鶏さんと梟さんが平坂獣高のリングを見に来たようです。

フろうさんがうちの子入りでギャグSS書いて下さいました!ありがとうございます!
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クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr これは何の悪戯か、幾重もの偶然が重なり奇妙な縁が今出来上がる…… 「また変わった学校だな……」 「はい……」 二人並んで呆然とする天照路先生に朝桜先生 二人はそれぞれ自分の学校の代表としてとある高校に出張見学として共に回ってはみたが……

2018-07-13 22:40:08
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「何故皆、褌着用してるんだ?」 「私に聞かれましても……」 勿論二人に答えがわかる訳もなく、目に映るのは露出の高い褌の雄ケモばかりであった。 「しかもどういう訳か結構年をめされた生徒もいますよね」 「うむ、例えば……」 首肯く天照路先生に続いて朝桜先生も校舎のグラウンドを見る

2018-07-13 22:42:41
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 何故か中心にプロレス用のリングが設営されており、一人の鳥人がそこで何かしら技の練習をしていた 「これは……さすがに部外者といえども注意が必要だな」 「あっ、天照路先生?」 指導が必要と見かねた天照路先生がリングへと近づいていくと心配になった朝桜先生も後に続く

2018-07-13 22:45:26
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「おい!そこの生徒!?」 「ん?」 ハッキリとした声で掛けるとリングの鳥人も自主トレを中断して天照路先生を向く ちなみに何故生徒か疑問系だったかは、この鳥人が控えめに見ても10代には見えなかったからである 「お前ここの生徒で間違いないな!?」 「ああ、そういうアンタは……入部希望者?」

2018-07-13 22:48:16
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「違うわ!!」 「じゃあ部の顧問になってくれるのか?」 「そもそも部外者だ儂は!!」 「なんだよ……何か用か?」 つまらなそうに返す鳥人に天照路先生はグッと怒りを堪えて続ける 「まずお前、学年に名前は!」 「……潮ヶ島珊瑚、二年だけど」 「そうか潮ヶ島というのか、今授業中のはずだが?」

2018-07-13 22:52:42
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「ああ、それはわかっちゃいるが何だか無性に身体を動かしたくてな……それにこうしてグラウンドの中心で活動すればプロレスのいい宣伝になるだろう」 「まあ、合理的かもしれませんけども……」 納得しかける朝桜先生ではあるが、片方はそうはいかないようだ 「そんな理窟で授業をサボるな!!」

2018-07-13 22:55:22
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 教師として最もな言い分、しかし鳥人こと珊瑚は不満そうに口を尖らせる 「……いいのか?俺にそんな口をきいて、後で後悔するぞ絶対」 含みのある言い方をしては何故かその場から撤退した珊瑚 「あ、待て!リングを片付けてから戻らんか!!」 しかしその声は届かず珊瑚の姿は見えなくなってしまった

2018-07-13 22:58:22
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「全く!なんなんだあの生徒……?……は!」 「まだ疑問系ですか……ところでリングどうしましょう?」 途方に暮れている二人、とりあえず他の先生方から何とかしてもらおうとするのだが…… 『そこの鶏に梟!!神聖なリングに触れるな!!』 「?!」 「な、なんだ!?」

2018-07-13 23:01:59
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 急にマイクを使った大音量ボイスに二人は驚き辺りを見渡す 「あっ、あそこに!」 何かを見つけただろう朝桜先生が部室棟側を指すと、そこに奴は居た。 手にはマイクを握り顔はマスクで隠し派手な衣装をその筋肉質な身体に纏う謎の覆面レスラー その覆面レスラーが一歩ずつ近づいてくる

2018-07-13 23:05:56
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「我こそは地獄の復讐代行人、人呼んでマスカラ・コンド……!」 「何ふざけとるんだお前は!!」 「あっ!?」 ポーズを取りながら口上を述べている最中だというのに強引に覆面を外してしまった天照路先生 その正体は珊瑚でありそれは二人も予想していた 「天照路先生そこは少しノッてあげた方が…」

2018-07-13 23:11:42
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 申し訳なさそうな朝桜先生はハラハラと二人を見渡しているが、そんなの関係ないといわんばかりに鼻息ならしてソッポを向く天照路先生 一方の珊瑚はというと、自主トレを邪魔されたばかりか折角決めようとしたキャラクターまで潰され、さすがに我慢の限界だったようだ 「おのれよくも!!」

2018-07-13 23:14:52
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「ぬあっ!?」 珊瑚が天照路先生につかみかかると、その重量級の身体を持ち上げてリングへと放り込み、自身もリングに続く 「ふ、二人とも!?」 突然の事にギョッとする朝桜先生であったが遅かった 「邪魔をするばかりか俺の正体を軽々とバラしやがって、お前には俺がプロレスの良さを教えてやる!」

2018-07-13 23:18:13
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「なんでそうなる!?や、やめ!アダダダダダ!!」 無理矢理に天照路先生を俯せに寝かせた珊瑚は、その上に乗り顎へと両手を回しては目一杯引き上げる キャメルクラッチが見事に決り激痛に苛む天照路先生がリングの中心で悲鳴をあげる 抵抗したい天照路先生だが、相手は本職、逃げる隙はなかった

2018-07-13 23:21:51
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr それでも助けは身近にいた 「もう止しなさいっ!」 さすがに黙っていられなくなった朝桜先生がリングに乱入、技を決めてる珊瑚へと接近しつかみかかると空へと放り投げた 「なにっ?!」 一瞬、珊瑚には何が起こったのかわからなかった まさか自分が、あんな自身よりも小さい相手に投げられるなんて

2018-07-13 23:24:45
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr しかも投げる動作までわからず、まるで風に巻き込まれたようにフワリと身体が浮いて飛んだのだから驚くばかりだった それでも投げられたと自覚した珊瑚はリングでしっかり受け身を取ってみせる 「大丈夫ですか天照路先生!」 「お、おぉ……何とか……」 ほぼ瀕死に近い天照路先生を朝桜先生は心配する

2018-07-13 23:27:16
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr そんな二人に珊瑚は近づくと声をかける 「なあ、アンタ……」 「…ホ?」 声をかけられたのが朝桜先生だと知ると本人は梟らしく顔を真横に傾げる もしや襲い掛かるのではないかと警戒するのだが、 「スゴい強いじゃねえか!見直したぞ!!」 「ほぇっ!?あ、そ、それはどうも……?」

2018-07-13 23:30:35
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 熱のこもった反応に朝桜先生は圧されると構わず珊瑚は続ける 「柔道とは違ったよな今の投げは!あんなのは初めてだ!」 「は、はあ……」 「これはもしかしたら……うん、いける!いけるぞ!!」 「……え、何がで…わあっ!?」 嫌な予感がしておそるおそると聞こうとするも正面から肩を強く掴まれる

2018-07-13 23:34:16
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「なあアンタ!俺もコンビ組もう!!アンタのその投げっぷり、プロレスに生かせる!!」 「え、えええぇ!?いえいえ私は!」 「大丈夫!俺より小さいし正直デブで顔も妙に可愛いが、ヒールの俺と対称的という設定ならやれる!!」 「いや、私は別にそういう心配をしてる訳では!」

2018-07-13 23:37:01
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「よぉし!そうと決まればアンタもここの生徒になろう!まずは転入届けを……」 「いや、だから……そもそも私は教師ですからー!!」 ラチがあかないと朝桜先生はついにリングから降りて逃げ出す それを追いかけ回す珊瑚であったが、一人忘れているのが

2018-07-13 23:38:57
クグイ @CuguiFrou

@MAKAIRAmzr 「お、おぉい……誰か、儂を医務室に……」 リングの中心でいまだに倒れている天照路先生は助けを呼んで見せるが聞いてくれる存在は何処にも居なかった こうして、鶏に梟、そしてミサゴの奇妙な三鳥人の邂逅は幕を閉じるのだった━━……

2018-07-13 23:41:19