三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

翔DMWL @shoDMWL

「その人間の本質って、たいがい第一印象通りのものでしょう。親しくなったら、その分相手をよく知ることができる、というわけでもない。人は、言葉や態度でいくらでも自分を装う生き物だからね」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「黙っていれば、相手は自分によって都合のいい理由を、勝手に想像してくれるのにさ」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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多田は、雪のなかで何時間も過ごしたがる行天に、少しの憐れみを感じた。同時に、憐れみと軽蔑は紙一重の感情であることに気がついた。その軽蔑は、行天に反射して自分自身に帰ってくる類のものだ。－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「誰かに必要とされるってことは、誰かの希望になるってことだ」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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一度断ち切られたものが、元通りになどなるわけがない。－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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子どもたちは、親の愛情と保護を待っている。この世にそれしか食べ物がないかのように、いつも腹をすかして貪欲に求めている。それなのに、彼らに与えられるものは少ない。行天も、由良の母親も、自分の子供をいないもののように扱い、ろくに注意を払おうとしていないように見える。－三浦しをん「まほ

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「だけど、まだ誰かを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、お前は新しく誰かに与えることができるんだ。そのチャンスは残されてる」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「はるのおかげで、私たちは初めて知ることができました。愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「誰かに助けを求めることができたら、と思ったことがあったからだ。近しい人じゃなく、気軽に相談したり頼んだりできる遠い存在のほうが、救いになることもあるのかもしれないと」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「それができないから、便利屋に依頼するんでしょ。強く迫られると、いやなものをいやと言えない性格の人っているからねえ」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「知ってしまったら、もうもとには戻れない」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはないと思う。どこで踏みとどまるかは北村クンが決めることだ」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「自分と同じ苦しみを体験した人がいる。それを知ることは、救いにはならないかな」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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本当に妻を信じているのなら、そんなことばは発さなければいい。友人の戯言と聞き流し、その話題には永遠に触れずにおけばいい。多田は、自分のなかで芽生えた疑念に負けたのだ。－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「悪意がなかったからといって、罪ではないということにはならない」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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「傷はふさがってるでしょ。確かに小指だけいつも他よりちょっと冷たいけど、こすってれば、じきに温もってくる。全てが元通りとはいかなくても、修復することはできる」－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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知ろうとせず、求めようとせず、誰とも交わらぬことを安寧と見間違えたまま、臆病に生きをするだけの日々を送るところだった。－三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

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まほろ駅前多田便利軒（三浦しをん）読了。便利屋多田と元同級生行天が織りなすドタバタストーリー。随所に挟み込まれている人間関係について考えさせられる至言が、物語に深みを与えています。 #mybooklist