真黒の「アクタージュ」チラ裏二次創作

真黒コスモス @magrocosmos

勢いに任せて酷い黒歴史を作ってしまったのですが、心の黒山監督が「出してこい」と言ってくるので、本日夜ひっそり投稿します。 pic.twitter.com/e1ov3ogyii

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………変わった子だな、とは思っていた。 しかし今味わっているのは、これまで以上の困惑だった。 「ねえ千世子ちゃん、エッチしていい？」 ……この子は何を言っているのだろう。事後のことである。

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【千夜・一夜・物語】

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ーーーーーーーーーーーーーーー 「千世子ちゃんを、どうしたら喜ばせてあげられると思う？」 「……どないしたん、夜凪ちゃん？」 「…あんなに息苦しそうな千世子ちゃんを、何とか喜ばせたいなと思って…。」 「優しいなぁ夜凪ちゃん…けどゴメン、思いつかんわ…贈り物とかかなぁ」

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「今更“天使”に何贈っても喜ばれないでしょ」 「なんや真咲ちゃん、女子トークに入ってこんといてーな」 「何を贈るかは重要ではない！重要なのは心だ！そうだろう、夜凪？」 「…武光くん。」

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「しかし俺たちだけで考えるのにも限界がある！俺たちは“役者”としての千世子しか知らないのだからな！」 「…じゃあ、どうすれば…」 「簡単なことだ！尋ねればいい！」 「…千世子ちゃんに？でも千世子ちゃん近寄りがたくて…」 「ならば周りだ！スターズの役者なら、彼女を深く知る者もいるだろう」

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「いや急に聞いて答えてくれんのかよ。だいたい聞いてすぐ用意できるかどうかわかんねぇし」 「でも今のところ名案やと思うで？試してみる？夜凪ちゃん」 「…うん。みんなありがとう」

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「千世子さんへの贈り物ですか？うーん…ファンレターも贈り物もどっさり届いてるんですけど…スイマセン！本人が何を喜んでいるかは…」「…残念ながら私もさっぱりだ。スターズに入って日が浅く、彼女の素顔について知ることは少ない」 「………どうすればよいのかしら」

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「千世子を喜ばせる方法？俺様自慢の“テクニック”でイチコロだな」「……どういう意味？」「わかるだろ？“コレ”」だよ」(ｸｲｯｸｲｯ 「……竜悟さん、サイテーですよ」「和歌月、今度試してやろうか？」「訴えますよ」 「………”テクニック“………」

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「おい真剣な顔になっちまったぞ」「竜悟さん責任とってくださいね」「おい待て夜凪！おい！」「めちゃくちゃなスピードで走って行きましたね。綺麗なフォームで」

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ーーーー「それ」については知っていた。昔見た映画の多く(特に本棚の奥に置いてあったもの)には「それ」が映っていたからだ。あの時のヒロイン達の表情。確かにこれなら、千世子ちゃんを喜ばせることができるのかもしれない。

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「……ドキドキするわ、私“そういうこと”したことないから」ーーー未体験の「それ」に対する恐怖心はありつつも、内心では「自分を知ること」や千世子を喜ばせることへの期待でいっぱいであった。

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(コンコン) 「…ハイ。どうしたの？夜凪さん」 「…千世子ちゃん、入ってもいい？」 「ーーーもう、入ってるね」 「…千世子ちゃん、私考えたの」「…何を？」 「千世子ちゃんを…喜ばせてあげたくて」

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「それは…私が可哀想だから？」 「…うん、そうだと思う。でも…撮影が続けられるのは、千世子ちゃんのおかげだから。お礼がしたくて」 「…ごめんね。私疲れてるから」 「……千世子ちゃん！」「夜凪さん。ごめ…」 ーーーーつぎの瞬間、私は床の上に押し倒されていた。

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ーーあの子の中から尋常ではない感情が溢れ出しそうになっていること、その感情が自分に向けられていることは視線からわかっていた。しかし……やはり油断ならない子だな。この子は…

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ーー彼女の目は、表情は、常軌を逸していた。しかし、タガの外れた獣のような行動でありながら…その実、彼女のしぐさは……『初めて』のそれではなかった。

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ーーわかっているよ夜凪さん。あなたが心の底から私を悦ばせようとしていること。そこに何の下心もないこと。だって、あなたは…周りからどう思われるかなんて、気にしないのだから。

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どうして…… どうして…こんなにも… こんなにも…あなたはただ、綺麗でいられるの……？ 夜凪景は悲しかった。千世子を喜ばせることのできない自分に、腹が立った。そしてーーー当惑していた。 千世子ちゃんには本当に……感情がないのかな？

真黒コスモス @magrocosmos

ーーーーーーーーー …さて、困ったことになった。このことを周りにどう説明すればいい？撮影は？いや、そもそも映画の公開自体が危ういのではないだろうか。それだけは何としてでも避けたかった。しかしそれはーーー後で「まとめあげれば」済む話で、それならばーーー

真黒コスモス @magrocosmos

「………喰わせないよ、夜凪さん。私を“壊して”くれるんでしょう？」 「…………！！」 「まだまだ、こんなのじゃ、足りないよ」 「………千世子ちゃん。私、がんばるから…」

真黒コスモス @magrocosmos

ーーーあとのことは覚えていない。ただ、孤島を吹き荒れるこの嵐にも負けないくらいの獰猛さで、お互いを貪り尽くすように……私たちは………

真黒コスモス @magrocosmos

……原作が少年誌で良かったね、夜凪さん。これが青年誌なら私たちはーーーカメラの前で「これ」を演じることになっていたかもしれない。極限状況の二人、嵐の中……。我ながら、酷いホン書きだ。あまりに安っぽく、あざとい。

真黒コスモス @magrocosmos

……さて、そろそろ朝だ。この子を起こして、これからのことを相談しなければ………。 「………千世子ちゃん…………」 「起きてたの、夜凪さん」 「………あのね………………」 寝惚けてるのか、惚けているのか。随分と虚ろな声だ。

真黒コスモス @magrocosmos

「………エッチ、していい………？」 ……………本当にこの子は何を言っているんだろう。困惑しつつも、あどけない横顔に微笑みながら、私は返す。