久しぶりのオフ。だけど外は雪…【大倉忠義】

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えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(`ヽ´)【1】 天気予報通りに、外は雪。 でも、今日はオフだから、仕事に行かなくてもいい。 プライベートでも出かけないけない用事もなし。 彼女はゆうべから泊りに来てるから、迎えに行かんでいい。 つまり、俺が外に出る必要はない。 とりあえず今は、まだ夢の世界の住人でいよう…

2013-12-29 22:37:23
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(`ヽ´)【2】 「忠義〜、雪、降ってるよ〜」 彼女の声で目が覚める。 「雪…積もってんの?」 「んー? そうでもないかな… 結構降ってるけど、意外と積もってない」 「へー…」 「…忠義、まだ眠い?」 「眠い…」 「買い物行きたいんだけど…」 「どうしても行かなあかんの?」

2013-12-29 22:37:31
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(`ヽ´)【3】 「んー、できれば…」 「急ぐ?」 「そんなには」 「じゃあ、もう少し寝かせて…」 「…分かった。じゃあ、後でね」 「うん…」 そう答えて、再び眠りにつく。 次に目が覚めたのは、昼過ぎだった。 部屋の中は妙に静かで、 「○○〜」 名前を呼ぶけど返事がない。

2013-12-29 22:37:38
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(`ヽ´)【4】 さすがにシッカリ目が覚めたので、起き上がってリビングに行ってみる。 テーブルの上には、彼女のメモが残されていた。 “だいぶん疲れているようなので、1人で買い物に行ってきます。 もしも目が覚めてお腹が空いてるようなら、冷蔵庫の中のもの食べててください”

2013-12-29 22:37:45
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(`ヽ´)【5】 そのメモを読んだ瞬間、空腹が襲ってきて、早速、冷蔵庫の中の食事を温めて食べる… 空腹が満たされた俺は、何をするわけでもなく、リビングで雑誌を見たり、溜まっていたDVDを観たりして過ごしていた。 部屋の暖房は効いてるはずなのに、何となく肌寒い…

2013-12-29 22:37:52
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(`ヽ´)【6】 どれくらいの時間が経ったのか… 俺は、だんだん彼女の帰りが遅いのが気になってきた。 買い物にこんなに時間がかからへんよな… なんか…あったんやろうか… そんな事が思い浮かぶと同時に聞こえてくる、救急車のサイレン。 ただの偶然だと言い聞かせても、不安が膨らむ…

2013-12-29 22:37:58
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(`ヽ´)【7】 何しとんのや、早よ帰ってこいよ… 早よ、帰ってきてくれ… 何度も確認する、着信履歴とメール。 絶対心配しすぎって笑われる、そう思うてんのに、彼女の番号を呼び出し、発信ボタンを押してしまう。 だけど、聞こえてきたのは呼び出し音じゃなく無機質なアナウンス…

2013-12-29 22:38:06
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(`ヽ´)【8】 何で…何で繋がらへんの… 小さな不安は、徐々に大きくなっていき、じっと座っとくなんてできずに、部屋の中をただ歩き回る。 あまりの不安におかしくなってしまいそうになった時、玄関の開く音が聞こえた。 急いで玄関に向かうと、両手に一杯の荷物を抱えた彼女がいた。

2013-12-29 22:38:12
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(`ヽ´)【9】 「あ、ただいま。遅くなってゴメンね」 彼女の姿を見た途端、体中の力が抜けて、その場に崩れ落ちる。 「え? 忠義、どうしたの!」 慌てて駆け寄ってくる彼女に、 「遅い! どこまで買い物に行っとったんや!」 と、思わず怒鳴りつけてしまう。

2013-12-29 22:38:19
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(`ヽ´)【10】 「忠義…」 「俺、行かんて言うてないし!急がんて言うたやんか!何で、一人で行ったん!」 「…」 「それに、携帯! 何で繋がらへんの!遅くなるんやったら、連絡くらいくれてもええやん!」 「忠義、落ちついて」 「落ちついてなんかおられへん!どんだけ心配したと…」

2013-12-29 22:38:25
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(`ヽ´)【11】 そこまで言ったところで、もう何も言うことができず、目の前の体を抱きしめる。 帰ってきた… 何もなかった… やっぱり俺の心配しすぎやった… 良かった… 何か頭の中が真っ白になって、ただそんな事をボンヤリと考えながら、ただ抱きしめていた…

2013-12-29 22:38:31
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(`ヽ´)【12】 「ごめんなさい…」 俺の腕の中で彼女が呟く。 「携帯…いつの間にか電池が切れちゃってて…忠義、最近忙しかったから、起こしちゃうのも可哀想で…そんなに心配かけてると思わなくて…本当にごめんなさい…」 「…もう、ええよ…何もなかったんなら、もうええ…」

2013-12-29 22:38:38
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(`ヽ´)【13】 腕の中の確かな温もりを感じながら、しばらくそのままで居たけれど、 グゥ〜‼︎ 盛大に鳴り出す、腹の虫。 腕の中で笑い出す彼女。 彼女は、腕の中から抜けると、 「急いで、食事作るから。もう少し待ってて」 そう言って、再び荷物を抱えてキッチンに向かっていった。

2013-12-29 22:38:44
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(`ヽ´)【14】 二人で食事をして、二人で後片付けをして、二人でソファに座る。 時計の針は、もうすぐ日付が変わろうとしている。 俺、こんな風に二人でのんびりと一日過ごすつもりだったのに、どこで間違ったんだか… そんな事を考えていると、彼女がのぞき込んでくる。

2013-12-29 22:38:53
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(`ヽ´)【15】 「忠義…まだ怒ってる?」 「怒ってへんよ」 「本当に?」 「…怒ってへんて…怒っといて欲しいん?」 「そういうわけじゃ…」 そう言って、俯いてしまう。 「救急車が通って、急に不安になってん。お前が、もう帰ってこんのちゃうかな、て思った」 「え?」

2013-12-29 22:38:58
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(`ヽ´)【16】 「笑われるやろう思ってかけた電話も繋がらんで、もうどうしていいか分からんなってん…ゴメンな、いきなり怒鳴ってもうて…」 「ううん、大丈夫。でも、あんなに心配されるって思ってなかったから、ビックリした。だけど…嬉しかった」 「何で?」

2013-12-29 22:39:05
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(`ヽ´)【17】 「私、ちゃんと必要とされてるんだ、って思った。忠義の周りにはいろんな人がいて、何の取り柄もない私は、必要ないんじゃないかと思ってたから…」 ずっと俯いたままの彼女が小さく震え出し、膝に置いた手に涙が落ちる。 俺、いつの間に、彼女をこんなに不安にさせてたん…

2013-12-29 22:39:12
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(`ヽ´)【18】 彼女の肩に手を回して抱き寄せる。 「必要ないなんて思わんといて。○○がおるから、どんなに忙しくても頑張れるんやから。こうして一緒に並んでのんびりする時間を作るためなら、どんなにキツイスケジュールでもこなすことができんねんから。今日、改めてそう思い知らされたし」

2013-12-29 22:39:18
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(`ヽ´)【19】 「うん…本当に、ごめんね」 空いてる手を彼女の顎にかけ、顔を上げさせる。涙に濡れた瞼に頬に、何度もキスをして、最後に唇にキス。 だんだん深くなるそれに、一生懸命応える彼女が愛しくて、そのままで抱き上げると寝室へ移動する。

2013-12-29 22:39:24
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(`ヽ´)【20】 なんだかんだで残り少なくなった二人の時間を取り戻すように始まる、熱い時間。 唇で、指で、彼女の存在を確かめながら、一つになっていく…

2013-12-29 22:39:29