呟怖と散文 15

創作文まとめ
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晴れ時々雨 @rio11ruiagent

あなたがしていることを世の中にみんなぶち撒けてその破片で死にたい あなたに嫌われ不気味がられ畏れられ恨まれる そしたら殺してくれる? 息の根を止めてよ それでもきっとだめね あなたの手で迎える最期には悦びしかない #理想の死に方コレクション

2018-12-09 18:06:14
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この嘘がバレないためなら なんでもする これは嘘じゃない #生首ディスコのドレスコード pic.twitter.com/GWxxMFdXGs

2018-12-09 19:24:00
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もし神がいるのならきっと出会わなかったろう、それとも天罰なのか 君に出逢い、時は刻むことを放棄した 死んでいるのも同然 足掻けば足掻くほど、首を締めつける棘棘の蔓 君から伝わる高糖度の毒が行き渡りすべてを麻痺させる 何たる甘さよ #理想の死に方コレクション

2018-12-09 20:50:36
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一匹のぶち猫がゆく。どのくらい生きているか誰も知らないが、酒屋のばばあが親父に怒鳴られながら店のスルメを盗み食いする頃にはもう界隈を闊歩していた あいつとはクチバシを取り合ったもんよ、父ちゃんはあたいを叱るけど、盗んだ半分はあのぶち子が食ったんだ ぶち子は玉を揺らしてゆく #箱庭SF

2018-12-09 21:48:51
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なんで笑う、そんなに可笑しいことなのか。みんなが目をきらつかせている、その理由が知りたい。 汗をかいて苦しみ堪える、なぜ。その後に湧きい出る銀の宿った眼球。 真似をしようとこの身を裂いた。 不明だ。謎しかない。痛みも煌めきもない、笑ってみるか。 俺を見て人は云う。 #ばけもののうた

2018-12-09 22:45:45
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山のような大きさの狼の後を尾けると岩場に着いた。赤茶に濡れた毛を繕っている。少女は草陰に隠れ狼を睨んだ。ぱしーんと弾ける音がし狼は身構える。猟師が再度引き金を弾く間もなく、粗くれた野獣は飛び掛かり覆い被さる。組み打つとその背後で狼が律動を始め、猟師は自分の腹越しに銃を放った。

2018-12-10 01:09:01
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それは外面的な愛でした。 そう呼べるのかどうかわかりませんが 一人で暮らすのが長くなると、日常的な会話というものをしなくなる 出社して同僚と交わすおはようが、昨日の退勤明け以来の言葉だし、休日を挟むともっと酷い でも会話をする相手がいるじゃないですか 『ご飯が炊けました』 #空想観覧車

2018-12-10 08:54:51
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@suika_sheep #呟怖  #返怖 毎日仏壇の水を替えお供えを替える。 これは家事の一環。仏壇の台を拭き蝋燭に火をともし線香をあぶる。 香炉にそれを立てると写真に手が当たり微かな音を立てた。 その一瞬で、封じていた思い出の扉が開いてしまった。 ああなんで。あの子の仏壇なんかの掃除をしなくちゃいけないの。

2018-12-10 12:30:19
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なんてきれいなんでしょう。真っ白なドレスがよく似合っている。でもそんなものを着ていなくたって、あなたは私の唯一の誇り。あなたのお陰で私の存在も意味を為す。 お相手の顔がよく見えないけど、きっといい人なんでしょうね。 仏間の横の揺り椅子で写真を手に、在りし日の娘の未来を夢見る #呟怖

2018-12-10 13:05:10
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ちょっとすいません ここひと月ほど考えたのですが、いろいろ迷ってお手紙を書くことにしました あなたを見ていると、ざわつくのです 何も手につかない どうしてくれます 訳がわからなくて、とりあえず手紙を書きました 返事は要りません #なまえのない恋文 #呟怖

2018-12-10 18:21:48
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毎日なにがしか喋る。他愛のないお喋り。些細な一言で急に仲良くなったり、到底理解し得ない溝が生まれることもある 発した言葉が、知らずに相手を傷つけることもある 知らなかった これはあなたを知るための第一歩と捉えてもよいのでしょうか 是非そうであって欲しい わたしは待ちたい #ペンチメント

2018-12-10 20:59:23
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言葉から始まったのだ 会えば決まり事のように体を重ね、もう探り合う言葉など要らない 無言で弄りあう。これでは体に聞くというふしだらな猥本と同じだと気づき、なにか言うと否定された 要らないのだろうか 愛撫に対する反応だけが本意ではない。これは反射だ 勘違いがすれ違いにならなければいいが

2018-12-10 21:45:16
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部屋でひとり明かりを消してみる 暗闇に目が慣れると静かで、わたし一人分の呼吸の音が規則正しく繰り返され、でしゃばる時計の秒針、冷蔵庫のサーモの間隔、猫がやってきて不思議そうに見上げる 何でもないよ、たまにこうして部屋の一部になりたくなるの 猫は頭を擦りつけ、放っておいてくれない

2018-12-10 23:24:13
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その姿を見るともどかしさが溢れる 目隠しをしているようで 触れているはずなのに見えない 剥ぎ取ってしまいたくなるけど、少し怖い もし直視してしまったらその現実に耐えられるのか でも今のままだと、真に知っているとは言えない 知りたいのか、本当に ずっと問い続けたまま立ち竦んでいる

2018-12-11 08:18:53
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嫌なことがあると近所の教会を訪れる。信者ではないが、この開かれた場所に腰を下ろすと冷静になれる。今日もテストの結果が思わしくなくて寄り道した。 鐘が鳴る。この少し悲しげに澄んだ音。気持ちが落ち着く。 友人にこの話をすると首を傾げた。 随分前に壊れて鳴らされていないはずだと。 #呟怖

2018-12-11 12:26:42
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

かまって欲しくてあなたのそばへ行く。小難しい本から目を上げこちらを見ると少し目を細めながらわたしを膝に抱き上げる 強引なのは嫌いよ でもそのあと頬を滑る手がたまらなくいいのを知ってる。背中よりもっと触るところがあるでしょ 仰向けになって委ねるとつい、喉が鳴っちゃう たまんにゃい

2018-12-11 17:33:34
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気配がした。振り返り上を見ると真っ黒な蜘蛛が部屋の角にとまっていた 手を広げた程の大きさをした蜘蛛と目が合い、時が止まった。黄色の目が八つこちらを見ている 思い出した。これとは昔遭ったことがある。記憶の先端に祖母がいた。美しいブリキの菓子箱に磔になった黒毛の蜘蛛。ふふと笑った #呟怖

2018-12-11 17:59:48
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

どうしてもあなたに愛されたくて、その方法を色々考えました せっかく咲いても一色だけじゃつまらないかと思い、丹田に力を込め、赤から白になれた 初めは珍しがってたけれど次第に見向きもしなくなったので再び丹田に力を込めると歌が歌えるようになりました あなたは手を伸ばし、私を折った #箱庭SF

2018-12-11 20:12:36
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猫たちは重い足取りで事務所に戻ってくる 白茶トラは腹とトラ柄の境目に隠れたジッパーを下げる お前のはどこだっけ、キジトラは背に一際大きく入った一文字の縞を指す ふうと息をついて脱ぐと、一様に桃色のてろてろした生き物になった グレーの長毛は1ヶ月帰社していない あせもが心配だ #箱庭SF

2018-12-11 20:32:22
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またあいつがついてくる 家一軒分ぐらいの距離を取ってこっちを見てる 先行けよ あいつは転校生だったくせにわたしをいじめる へんなあだ名をつけたり、髪を引っ張ったり、名札の上から胸をつついた ランドセルを傘で引っ掛けられて尻餅をついた拍子にスカートが捲れた あいつは赤くなった

2018-12-11 20:58:56
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最近流行りだした服を買った もう3着も 生地はまぁ普通で発色も悪くないし着心地は悪くはないけど、この間淹れたばかりのコーヒーをこぼしたときなんか大変だった 前ボタンを開けワンピースを脱ぐと、彼女はスキップしながら洗濯機に入った ブラとショーツはまごまごとネットに潜り込む #箱庭SF

2018-12-11 21:16:24
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

毎日コーヒーをこぼす君を今日こそ止めようと思う 君がまずコーヒーメーカーに入れる豆をこぼしたのでそれを拾い集めていると、早々とドリップを開始し、先に入っていたコーヒーの上に落ち、サーバーを満たし溢れた 焦ってテーブルを伝うコーヒーの筋をカップで受けた 薄い #コーヒーをこぼした文学

2018-12-11 21:58:37
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

先生が手を叩いた。ぴしりと白い教室に響き、返ってきて耳の奥を叩いた。 きつく閉じた目を薄く開けると、先生は指し棒を唇に当て、そっぽを向いていた。 甲についた跡が白く筋になり、周りが赤くなっている。先生と私だった。 ふたりだけしかいない教室。

2018-12-11 23:31:32
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

咲くものか。蕾を堅く閉じる。咲いてしまえば終わりしかない。それを思うと恐ろしさでどうにかなりそうだった。 姉を思い出す。りっぱな大輪だった彼女はそれは誇らしげだったけれど、次の日にはそれが嘘のように醜く萎んでいた。ああはなりたくない。 束の間日が差し、私はするすると開いてしまった。

2018-12-11 23:55:09
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会えない夜更け電波に頼ると8回目のコールの後で寝ぼけたような懐かしい声が聴こえた。 しんと冷えた星空だから文字なんかじゃ足りない。 何かと理由をつけて声を聞くことをしなかったのは、こんな気持ちになるからだって忘れていた。 会話が途切れ星を見上げる。きっとあなたの灰皿も山になってる。

2018-12-12 01:14:45