NTRビデオレターをもらい続けて嘆く青年の話

帽子男 @alkali_acid

転居するがまたNTRビデオレターが届く。

帽子男 @alkali_acid

今度は母親だという人妻女性からのものになっている。美人。でもうちの母は何年も前に骨肉腫で他界している…

帽子男 @alkali_acid

「警察に調べてもらったんですが…結局よく分からないと」

帽子男 @alkali_acid

妹が（非実在）、幼馴染が（非実在）、姉が（非実在）、叔母が（非実在）次々と寝取られていく。 みんなすごい美人なのだ。そして被虐に震えて凄艶なのだ。だが…知らない…誰ひとり知らない…

帽子男 @alkali_acid

「父さん。俺記憶喪失とかそういうのになってないよな」 「なんだ急に」 「母さんは…生きてないよな…」 「ああ」 「美人じゃなかったよな」 「いや美人だったよ」 「ああうんそうだったごめん父さんはそう言うよね」

帽子男 @alkali_acid

分からない。いったいこの間男は何を伝えようとしているのだ…もしかしたら何か意味があるのか…。

帽子男 @alkali_acid

ただNTRビデオレターは届き続ける。 なんかもうヒロイン達が集団でエロエロされてるフィナーレ展開になってきた。ボテ腹とかピアスとかもあるしもうすごい。 でもまったく乗り切れない…だって…知らない人たちだから…。

帽子男 @alkali_acid

「誰なんだ！なぜ俺にNTRビデオレターを届けるんだ！もうやめてくれ！！頼む！！勘弁してくれ…」

帽子男 @alkali_acid

ある日NTRビデオレターは止まった。

帽子男 @alkali_acid

「よかった…よかっ…」

帽子男 @alkali_acid

別のビデオレターが届く。家族ムービーだ。 幼い娘が撮影者を見上げている。娘は自分の名前を呼ぶ。 「は？」 娘が成長していく。小中高専門学校そして会社員。

帽子男 @alkali_acid

またNTRが始まる。 「俺まだ学生なんだけど！？」

帽子男 @alkali_acid

孫が、ひ孫が、玄孫が…またNTRていく。 まるでサーガ。

帽子男 @alkali_acid

文明が崩壊した世界で寝取られる遠い子孫の娘。 「わかんねーよ！耳とかとがってんじゃん！！なんでご先祖様の俺の名前呼ぶんだよ！」

帽子男 @alkali_acid

「どうしたらいいのか」 「待てよ…もしこのペースでNTRビデオレターが届き続ければ…お前は…宇宙の終わりをその目で目撃することができるかもしれないんだぞ！？」 「宇宙の…終わりを…」

帽子男 @alkali_acid

遠い未来。熱的死を迎えつつある宇宙で、彼の情報ミームを宿した最後の超空間知性体が寝取られようとしていた。

帽子男 @alkali_acid

「時空を超えて…送るのだ…お前につらなる…すべての存在の…NTR記録を…始祖たる男のもとへ」 「ひゃい…異次元高次統制体しゃまあぁ」

帽子男 @alkali_acid

「そうか…そういうことだったのか…あの宇宙で…俺のミームを持つ超空間知性体が…俺に…因果律を超えてすべてのNTRビデオレターを」

帽子男 @alkali_acid

「だがやはりこれは、俺の所属する時空連続体とは別の…俺のもとに届くはずだったんだな…」

帽子男 @alkali_acid

男はひとり涙した。遠い未来。すべてのものが終焉に向かっていく宇宙で、ただひとつの意思あるものとして孤独に寝取られゆく超空間知性体を想って。