01-31 15:12:00
小泉怪奇@怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

依存症に近い酒好きの男性が、急に呑まなくなったので訳を聞いた。「飲むと男に背中を棒で叩かれる夢を見て、それが現実になるんだ。」上着を脱いで見せてくれた背中には、無数のミミズ腫れがあり痛々しい。男性は話を続ける。「そいつ髷を結ってるけど俺そっくりなんだよ、俺の先祖なのかな?」 #怪談

2020-02-01 14:21:04