災害時用乳幼児液体ミルクについて 続報

2018年9月6日北海道胆振東部地震が発生。北海道新聞が災害時乳児用液体ミルクについて飛ばし記事(デマ)記事はやっぱりデマ記事だったまとめ
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災害時用乳幼児液体ミルクについて、2018年9月23日北海道新聞が「災害地支援の液体ミルク使われず」と題して飛ばし記事(デマ記事)を書いたことがSNSなどで炎上する発端となった。

2018年(平成30年)9月6日3時7分59.3秒(日本時間、北海道胆振地方中東部を震源として地震が発生。地震により苫東厚真火力発電所ではボイラー管が破損。3基(3号機が廃止)のうち2号機、4号機が緊急停止し、道北、函館で停電が発生。さらに地震発生から18分後の3時28分に1号機が停止。

道内の半分の電気を供給していた発電所が完全に停止したことにより、連鎖的に他の発電所も停止し、北海道・本州間連系設備の送電も止まった。この結果、道内の離島などを除くほぼ全域約295万戸で停電が発生した。道内全域停電は1951年の北海道電力創設以来初の出来事である。

2018年9月8日
6時 - 離島地域と送配電設備故障により通電不能地域を除く道内ほぼ全域293万戸で停電が解消され、停電地域は残り2万戸となった。

wiki

2018/09/23 10:40 北海道新聞

 胆振東部地震発生後、東京都から胆振管内厚真町など5町に提供された乳児用の液体ミルク1050本のほぼ全量が、使われずに保管されていることが22日、北海道新聞の調べで分かった。

道から「国内で使用例がない」などとする連絡を受けた各町が使用を止めた。しかし、実際には2016年の熊本地震で使われている。開栓してすぐ飲める液体ミルクは利便性が高いが、住民に周知されることなく備蓄に回った格好だ。

 東京都によると、道の要請を受け、災害備蓄用のフィンランド製液体ミルクに1本ずつ日本語の説明文を添え、9日に発送した。道は11日に胆振管内厚真、安平、むかわ、日高管内日高、平取の各町に配った。

 道によると、道災害対策本部などの職員が11日ごろ、胆振、日高両総合振興局や道立保健所に対し、「液体ミルクは国内で使用例がない」「取り扱いが難しい」として使用を控えるよう各町の担当者や保健師に知らせることを求めた。

 各町とも住民に周知せずに保管。ただ、厚真町は1本だけ「『(粉ミルクを溶く)水を確保できない』という親に渡した」(町民福祉課)。ある町の担当者は「(道の連絡で)とても住民に提供できる物ではないと思った」と話す。

 道保健福祉部地域医療課は「(都からの液体ミルクの提供後)相談した医師から『国内での使用例はない』と聞き、各町に伝えた。液体ミルクは『水すら使えず、粉ミルクを作れない時のために保管してほしい』との趣旨で知らせた」としている。

 熊本県によると、熊本地震の際、日本フィンランド友好議員連盟を通じて約5千本の液体ミルクが提供された。(酒谷信子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/230967

北海道新聞の記事から「ねとらぼ」が独自取材を行う。

被災地支援の「『液体ミルク』使われず」報道は誤解か 北海道庁「(利用を控えるよう)連絡をしたつもりない」

水道が復旧していたため、利用した人が少なかったということのようです。【10月6日23時55分再追記】

北海道胆振東部地震で東京都から提供された「乳児用液体ミルク」について、北海道新聞が9月23日に「被災地支援の液体ミルク使われず 東京都が千本提供 道、各町に『利用控えて』」と報じましたが、内容に一部誤解があったのではと物議を醸しています。道災害対策本部などを取材しました。

「災害時用乳幼児液体ミルクの要請があった為」という報道はデマですので注意してください

北海道胆振東部地震は地震直後に大規模停電が発生し通信機器(パソコン、固定電話)が使えない、又は携帯電話が繋がりにくい状況が発生しました。(kilala)

北海道災害対策本部によると、9月10日に東京都から災害支援物資として乳児用液体ミルクが1050本提供され、それを被災地域に送ったとのこと。物議を醸しているのは、この状況についての報道で、「道によると、道災害対策本部などの職員が11日ごろ、胆振、日高両総合振興局や道立保健所に対し、『液体ミルクは国内で使用例がない』『取り扱いが難しい』として使用を控えるよう各町の担当者や保健師に知らせることを求めた」「各町とも住民に周知せずに保管」としていました。

しかし、道庁に確認をしたという人が「事実関係を確認したが、報道がデマであることが分かった」とSNSで発信して情報が拡散。波紋を呼んでいました。

「そういう連絡をしたつもりはない」

ねとらぼ編集部が道災害対策本部を取材したところ、「ミルクの確保や調理が難しいときに使用すること」「飲み残しは捨てること」など、基本的な注意事項とともに被災地域に乳児用液体ミルクを届けたとのこと。本部や地域医療課からは「水が使用できない状況では有用」とのメモを添えていたといい、「(利用を控えてなど)そういう連絡をしたつもりはない」とのことでした。

また地域保健課は、当時の状況について「東京都からの支援物資が届いた時点では、給水車が出動していた他、水道が復旧していた」と説明。ミルクが作れる環境が整いつつあったことから、「お子さんが対象になる支援物資なので、通常使用しているミルクや母乳を使用していただく方がより良い、ということを前提として各地域の保健師や栄養士にメモ書きを送った」としました。

なお、事実として「国内での流通例がない」という情報も書き添えていたといいますが、これに他意はなかったとのこと。「各町とも住民に周知せずに保管」と報じられた点についても、厚真町等で複数の乳幼児に支援物資が使用されたという連絡が入っていることから、「周知されていないというのは少し語弊があるように思う」とのことでした。

なお被災地では余震が続いていることもあり、乳児用液体ミルクについては「また水道が止まってしまうということも考えられるため、各被災地域でありがたく保管させていただいている」とのことでした。
(Kikka)

10月5日23時55分追記

現在、取材内容と異なる報道が一部でなされており、あらためて道災害対策本部などに事実確認を行っています。

10月6日23時55分追記

あらためて北海道庁に取材したところ、日高町、平取町には一時誤った取扱説明書を送ってしまったことを認めました。ただ、これはメールの誤送信によるもので、日高町、平取町以外の自治体に送った取扱説明書には「使用しないで」などの記述はなかったとのこと。また、日高町、平取町についても後日誤りを訂正したとしています。

キララ@流星群 @happykilala

北海道「液体ミルク」使用自粛要請報道の原因は道庁のメール誤送信 報道時には既に修正済みも取り上げられず - ねとらぼ nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/18… @itm_nlab

2019-01-25 21:23:25

北海道胆振東部地震での災害支援物資「乳児用液体ミルク」を北海道庁が送付する際、「被災地に対し使用自粛を求めていたのでは」とされる疑惑について、道庁はねとらぼ編集部の追加取材に対し、「9月12日時点で5つの町に液体ミルクに関する説明書を送付したが、そのうち日高町、平取町には一時誤った取扱説明書が出回ってしまった」と認めました。ただ、2町以外の自治体に送られた説明書には「使用しないで」との記述はなく、2町に対しても19日時点で誤りを訂正したとしています。

キララ@流星群 @happykilala

2018年9月12日の段階で厚真町、安平町、むかわ町に届いていた正しい内容の説明書。日高町、平取町には当初誤った内容の説明書が届いていたが、後日正しい内容の説明書(本画像)が送られた pic.twitter.com/6vKKGKLfvx

2019-01-25 22:47:32
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 物議を醸しているのは、東京都から災害支援物資として提供され、9月10日に道庁から各町へ送られた「乳児用液体ミルク」についての取り扱い。9月23日に北海道新聞が「道災害対策本部などの職員が11日ごろ、胆振、日高両総合振興局や道立保健所に対し、『液体ミルクは国内で使用例がない』『取り扱いが難しい』として使用を控えるよう各町の担当者や保健師に知らせることを求めた」「各町とも住民に周知せずに保管」と報じ、ネット上ではせっかく届いた物資を使用しないのはいかがなものかと議論を呼んでいました。

これについてねとらぼ編集部が9月25日に北海道災害対策本部と地域保健課を取材。「(利用を控えてなど)そういう連絡をしたつもりはない」との回答を得た他、災害物資が届いた当時は水道がほぼ復旧し粉ミルクなどが作れる環境環境が整いつつあったことから、「お子さんが対象になる支援物資なので、通常使用しているミルクや母乳を使用していただく方がより良い、ということを前提として各地域の保健師や栄養士にメモ書きを送った」と当時の状況について聞いていました。

また被害が大きく、実際に「乳児用液体ミルク」が使用された厚真町にも使用実態についての取材を申し込みましたが、9月25日時点では「多忙なため、取材対応は道庁に任せたい」との意向がありました。これを受けて、復興作業が優先されるとの判断から以降は同町への取材を控え、「被災地支援の『液体ミルク』使われず報道は誤解か 北海道庁『利用を控えるよう)連絡をしたつもりない』」との記事を掲載しました。

しかし10月5日にハフポスト日本版が「液体ミルク『使用しないで』 北海道地震の被災地に送付された文書が判明」との記事を掲載。記事内にはハフポスト日本版が入手したという“被災地の自治体に道庁側から通知されていた文書”が画像で添付されており、「乳幼児向けの支援物資として、フィンランド製の『液体ミルク』の紙パックが、配布されていますが、日本では使用例がなく、衛生管理が難しい製品ですので、使用しないよう住民・関係者へ呼びかけをお願いします」と同庁が各被災地に対して、乳児用液体ミルクの使用を控えるように呼び掛けていたと報じています。

これについてネットでは「いったい北海道庁は何をもって『呼びかけた事実はない』と主張したのか」「もしこの文書が本物なら、責任問題では?このような文書を出した事について、ではなくこのような文書はない、と回答した事について」と批判の声が噴出しています。

こうした状況について、前述の記事と報道内容が異なることから、編集部ではあらためて10月5日に道庁へ取材を打診。どのような経緯があったのかを確認しました。

北海道庁地域保健課を再び取材

北海道庁地域保健課によると、北海道胆振東部地震発生後、9月10日に東京都より1050本の乳児用液体ミルクが北海道庁に到着。11日には被災地の厚真町、安平町、むかわ町、日高町、平取町に物資が届けられましたが、「使い方が分からない」との問い合わせがあったため、道庁で保健師など専門職向けの説明書を作成することになりました。

 この説明書は11日に作成され翌12日には道庁から苫小牧保健所を通じて厚真町、安平町、むかわ町に手渡しされた他、日高町と平取町には静内保健所を経由してメールで情報が渡ったとのこと。しかしメールで送信した日高町と平取町の説明書に関しては、修正途中の誤った内容が記述された内容となっていたと言います(ハフポスト日本版の記事に掲載されていた文書は、この修正途中の内容とみられます)。

 しかし19日になって、日高町と平取町へ誤った情報を伝達してしまったと分かったため、同日中に道庁から正しいバージョンの説明書を送付したとのこと。ねとらぼ編集部から取材の打診を受けた9月25日時点では、修正対応が完了していたことなどから、前回のような回答となったとのことでした。