ニンジャスレイヤー二次創作 『ザ・ナイツ・オブ・ガンズ・アンド・アイリス』 #2
#NJSLYR_Fanzine (保険代理店に勤務する平凡なサラリマン、マキタ=サンは、気まぐれに立ちよった辻占い師の屋台で女難の相が出ていると告げられる)
2011-04-19 03:16:46#NJSLYR_Fanzine (しょせんはオカルト・スパスティシャスだと、失望しながら家路についた彼を待っていたのは、自室のドアの前で血まみれになって倒れているクノイチであった……)
2011-04-19 03:17:54#NJSLYR_Fanzine マキタ=サンが生クリームタコヤキの洗礼を受ける夜から、さかのぼること数日前。ハイスクールで軟式オテダマ部に所属する女子高生アヤメ・ミドは、放課後の練習を終え、アイスクリン・スタンドでの買い食いを経て、自宅のドアにカードキーを差し込んだ。
2011-04-19 03:20:41#NJSLYR_Fanzine 母親がパートタイムの夜勤から戻るのは朝方だし、兄弟姉妹はいない。トーフ工場の暴動で父親を亡くして以来数か月、無人の家に向かってタダイマを言うのが、彼女の日課になっていた。
2011-04-19 03:22:14#NJSLYR_Fanzine テーブルの上に母親が残していってくれたレトルト・パックの夕食を食べ(今日はシラス・ドリアだった)、自室に戻ったアヤメは、軟式オテダマ部で使用するユニフォームやラケットが入ったバッグを部屋の隅に置くと、IRC端末のスイッチを入れた。
2011-04-19 03:24:13#NJSLYR_Fanzineクライアントが起動すると共に、いつものチャンネルに入る。チャンネル名は #NSHG_2NEN。女子高生たちのたまり場だ。
2011-04-19 03:24:58#NJSLYR_Fanzine #NSHG_2NEN:Ayame:こんばんわ #NSHG_2NEN:Nanao:こんばんわ、アヤメ=チャン
2011-04-19 03:26:01#NJSLYR_Fanzineアイサツを返してくれるのは親友のナナオだけ。もっとも、何十人にも上る入室者が返していたらログがメイルストロームに流されてしまうので、多人数接続時のアイサツには返事をしなくてもシツレイにはあたらない、という暗黙の了解がこのチャンネルにも存在した。
2011-04-19 03:27:16#NJSLYR_Fanzine『誰それがカレシ=サンと別れた』『美肌に実際よく効くサプリメントは』『ウッソ、マッジ!?』『昨日観たカブキ・ドラマのイケメン女形が』『カニゾーチョーサイコー』『風呂にバリキドリンク1本入れとき』
2011-04-19 03:29:02#NJSLYR_Fanzineヤミナベめいた混沌の中から、女子高生たちは自分好みの話題を抽出し、レスポンスしてゆく。その程度の芸当は、電子ネットワークの申し子たる若い世代にはオチャノコサイサイであった。
2011-04-19 03:29:56#NJSLYR_Fanzine無秩序に誰も彼もが喋っているように見えるIRCチャットであるが、話の輪を注意深く見極めてゆくと、常に2人の人物がその中心に居る。
2011-04-19 03:31:04#NJSLYR_Fanzineひとりは、ルリエ(ハンドルネーム:Kawaii_Ruriruri)。女子コッポ部主将にして、泣く子も黙るスケバン。もうひとりは、ニチカ(ハンドルネーム:Nichika_Iincho)。クラス委員長にして、定期テストでは首席常連の秀才。
2011-04-19 03:33:00#NJSLYR_Fanzineガクエンものカブキ・ドラマなら、対照的な2人はウナギとウメボシのごとき険悪な仲のはずだが、ルリエとニチカはゴキンジョ=サンであり、子供のころからの付き合いだという話だ。力と知のトップ同士が組んでしまえば、もう向かう所敵は無い。
2011-04-19 03:34:09#NJSLYR_Fanzine女子高生たちは、ネオサイタマの流行の最先端だ。彼女らがカワイイという物がネオサイタマのトレンドを作り出し、彼女らの間でダサいと断じられたものはアサッテを向かれてしまう。
2011-04-19 03:35:51#NJSLYR_FanzineこのIRCチャットにしても、実質、ルリエとニチカに対する忠誠を確認するためのオシラスである。理由も無く顔を出さなかった、ただそれだけで、翌日のハイスクールでは恐怖のムラハチが待っているのだから。コワイ!
2011-04-19 03:36:41#NJSLYR_Fanzine(チャワン・ムシの在庫が切れたため、今回の投稿はここまでとなります。再開時期は、コガネ・ウィークの頃を予定しております。ワッショイ!)
2011-04-19 03:39:49@bootdale 初期稿ではチアリーディング・カグラ部だったのですが、本編にチアマイコ部が登場してしまい変更せざるをえなくなったおかげで生まれたのです
2011-04-19 10:06:35#NJSLYR_Fanzine 女子高生たちは、ネオサイタマの流行の最先端だ。彼女らがカワイイという物がトレンドを作り出し、ダサいと断じられればアサッテを向かれてしまう。ゆえに、当人たちも必死に、コミュニティに吹きすさぶカラッカゼに飛ばされまいとミニスカートの足を踏ん張るのだ。
2011-05-25 06:21:51#NJSLYR_Fanzine アヤメは不自然でない程度の言葉少なさで、級友たちの会話に『エエッ』『スゴーイ!』『ホントォー!?』 などと、辞書登録されたアイヅチ・ワードを返しつつ、クライアントの右に表示された一覧から、隠しチャンネルを選択する。
2011-05-25 06:22:45