- s_sasamatsu
- 5701
- 68
- 0
- 0
ポケットの中にはビスケットが一つ ポケットを叩くとビスケットは二つ もひとつ叩くとビスケットは三つ 叩いてみるたびビスケットは増える 増えたビスケットを嗅ぎつけ追徴課税 そんなふしぎなポケットのせいで、ぼくは何もかもを失ってしまった。
2018-10-06 23:36:24「こらタカシ!毎晩毎晩勉強もしないでポケットのビスケット叩いてばっかりで!あんた今年受験でしょう!?本当に自覚あるんでしょうね?!いい加減にしないとビスケット禁止にするよ!」
2018-10-06 23:37:57「ポケットにビスケットを入れて外から叩くと2枚になりますが、1枚目が割れます」 「えっ、ビスケットはなんでもいいんですか、カントリーマアムでも? フィナンシェとかああいう焼き菓子とビスケットの境目は?」 「それでは転生先で確かめて下さい、では転送しますね」 「雑な仕事やめろ」
2018-10-06 23:38:49ポケットの中にはビスケットがひとつ。ポケットを叩いたらビスケットが二つ。けれど王冠はポケットに入れて叩いても割れない。ビスケットを食べたいならば兄弟で食べればいいけれど、王冠を被りたいなら兄弟を殺すしかない。それがまさしく今、その時だった。
2018-10-06 23:41:401枚のビスケットが内包されたポケットに衝撃を加えると、ビスケットは2枚に分裂する。この現象を利用し、ポケットに外部から微細な振動を加える続けることで、ポケット内でビスケット同士を衝突させて加速度的に増殖させることができる。この際に発生する熱を熱交換器を経由してタービンで動力として取
2018-10-06 23:42:27「店主、馳走になった。ところで猫が好きでな、あそこの猫を一匹3両で引き取らせてくれ」 「旦那おおきに。好きなのを持ってってくださいまし」 「ところで場所が変わるとエサを食わなくなると聞く。あのビスケットも持って行ってもいいだろうか」 「ダメです。あれは柿右衛門のビスケットですので」
2018-10-06 23:43:21ヴィーレス歴594年。ときの皇帝シグルド七世が死去。それに伴って勃発したシグムント王家における内紛「兄弟戦争」。兄のザイフリード王大使と弟のシンフィヨトリ王子が争い、国は二つに分かたれた。双方に譲らず、互いの首を取るまで終わらない戦争は他国を巻き込み戦乱を拡大。戦火は広がった。
2018-10-06 23:43:57「ビスケットが一枚、ビスケットが二枚、(中略)一枚足りない…」このように、井戸端で女中の幽霊が夜な夜な化けて出るというのが、かの有名なビスケット屋敷という怪談である。今でこそポケットに入れて叩けばビスケットを複製できることが知られているが、当時はまだポケットというものが存在してお
2018-10-06 23:47:08吾輩はビスケットである。名前はまだない。どこで焼かれたのかとんと見当がつかぬ。なんでも薄暗く火が噴き出るところでカリカリと焙られていたことは記憶している。
2018-10-06 23:50:20皆はいいよなークッキーとかドーナツでいつも通りの一日を過ごすんだから。 …まったく、行き倒れを阻止する俺の身にもなれっつーの…。 ま、これ以上の空腹は避けたいし仕方ねーか…(右手を闇夜に掲げ) さーてと、ビスケット 増やしちゃいますか。 (ポケットを叩く)
2018-10-06 23:50:26彼女が焼いたビスケットが失敗作だった。落ち込んだ顔で「ポテチとか……食べてもいいよ……」と俯く彼女を抱きしめ、クッキングペーパーから全てくっついたクッキーを剥がすようにして一口大に割り、食べる。「美味しいよ、見た目はまあ、ね、割って食べようよ」と宥めつつ、結局その後めちゃくちゃセ
2018-10-06 23:52:13予め番号を書いたビスケットをポケットに入れ、叩いて複製した。その結果、同じ番号の書かれた2枚のビスケットを得た。また、原料に一定割合の14Cを含ませたビスケットを同じ方法で複製した結果、14Cの含有量が異なるビスケットを得た。したがって、Pocket-Biscuit現象ではビスケットの形状のみを複製
2018-10-06 23:53:19ポケットの中にはビスケットが一つ。ポケットを叩くとビスケットが二つ。けれど、ビスケットがポケットに入っていない人もいます。フィリピンのセブに住む――ちゃんは、今日も学校に行くことはできません。ごみの山を拾って、日銭に変えて暮らしています。親はいません。
2018-10-06 23:55:44つまり、ロケットのお尻にいくつも細かいポケットを作って、中にビスケットを入れておくんです。こうすることで、ポケット同士が擦れあって、その衝撃でビスケットが複製されるので、それを燃焼室まで運搬して、燃やして推進力に変えています。今のロケットは、もうほとんどこのポケットビスケット推進
2018-10-06 23:55:55ビスケットは祈る者を助けたりしない。救いを求めるものを救ったりしない。それは祈りではなくビスケットに陳情しているだけだ。喰らえ、祈りたくば喰らえ、祈りと祈りと祈りの果てに、呆れ返るほどのカロリーの果てに、ビスケットは降りてくる、森永は降りてくる
2018-10-06 23:58:39「さぁ、こっちへいらっしゃい…」脳髄に染み込むような、ねっとりとした彼女の声が僕の耳朶に響く、既に僕のポケットの中のビスケットは硬く粉を纏って割れんばかりだった。ベッドの上では彼女が…母の妹である叔母が、オーブンから次々にビスケットを取り出している。「叔母さん…僕もう我慢できな
2018-10-06 23:59:36息を切らして階段を駆け上り、屋上へ続く鋼鉄の扉に手をかける。勢いよく扉を開くと目の前には抜けるような青空が広がっていた。目を灼くようなスカイブルーの中、彼女が僕を見て笑った。「…今日も、来たんだ。」そう言って、彼女は屋上の淵でポケットからビスケットを取り出した。かり、と小さな音が
2018-10-07 00:02:32