2013年のクリスマス

えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

【クリスマス・1】 世間は、クリスマスに浮かれている。 街は、赤と緑に彩られ、光があちこちに溢れている。 街中が、夢のように、幻想的に存在している。 そんな中、仕事に追われて、疲れ切った体を引きずって家路に着く私。クリスマスと言っても平日のこの日、仕事は待ってはくれない。

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【クリスマス・2】 今日も今日とて忙しく、年の瀬を迎えるこの時期、定時で仕事が終わるはずがなくて。 大切な彼も、今日は仕事で遅くなる。というか、今日中に終わらないかもしれないらしい。明日ももちろん仕事だから、結局クリスマスムードとは無縁の私たち…

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【クリスマス・3】 会えなくても、愛情が無くなってしまうわけではないのに。 彼の気持ちを疑ったことなんか一度もないのに。 何故か、妙に悔しくてイライラする。 そして、妙に悲しくて涙が出そうになる。 そんな複雑な思いを抱えたまま、華やかな街並みを早足で通り抜ける。

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【クリスマス・4】 ようやく騒がしい街並みを抜け、静かな住宅街に入る。 少し歩みが遅くなる。 そうすると、忙しくしていた間は感じる暇もなかった淋しさに、少しずつ支配されていく。 とびきりの笑顔を交わす恋人たちを見てしまったから。 見ないフリ、気づかないフリをしていたのに…

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【クリスマス・5】 会いたいな… その時、突然鳴り出したメロディー。ディスプレイに写し出されるのは愛しい人の名前。 だけど、電話に出ることができなかった。 今、電話に出たら、きっと泣いてしまう。泣きながら「会いたい」って口走ってしまう。彼に心配をかけてしまう…

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【クリスマス・6】 会えないことは仕方ないことなのに、優しすぎる彼は自分を責めてしまうかもしれない。 そんな事を考えているうちに、電話は切れ、もっと悲しくなってくる。 今日は、さっさと寝てしまおう。ゆっくり寝たら、きっと明日は元気になれる。 もう、何も考えずに寝てしまおう…

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【クリスマス・7】 「ただいま…」 誰もいないはずの部屋に向かって言ったつもりが、 「おかえり〜」 という返事が返ってきて、驚きの余り立ち尽くす。 今日は会えないはずの彼が、玄関に向かってくる。 「どうして…今日、遅くなるって…」 「うん？ 仕事、早よ終わったから、顔見にきてん」

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【クリスマス・8】 そう言って、とびきりの笑顔を見せる。 「仕事、大変そうやね。疲れた顔してる」 大きな手が私の頬を撫でる。 「大丈夫だよ。そっちこそ、忙しいのにわざわざ来てくれて」 「それは違うで」 「え？」 「俺が会いたかったから来たんや。会いたくて堪らんやったから、な」

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【クリスマス・9】 「…」 「お前は、会いたくなかった？」 「…会いたかった…会いたかったよ…っ…」 堪えきれずに流れ出す涙。 そんな私を 「ゴメンな…いつも我慢させてもうて」 と言って、抱き寄せる。 その温もりに触れて、ますます涙が止まらなくなってくる。

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【クリスマス・10】 「ありがとう…会いにきてくれて。もう、それだけでいい。これで、明日も頑張れる…」 「それやけどな…俺、明日休みになってん」 「え？」 「お前…明日、休めんよな…」 「休めないけど…休む」 「へ？」 「休むよ、仕事。だから…だから…」 「うん、一緒におるよ」

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【クリスマス・11】 抱きしめる腕を強くして、彼が耳元でささやく。 「…それにしても、ずる休みなんて、悪い社会人やな」 「…じゃあ、明日、仕事に行ってくるよ…待っててくれる？」 「行かせへんよ」 「え？って、わっ！」 いきなり抱き上げられて、そのままベッドに運ばれて…

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【クリスマス・12】 「せっかくのクリスマスやからな、恋人の時間を満喫させてもらうわ」 ベッドに降ろされた途端、始まる熱い時間。 聖なる夜に、幸せなひとときを… メリークリスマス♡