- sakakiyukino
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半分ぐらい過ぎたところだけど、面の話が出て来たところで気づいた。これ、聖徳太子伝説が虚実入り混じってあっちこっちにありえんぐらいあるのを回収してるのか!
2017-10-29 16:25:26阿吹屋さんの「ひゃくまんかいいきたみこ」を読んだ。神霊廟の過去編小説。これはなんというか、新しい形での切り口だなあ、というのが一番の印象。
2017-10-29 17:25:58正直に言うと、締め方や全体のボリュームに若干の物足りなさがある。でもそれが、作者の落ち度とか怠惰によるものじゃなく、狙ったものだとはっきり分かるから難しい。
2017-10-29 17:28:26これは神霊廟過去編小説史(なんだそれ)の中で語られる作品なんだよね。いわゆる、東方世界の聖徳太子という人物を描くものではなく、豊聡耳神子があることを前提にして作られているというか。神霊廟過去編で語られるべきであろう聖徳太子の事跡が意図的にオミットあるいは軽量化されている
2017-10-29 17:31:00皇子が死に、神子になって行く過程。神子の価値観と、在り方。仏教への向き合い方。そういうのと向き合うことに全力を注いで、史実なり伝説なりをあえて書かないという選択ができるというのは、本当にすごいことだと思う。ある意味では、もっとも「東方神霊廟の豊聡耳神子」と誠実に向き合っている
2017-10-29 17:34:26だから読後に感じる物足りなさというのは、期待ハズレから来るものじゃないんだよな。この作者がここの部分を書いたらどうなるのか見たかった、という感情。作者はあらゆるエピソードを網羅しているはずなんだよ。書けるはずなんだよ。でも、あえて書かないという選択をしたからこそなんだよね。
2017-10-29 17:37:39手前みそになるけど、歴史書書いた時の「太子の前半生はみんなもう書いてるし、だったら終わり際と死後を書こう」のさらに先を行ったお話なんだろうと思いました。だからこその究極のクローズ。なんなら、皇子の内面以外が描かれたところはすべて贅肉なのかもしれない。
2017-10-29 17:40:44総評としては、怪作という感じでした。書かれた経緯的なのをおぼろげに聞きかじりつつ、だからこそ「そこからこれができんの!?」という驚きがあった。誘惑を断つ自己解釈の強度が強すぎる……大変にワクワク読み進められました。
2017-10-29 17:43:58大事なことを言い忘れたが、サラリと流す物事が多い中で的確にブチ込まれるみことじセックス、あまりにも刀自古らしさが溢れていて最高だったし、あそこだけ時空が違った(
2017-10-29 17:57:21未完になったり、やたら分厚かったり、ホモだったり、レズだったり、史実あらねば人にあらずだったり(個人の印象です)が多い中で、このコンパクトさはほんと意志が強くてパワーだよな……
2017-10-29 18:06:19