巴マミ考察: 彼女はいかにして『魔法少女』になったか #madoka_magica

マミさんがあんなにも『魔法少女』であることについての考察です。 世間ではマミさんは厨二病でマミリッシュで発狂で豆腐メンタルなどと言われておりますが、実際はもっと芯のある強い少女であるという主張であり、全体的にマミさんラヴで肯定的な感じでお送りいたしております。
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Ernest Croft @middlander

http://bit.ly/gnMFdh こちらの考察をうけて、このところずっとマミさんのことを考えていた。ひとまとまりしたので、ここでぼくなりのマミさん考を述べておきたい。なんとなれば、目を閉じて真っ先に思い浮かぶ魔法少女といえば、ぼくにとってはマミさんであるので。

2011-04-27 22:22:57
Ernest Croft @middlander

象徴という観点から言えば、マミさんは「旧来的な魔法少女」の象徴である。変身ポーズ、多彩な技、必殺技といった要素に見られるように、彼女はこの作品で唯一「ファンタジックな魔法少女」を体現している。マミさんは可憐だ。

2011-04-27 22:24:19
Ernest Croft @middlander

では、マミさんはいかにして、このような魔法少女となりえたのか。世間ではこれを単なる彼女の趣味嗜好と見る向きがあるが、そうではない。彼女にはなるべくしてそうなった背景があり、マミさんの見せる魔法少女像とは、彼女自身の強い意思の現れに他ならない。

2011-04-27 22:26:06
Ernest Croft @middlander

マミさんは、登場人物中で唯一「もし魔法少女にならなかったら」という“if”の選択肢を持たない人物である。彼女はただ生きるために、魔法少女として契約せざるを得なかった。したがって、マミさんの魔法少女活動に対する考え方は、他の魔法少女とは一線を画す。

2011-04-27 22:27:56
Ernest Croft @middlander

“if”のある魔法少女たちにとって、魔法少女活動とは単なる願いの代償行為でしかない。ゆえにそれは、そこに何らかの合理化を求めるにせよ、いかに「折り合いをつけて」「共存して」今後の人生を歩んでいくか、という対象として捉えられることになる。

2011-04-27 22:29:50
Ernest Croft @middlander

こうした魔法少女観は、さやかや杏子に強く見られるものであるし、恐らく登場しなかった多くの魔法少女も同様だったのではないかと思われる。ほむほむは死刑執行中脱獄進行中みたいなことになってしまったが、やはり魔法少女活動そのものには意義を見出していない。まどかはさすがに論外だけど。

2011-04-27 22:31:18
Ernest Croft @middlander

一方で、マミさんは契約によって生き延びたことで、その後の人生が一変してしまった。もはや両親の姿はなく彼女たった独り、残されたものは魔法少女活動のみである。この大きな非連続性に直面した幼い少女が、魔法少女活動にこそ生きる意義を見出したであろうことは容易に想像できる。

2011-04-27 22:32:40
Ernest Croft @middlander

ここにマミさんの孤独がある。彼女にとって『魔法少女』とは結果ではなく目的なのである。それゆえ、その価値観を共有することは、同じ魔法少女でさえ容易なことではない。第3話でのまどかの告白がマミさんにとってどれほど大きなものであったか、想像するに余りあるだろう。

2011-04-27 22:34:30
Ernest Croft @middlander

だから、みんなマミさんを厨二病だのマミリッシュだのといじめるが、そうではない。「フィクションとしての魔法少女」があちらの世界にも存在することは、マミさんと対面したまどかとさやかのリアクションからも伺える。彼女はまさに、そうした存在になろうとしたのだ。

2011-04-27 22:35:58
Ernest Croft @middlander

そのような『魔法少女』は、例えば魔女を淡々と撃滅するゴミ処理屋としての実態を超えて、人々に希望をもたらす存在であるはずだ。ゆえに魔法少女を目的化したマミさんは、それらをロールモデルとして自身が『魔法少女』の体現となるべく努めたのだろう。

2011-04-27 22:37:06
Ernest Croft @middlander

マミさんの魔法の多彩さに、その努力の跡が見られる。想像でしかないが、恐らくこれらは先天的なものではない。願いの大きさに比例するパワーではなく、テクニックの領域だからだ。その中に“守る”魔法があることに、マミさんの魔法少女観が現れていると言える。マミさんは努力家だ。

2011-04-27 22:38:35
Ernest Croft @middlander

だから、みんなマミさんを発狂キャラだの豆腐マインドだのといじめるが、そうではない。マミさんほど魔法少女というものに大きく直面し、その難問を考え込んだ者はいないのだ。その上で彼女は、単なるゴミ処理屋ではない『魔法少女』になろうと決意し、それを遂行しているのである。

2011-04-27 22:39:46
Ernest Croft @middlander

マミさんの精神は薄弱ではない。彼女は“人”には優しいが、“魔法少女”には案外厳しい。過去のループや改変後世界で、マミさんが仲間に向ける冷静な、時に冷酷な言動にそれが見て取れる。結局のところ、魔法少女にハッピーエンドが訪れないことを、一方で彼女はよく知っている。マミさんは賢明だ。

2011-04-27 22:41:00
Ernest Croft @middlander

特に発狂ループの回でこそ、むしろマミさんの強固な意思が垣間見られる。人生の目的としていたものが目の前で崩れさったとき、彼女はただ放心して泣き崩れたりはしていない。魔女の元となる魔法少女を根絶するという行動は、あの時点では恐ろしく合理的でクレバーな選択である。

2011-04-27 22:42:28
Ernest Croft @middlander

また、最初にほむほむが種明かしをした際にも、マミさんはやけに実地的な提案をして場を収めている。一見ちょっと空気読めてない感じもするが、実際問題として魔法少女活動は覆しようなく続くのだし、今後も円滑に活動を続けるには最良の選択である。事実、彼女たちは共闘を続けられている。

2011-04-27 22:43:44
Ernest Croft @middlander

その後さやかが魔女化するまで、恐らくQBは姿をくらましていただろう。この間、マミさんはこの事実について考え抜いていたはずであり、それがあの迅速な行動に繋がったのだろうと考えられる。まどかをフリーにした理由も色々と想像できる。マミさんは不憫だ。

2011-04-27 22:45:14
Ernest Croft @middlander

そして「旧来的な魔法少女」の象徴であるがゆえに、マミさんはマミられねばならなかった。かねてより喧伝されていたように、この作品は「新しい魔法少女モノ」であり、「ここから先は普通の魔法少女モノじゃないよ」という視聴者へのメッセージとして、彼女の退場は用意されていたのだろう。

2011-04-27 22:48:16
Ernest Croft @middlander

また「新しい魔法少女モノ」であるがゆえに、マミさんは終盤にかけてフェードアウトせねばならなかった。この作品において魔法少女とは、その活動ではなく、その願いと葛藤に価値がある。マミさんは契約が必然的であったため、他の魔法少女のような類の葛藤は持ち得ないのだ。

2011-04-27 22:49:55
Ernest Croft @middlander

とはいえ、マミさんはそこまで無下にされているわけではない。それどころか、かなり“愛されている”キャラクターなのではないかと思う。まどかやさやかにはマミさんの教えが息づいていたし、アクションシーンにも気合が入っていた。それと第4話はやはり、マミさんの追悼であるのだと思う。

2011-04-27 22:51:38
Ernest Croft @middlander

そして何より、まどかの願いによってこそ、マミさんは報われたのである。少なくとも、彼女は最期まで魔法少女たりえるようになったのだから。これ以上の救いがあるだろうか。マミさんは報われたのだ。ぼくは嬉しい。

2011-04-27 22:53:24
Ernest Croft @middlander

以上をもってマミさん考とし、筆を置くとする。可憐で、努力家で、賢明で、不憫なときもあったけど報われた魔法少女。『魔法少女』に懸命な魔法少女。それが巴マミというひとりの女の子の、本当の姿である。そんなマミさんの理解者が少しでも増えるなら、それはとっても嬉しいなって。(終)

2011-04-27 22:54:43
Ernest Croft @middlander

(補)録画とかしていない(というかテレビがない)ので、細かい部分の記憶違いからミスリードしている可能性があります。その場合は笑って見過ごしていただくか、ご指摘いただければ幸いです。

2011-04-27 22:56:18