烏賀陽弘道氏( @hirougaya )の語る、報道人への問いかけ
- masa_mitsu
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ぼくがいつもきっついことばかり書いているので不愉快でしょう。でも許してほしい。ぼくらがいま目撃している事件は、まちがいなく戦争級のクライシスであり、ぼくらは「最終選考」を受けている。もう読者は「次はもっとましな仕事をします」という弁解を許してはくれない。
2011-04-01 05:26:32ぼくはいま考えている。もう改革の意思も能力も失って、定年までの年数を指折り数え、いまを、会社員人生をやり過ごすことだけを考えている愚劣な人々は、もうぼくの呼びかけを聞いてくれなくていいと。
2011-04-01 05:28:38ぼくは呼びかけている。「おれは(私は)こんな仕事をするために報道の仕事に就いたのではない」といま身を焼かれるような思いを抱えている一人ひとりに。
2011-04-01 05:29:22会社員人生はいつか終わる。しかし報道の仕事はその先も続く。君の勤務先はいつか消える。しかし権力や市民はまだこの先もずっと残る。
2011-04-01 05:30:15君たちがいま勤務している企業の都合など、報道、市民、権力、権利、民主主義の原理や原則とは、何の関係もないのだ。そのことを思い出してほしい。
2011-04-01 05:31:20ぼくはまったく途方に暮れている。この国で「報道機関」を名乗る企業の多くが、なぜ、かくも遠く、市民の権利や民主主義の原則から離れてしまったのか。
2011-04-01 05:33:14いままで断定するのにためらいがあったが、3.11クライシス報道の毎日で、ぼくは確信した。この国の「報道」を自称する企業の大半は、行き先を間違えた船だ。
2011-04-01 05:34:37その船はあまりに遠く、あまりに見当違いな方向に進んでいるので、声をかけることすら無力に思える。声をからして叫んでも、声が届かないと思えて、身がすくむのだ。
2011-04-01 05:37:16いま周囲を見回してごらん。ぼくの経験が今も生きているなら、君の周囲の先輩、上司、同僚、後輩の大半はもう、諦めきっている。船の行き先を変えることをためらっているうちに、3月11日が来てしまった。もう彼らに期待してはいけない。
2011-04-01 05:38:40こうした集団の中で、正気を失わないためには、君はおそろしく組織の掟に反することをしなくてはいけないかもしれない。その勇気がなくても別にかまわない。君を誰も責めない。
2011-04-01 05:40:29けさ目覚めて取材先に向かい、内勤席に着席する前に、思い出してほしい。考えてほしい。ぼくらの仕事は100年後も残るのだ。その試練に、その仕事は耐えるのか?と。
2011-04-01 05:42:02ぼくに賛同のメールなどくれなくてもいい。昨日とは違う記事を書けば、昨日とはちがう仕事をしてくれればいい。ぼくのためではなく、市民や権力を持たない人から見て「ましな」記事を。
2011-04-01 05:43:42おそらく、警察官でも役人でもない人々とはしばらく話していないのではないか。年収300万円以下で暮らす人々は君と苦しみを分かち合う友人にはいないのではないか。
2011-04-01 05:44:41そんな記事を紙面や誌面で記事を見つけたら、テレビやラジオの片隅に見つけたら、あなたにはぼくの声が届いたのだと思うことにしましょう。
2011-04-01 05:51:04