-
BRPOBYG_eighter
- 1300
- 0
- 0
- 0
-
- いいね！0
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・1】(ﾟﾚ゜)×彩夜 今日は、大切な彼の誕生日。 サプライズが大好きで、みんなの喜ぶ顔を見るのが大好きな貴方だから、今日くらいは、私が彼を喜ばせたい…のだけど、どんなプレゼントを送ればいいのか、何をしたらいいのか、そういう事が苦手な私は、分からない。
2014-05-09 21:28:54
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・2】(ﾟﾚ゜)×彩夜 もうずっと前から今日の日のために考えていたはずなのに、結局何も決まらないどころか、時計の針は無情に進み、こんな時間になってしまっていた。 大切な人なのに… もう二度と会えないと、会わないと決めて逃げ出した私を追いかけてくれた人。
2014-05-09 21:29:06
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・3】(ﾟﾚ゜)×彩夜 きっとたくさん傷つけて、たくさん哀しませて、それでも私を連れ戻してくれて、大きく包んで、今も側に居てくれる人。 この想いを、貴方が生まれたこの日に全て伝えたいのに、伝えられてないことが、もどかしくて、悔しくて、哀しくて…
2014-05-09 21:29:23
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・4】(ﾟﾚ゜)×彩夜 今日は、俺の誕生日…なんやけどな。 あいつ最近、ずっと難しい顔しとんねん。 何かをずっと考え込んでいて、俺が話しかけても気づかんことも。 何か悩みがあんのやろか？ 俺には言われへんこと？ そんなあいつが気になって、誕生日どころやなくて…
2014-05-09 21:29:33
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・5】(ﾟﾚ゜)×彩夜 大切な話、あんねんけど… そういえば…あいつが姿を消したあの頃も、こうやって何日も考え込んでた。 無理矢理の笑顔を作っていたけど、瞳の奥は哀しみに満ちていて… 何も知らんかった俺は、仕事の事で悩んでんのかな、って思っててん。
2014-05-09 21:29:47
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・6】(ﾟﾚ゜)×彩夜 そのうち時間をとって、美味しいものでも食べに行って、ゆっくり話を聞いたろ、ぐらいにしか思ってなかった。 あの朝、目覚めて、あいつが俺の腕の中におらんで。こんな事は、今までにも何回もあったはずやのに、妙に気になって不安で。
2014-05-09 21:30:03
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・7】(ﾟﾚ゜)×彩夜 その不安は見事に的中して、一切連絡が取れんようになって、何処に行ったか分からんで… 本当のことを知った時には、何で気付いてやれんかったのか、のんびりしていた自分にも、何も言ってくれんやったあいつにも腹が立った。 今でも心が痛む…
2014-05-09 21:30:13
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・8】(ﾟﾚ゜)×彩夜 また、何か言われたんかな… もう二度とあんな事にならん様に、準備してきてんけど。 それとも… いやいや、弱気になんな、俺！ あの時ちゃんと決めたやろ！ 話を聞かな、今、この時に。 あいつを泣かせたまま行かせないように…
2014-05-09 21:30:23
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・9】(ﾟﾚ゜)×彩夜 焦れば焦るほど、何も浮かばなくて、想いだけが空回りする。 仕事帰りに、彼の部屋に行くことになっているのに、このままじゃ間に合わない… 会社を出て、街を彷徨ってみる。 店のショーウィンドウを目を皿のようにして探しても、見つからない…
2014-05-09 21:30:34
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・10】(ﾟﾚ゜)×彩夜 時間だけは刻々と過ぎていく。 会いたいのに会えない。このままで会うわけにいかない。 メールの着信音に携帯を見ると、彼からで “仕事終わった？急がんでもええけど、どんなに遅くなってもええから、絶対来てや。待ってんで” …どうしよう。
2014-05-09 21:30:44
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・11】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「いらっしゃい、ってどうしたの？今日は、会う約束してたんでしょう？」 悩んだ末に、私は行きつけの店に入った。ここに来たら何かが見つかりそうな気がして… 「姉さん…」 でも、顔を見たら、自分が情けなくて涙が出てきて、何も言えなくなった。
2014-05-09 21:30:53
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・12】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「彩夜ちゃん…ケンカしたの？」 首を横に振る。 「何か…あったの？」 「何も…ない…何もないから、どうしていいのか分からない…」 「横山さん、呼ぼうか？」 「ダメ…今は、会えない。会っちゃいけないの…」 「彩夜ちゃん？」
2014-05-09 21:31:02
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・13】(ﾟﾚ゜)×彩夜 神様は意地悪だ… 今日がどれだけ大切な日か知ってるくせに… ちょっとくらい助けてくれてもいいのに… 泣いててもしょうがない、って分かってるのに涙は止まらず、ただ黙って泣き続ける。 涙が流れていくたびに、彼の笑顔が遠ざかる気がしながら…
2014-05-09 21:31:12
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・14】(ﾟﾚ゜)×彩夜 遅いなあ… あいつの仕事、こんな忙しかったっけ？いくらGW明け言うてもな…連絡なしにここまで遅くなることないと思うんやけど。メールも返って来ぃへんし… もっかい送ってみようか。それとも電話してみる？でも、急かしてる思われてもな…
2014-05-09 21:31:22
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・15】(ﾟﾚ゜)×彩夜 さんざん迷った挙句、電話をかけてみる。電源は…切れてへんな…でも、やっぱり繋がらん。 ふと、あの時のことが蘇る。かけたと同時に繰り返される冷たいメッセージに感じた恐怖を。何でだか、迎えに行かないかん気がした。ここに来るはずの人やのに…
2014-05-09 21:31:31
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・16】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「電話、鳴ってるよ…出ないの？」 「…」 「朱、今日は…うわっ！何でお前がここにおんねん！」 「すばる…」 「すばるさん…」 「ヨコ、待っとんのやろ？早よ行ったれや」 「あ、それ言ったら…」 「は？え？おい、何で泣くん？おいって…」
2014-05-09 21:31:39
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・17】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「プレゼントが…」 「は？」 「決まらないの…どうしたらいいのか、分からない…っ」 「はあ？何かと思えば…アホらし。そんなもん、あんたからやったら何でも喜ぶやろ」 「何でもよくない…から…悩んでんのに…っ」 「自分にリボン結べば〜？」
2014-05-09 21:31:49
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・18】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「ふざけないで！」 「…別に、ふざけてへんし。あいつが一番欲しいもん、それやし」 「どういうことですか？」 「そんなん、ヨコに聞いたらええやん」 そう言って、ポケットから携帯を取り出す。 「もしもし？あんな…大っきい忘れもんおんねん…
2014-05-09 21:31:59
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・19】(ﾟﾚ゜)×彩夜 着信音が鳴り響く。 あいつからかと思って出てみると、 “もしもし？” 「すばる？」 “おん” 「何？どうしたん？」 “あんな…大っきい忘れもんおんねん” 「忘れもの？」 “うっとうしぃして堪らん。取りに来てや” 「はあ？何で？」
2014-05-09 21:32:07
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・20】(ﾟﾚ゜)×彩夜 “おまえの一番大切なもんやから” 俺の一番大切なもん？ って、まさか… 「今、何処におんのん？」 “朱んとこ” 「分かった。すぐ行く」 電話を切ると、一目散に部屋を飛び出す。 何で、そんなとこにおんの？ 何で？どうして？
2014-05-09 21:32:19
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・21】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「すばるさん…今のもしかして…？」 「他に誰がおんねん」 「え？ちょっと…え？どうしよう…」 「逃げんなよ」 「え？」 その言葉に振り返ると、すばるさんは、こっちをジッと見ていた。 「それは、どういう…」 「そのままの意味や」
2014-05-09 21:32:26
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・22】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「あんたがおらんなった時、ヨコがどれだけ苦しんだ思うてん。何度も携帯開いて、つながるはずない番号に電話しては、大きいため息ついて。『あいつ泣かせたまま行かせてしもた。俺のせいや』って。絶対連れ戻す言うて、あちこちに頭下げて回って」
2014-05-09 21:32:37
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・23】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「…」 「仕事で出かけた先で、車の中から目を皿のようにして人混みを見つめてて。あんたは、悲劇のヒロインみたいに、自分が一番辛かった思ってんのかも知らんけど、何も言わんと消えられて、残された方の気持ち、考えたことあるんか？」
2014-05-09 21:32:46
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・24】(ﾟﾚ゜)×彩夜 「すばる…ちょっと言い過ぎ」 「考えてるんやったら、こんなとこで、そんなつまらん事悩んどらんで、直接本人に言うたらええやん。そんなにあいつ振り回すんが楽しいんか？甘えんのもええ加減にせえ！」 「…すばる、もうええから。ありがとな」
2014-05-09 21:32:54
えいと@ぱられるわあるど
@BRPOBYG_eighter
【最悪のバースデー？・25】(ﾟﾚ゜)×彩夜 いつの間にか、息を切らせた侯隆が立っていた。 「…帰ろう」 そう言って、差し出された手をただ見つめる。 すると、私の手を強引に握ると、 「すんません、今度、またゆっくり寄らせてもらいます」 と挨拶して、私の手を引いて店を出た。
2014-05-09 21:33:04