雨降って地固まる

少し進展する両片思いブラアイ
0
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

【夕食時】 リルカ「ねぇお姉ちゃん」 アイシャ「?」 リルカ「課長さんならお父さんになってもいいって思うよ?」 アイシャ「――げっほ、ごほっ! っな、なっ……!」(真っ赤) リルカ「知ってるよ、課長さんのこと好きなんでしょ」 アイシャ「あ、あああたしは別に……!」 リルカ「嘘下手すぎ」

2019-01-06 23:07:11
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

リルカ「私に気を使わなくてもいいって」 アイシャ「だから違う!! 好きじゃない!! ただの上司!!」 リルカ「あーもーはいはい、じゃあお姉ちゃんが課長さんのこと好きじゃないにしても、お姉ちゃん、恋愛とかもっと好きなことすればいいのに」 アイシャ「あ、あたしはそんな……」

2019-01-06 23:10:50
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

リルカ「私、もう中学二年生だよ、小っちゃい子じゃないよ? そりゃ、家事とかはまだダメダメだけど……お姉ちゃん、心配しすぎ」 アイシャ「~~っ」 リルカ「私のこと思ってくれてるのは感謝してるけど、お姉ちゃんまだ若いんだからさ、もっと自分のことも気にしてよ……なんだか悪いよ」

2019-01-06 23:15:34
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「……お前が平気に思ってても、思春期は多感な時期なんだ、この家に余計なことを持ち込みたくない」 リルカ「課長さんは余計だって言うの?」 アイシャ「そうは言ってないだろ」 リルカ「女二人暮らしって物騒だし、頼りになる男の人がいてくれたらいいなって思わない?」 アイシャ「う……」

2019-01-06 23:24:10
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

リルカ「課長さんは私の話もしっかり聞いてくれるし優しいし、ちゃんと叱ってくれるからお父さんになってもいいって思うよ」 アイシャ「だから、課長は……!」 リルカ「私はいいって言ったからね、もう私を理由にして逃げるのはダメだよ」 アイシャ「~~~っ」

2019-01-06 23:32:30
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

【翌日・仕事中】 アイシャ(はぁ、痛いところを突かれてしまった……あいつも大きくなったんだな) アイシャ(自分のことか……確かに、そうかもしれないな……) アシュレー「……任、主任!」 アイシャ「?」 アシュレー「午後一で返すやつ、今主任が編集してます? 開けないんですけど……」

2019-01-06 23:41:28
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「あ、ああ、ちょっと待て……」(カチカチ) アイシャ(はぁ、こんな時にフリーズか……)(強制終了した後に起動) アイシャ「? 開かない……?」 アシュレー「え?」 アイシャ「な、何でだ?」(青くなる) ブラッド「……お前、今朝の必見の回覧見たか?」 アイシャ「……見てない」

2019-01-06 23:48:49
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

ブラッド「アップデートでソフトに重大なバクが出たから、バージョンを落としてからデータは触るようにと……」 アイシャ「……や、やってない、まさか、ファイル破損……!?」(真っ青) アシュレー「え、検察に返すやつですよ、あと一時間しかない……」 アイシャ「何とかする、黙ってろ……!」

2019-01-06 23:56:41
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

【深夜・一人残業中】 アイシャ「……はぁ……」(やり直しの途中で頭抱え) アイシャ(最悪だ、あんなケアレスミスするなんて……検察や他部署から久々に怒鳴られた……課長にも) アイシャ(二日あれば、何とか直せるか……寝ずにやれば) アイシャ「……情けないな……」

2019-01-07 00:06:44
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

(ガチャ) ブラッド「やっぱりまだいたか」 アイシャ「……課長、何だ、こんな夜中に」 ブラッド「いいものを持ってきた、代われ」(USBを刺して操作) アイシャ「……ファイルは壊れたんだから、今更見ても……」 ブラッド「まあ見てろ」(カチカチ) アイシャ「――! 開いた!?」

2019-01-07 00:15:33
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

ブラッド「システム課の奴に頼み込んで、ソフトウェア会社に修繕パッチを作らせた、元々バクが原因だからな」 アイシャ「……まさか、今の今まで?」 ブラッド「さっきまで付き合わせてたからシステム課の奴にもソフトウェア会社の営業にも散々嫌味を言われた、でもお前よりはマシだ」

2019-01-07 00:25:18
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「………」 ブラッド「昼間は頭ごなしに怒って悪かった、冷静になれないのは良くないな、反省する」 アイシャ(デスクに突っ伏して安堵の溜息) ブラッド「!?」 アイシャ「……良かった……データ、壊れてなかった……」 ブラッド「喜ぶところ、そこか?」 アイシャ「当たり前だろ!」

2019-01-07 00:31:31
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「良かった……本当に……気が抜けそうだ……」 ブラッド「何か悩みでもあるのか?」 アイシャ「?」 ブラッド「……朝から上の空だったな、俺で良ければ聞くぞ」 アイシャ「べ、別に……」 (リルカ「私を理由にして逃げるのはダメなんだからね」) アイシャ「………」

2019-01-07 00:36:36
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「……聞いても、多分つまらない」 ブラッド「昼間の詫びのつもりだ、何でも聞く」 アイシャ「…………その、家庭の事情というか、あたしの問題というか」 ブラッド(頷く) アイシャ「……家族を理由に、本当の気持ちから逃げてるって、リルカに、言われて」 ブラッド(……頷く)

2019-01-07 00:43:09
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「言われて、初めて我慢してるって気づいて……でも、あたしはあたしである以前に親であるわけで……」 ブラッド(……頷く) アイシャ「つまり、あたしは、親としての自分を最優先しないといけないから、そんな、個人的な感情なんか持ち込むべきじゃ……」 ブラッド「………」 アイシャ「?」

2019-01-07 00:51:41
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

(ぽろ) アイシャ「……? 何で」 ブラッド「………」 アイシャ「何で、涙が……ああ、だいぶ、疲れてるな……はは」(ぽろぽろ) アイシャ「わ、悪かったな、コーヒー買ってくる……」(立ち上がる) (抱きしめられる) アイシャ「!? か、課長……!?」

2019-01-07 00:59:56
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

ブラッド「……」(ぎゅー) アイシャ「か、課長、離せ……!」(赤面) ブラッド「……本気で好きなんだろう? その相手が」 アイシャ「!」 ブラッド「諦めろとか、付き合えとか……無責任なことは言えん」 アイシャ「……」 ブラッド「……気持ちを相手に伝えるだけでも、少しは楽になると思うぞ」

2019-01-07 08:47:26
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「……」(頷く) ブラッド「……ロクなことが言えなくて、すまないな」 アイシャ「……あの、課長……何で、抱いて……」 ブラッド「………、分からん」(ぎゅー) アイシャ「………」(ブラッドの背に手を回す) ブラッド「………正直に、言っていいか」 アイシャ「?」

2019-01-07 01:13:26
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

ブラッド「……たとえお前がその男と結婚することになっても、俺は、多分そいつを受け入れられん」 アイシャ「……どうして」 ブラッド「大事な俺の部下を泣かせた」 アイシャ「………」(ぎゅう) ブラッド「ロクな奴じゃない」 アイシャ「……そうだな、ろくでなしで朴念仁だ」(ぎゅー)

2019-01-07 01:21:46
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「……そ、そろそろ、帰らないと」 ブラッド「あ、ああ……そうだな」(離れる) アイシャ(真っ赤) ブラッド(赤面) アイシャ「……その、今夜のことは」 ブラッド「誰にも言わない、約束する」 アイシャ「あ、あたしも……」 ブラッド「……」(赤面) アイシャ「……」(真っ赤)

2019-01-07 01:29:32
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

アイシャ「じ、じゃあ……」 ブラッド「お前、どうやって帰る」 アイシャ「電車で……走れば終電に間に合う」 ブラッド「駄目だ、俺が家まで車で送る」 アイシャ「そんな、大丈夫……」 ブラッド「夜道を女一人で歩かせられん、上司命令だ」 アイシャ「……わ、分かったよ」(赤面)

2019-01-07 01:36:36
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

【自宅マンション前】 ブラッド「ついたぞ」 アイシャ「……あ、ありがとう」 ブラッド「………」 アイシャ「………」 ブラッド「………」 アイシャ「……じ、じゃあ、また明日……」(車のドア開ける) (手を掴まれる) アイシャ「っ」 ブラッド「……す、好――」 アイシャ(ドキッ)

2019-01-07 01:41:57
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

ブラッド「――好きなものは何だ?」 アイシャ「……は?」 ブラッド「あ、いや……酒とか、肉とか、野菜とか……」 アイシャ「……最近は、魚?」 ブラッド「今度、一緒に行こう、二人で。慣れたら、リルカと三人で一緒に……」 アイシャ「……」(赤面) ブラッド「――そ、そういう意味じゃないぞ!」

2019-01-07 01:46:53
りぇえちゃま @syaku_syakunasi

ブラッド「ただ、その、いくらでも話を聞くという意味で、その男との関係を邪魔するという意味では……!」 アイシャ「……分かった、楽しみにしてる」 ブラッド「……!」 アイシャ「愚痴を目一杯仕入れておく」 ブラッド「……また連絡する」 アイシャ「……今日は、ありがとう」

2019-01-07 01:53:17