情熱を失ったバスケ部員の私と、ある高校のキャプテンとの出逢い

引っ越し後に初めてみた、ちゃんと筋のまとまった夢。2週間ぶりにインターネットが繋がったことと、新居で初めて浴槽に浸かってゆっくりできたこと(ずっとシャワーだけだった)が関係しているのかも。基本的に自分向け備忘録。
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にゅい @lanuit2012

一昨日の眠りが3時間、起きた後は猛烈に働いて、16時頃仮眠。記憶は曖昧だけど、22時くらいに起きた気がする(最近、睡眠日誌どころではない)。今朝7時に寝て、12時起き。昨日、ネットに繋がったのと、新居で初めて浴槽にお湯を張ってゆっくり浸かったこと、のせいか、とても不思議な夢をみた。

2019-01-15 12:56:20
にゅい @lanuit2012

ネットに繋がるって、夢の内容が変わるほど重要なのか、って自分でも面白く感じるけど、混沌として意味のない悪夢ばかりみていたここ数週間の中で、一番「物語」として成立していて鮮烈な印象の夢だったので、いつもの通り、自分向けに備忘録代わりに書き留めておこうと思う。

2019-01-15 12:58:26
にゅい @lanuit2012

夢の中で、私は高校生だった。たぶん1年生。夢の中で兄に起こされ、まだ眠いと文句を言いながら、身支度をして家を出て。近くのコンビニでサンドイッチを買って。なんとはなしに、学校とは逆方向へ走る電車に乗って、海に向かって揺られながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。

2019-01-15 13:06:45
にゅい @lanuit2012

中学生の頃はよかったな、と私は見えてきた海を眺めながら思った。バスケに全てを懸けて、最高の仲間がいて、三大全国大会のたびに今年こそは優勝しよう、って仲間と意気込んで。あと一歩及ばないような、そんなすごいチームだった。友人としてもチームメイトとしても、相性は最高だった。

2019-01-15 13:13:38
にゅい @lanuit2012

仲間はみんな、バスケの強豪校へと進学していった。一方の私は、家の都合でどうということのない学校へ進み。バスケへの情熱も薄れかけていた。活躍する仲間たちの風の噂くらいは聴こえる距離に住んでいたけど、一度も会っていなかった。置いてきぼりをくらった子供のように、寂しさを感じていた。

2019-01-15 13:16:01
にゅい @lanuit2012

なんとなく降りた駅で、少し海をみた。でも、考えたら私は別に、海ってそんなに好きってほどじゃない。なんでこんなところで降りたんだろう。ローファーについた砂を掃いながら、私は道路へ戻った。遠くから、声が聴こえる。学校があるんだな、と思って、ぶらぶらと私はそちらへ足を向けることにした。

2019-01-15 13:18:43
にゅい @lanuit2012

着いた先は高校だった。盛んに声がしているのは、体育館。ちょっと入って覗いてみようか。私はするっと入ってしまった。教諭に見とがめられたら、数日前に引っ越してきたので見学に来ました、とでも言えばいいや、と考えて。聞こえてくる声は、なんだかとても意気盛んだ。私は好奇心をかきたてられた。

2019-01-15 13:35:38
にゅい @lanuit2012

体育館を覗いてみると、バスケ部が練習をしていた。他の部に比べて広めにスペースを取れているのは、それだけ実績を上げてるってことだろう。試合形式で練習をしているけれど、動きはいい。かなり強いチームだ。でも、なんかヘンだ。意気盛んというより、空元気のような。私はじっと見ていた。

2019-01-15 13:51:25
にゅい @lanuit2012

ハーフタイムになった。一人の子が、他校の制服の私に気づいてやってくる。「あれ、どこの子?」「引っ越しで…」「あ、転校生?バスケ興味ある?観てく?」話の流れで、私はベンチで観戦させてもらえることになった。ずいぶん気さくな人だな、と思った。さっきの動きから言って、たぶん先輩だろう。

2019-01-15 13:57:05
にゅい @lanuit2012

試合再開。また激しい動きと、声とが飛び交う。試合そのものも、かなり勉強になる内容だったんだけど、私はさっきの違和感がより一層気になっていた。意気消沈しているのを、なんとか吹き飛ばそうとしている感じに見える。でも大事な試合を落としたチームには見えない。それとは違う。なんかヘンだ。

2019-01-15 14:00:03
にゅい @lanuit2012

私はふっと気づいた。ここ、仲間の一人が進学した学校だ。私は裏門からするりと入ったから気づかなかったけど、あそこにぽつんと飾ってあるユニフォームに校名が書かれている。選手の名前も。私のチームメイトだった子の名前。あれは、どうしてあんなところに掛けられているの?本人がいないのに。

2019-01-15 14:26:51
にゅい @lanuit2012

「もしかして、知り合い?」私を観戦に誘った先輩が声をかけてきた。いつの間にか試合は終わっていて、私はずっとユニフォームを見つめていたらしい。私はうなずくことも、答えることもできなかった。話の先が予測できたからだ。聞きたくない。今すぐ逃げたい。でも聞かなきゃ。私は逡巡した。

2019-01-15 14:30:08
にゅい @lanuit2012

「あっという間のことだったんだってさ」先輩は私の様子に気づかずに教えてくれた。交通事故だったそうだ。亡骸は損壊が激しくて、ご家族にさえ見せてもらえなかったそうだ。だから、誰も彼女がいなくなった実感がない。明日にでも、ふっと姿を見せそうな気がする、先輩は寂しそうにそう言った。

2019-01-15 14:38:31
にゅい @lanuit2012

「知ってて来たわけじゃなかったんだね」先輩は校門まで見送ってくれた。私は無言でうなずく。知っていたら、来なかっただろう。こんな現実を認めるためになんか。私は先輩の厚意に、きちんとした礼儀で応えることすらできず、ただ、無言で家への電車へと乗った。夕空に、電車の発車ベルが響いていた。

2019-01-15 14:44:12
にゅい @lanuit2012

あのチームの、あの空元気は、彼女を喪ってなお前へ進もうとする全員の気持ちの表れだった。そういう子だったな、と私は思い出した。誰からも好かれて、ムードメーカーで、敗色濃厚な場面でも、あの子がいれば皆が「諦めないぞ」という気になれた。それを喪うってどんなことか、私にはよく分かった。

2019-01-15 15:02:10
にゅい @lanuit2012

「あの子がいなくなって、これからどうしようね」寂しそうに、悲しみを紛らわすように笑った先輩の表情と声とがよみがえる。空元気でチームを盛り上げても、どこかでドッと喪失の悲しみが押し寄せてくる。そういうものだ。「どうしましょうね」ほとんど人のいない車内で、私は先輩に返事をした。

2019-01-15 15:11:48
にゅい @lanuit2012

夢はそこで終わった。目覚め際に他のよく分かんない夢と混ざってしまって、もう少しあったはずの結末はうろ覚え。物悲しいけれど、ひさしぶりに筋をそれずにまとまった夢をみることができた。備忘録としてまとめておこう。

2019-01-15 15:13:30