774チップの獅子×蠍のBL

診断メーカー由来です
0
774チップ @774tip

774tipの獅子×蠍のBL本は 【題】迎えにおいで 【帯】知らぬ女を連れているのを見かける度 胸が痛んだ 【書き出し】人として大切な何かがすこんと抜け落ちたような男だ。 です #限界オタクのBL本 shindanmaker.com/878367 あっっっっこれ切ないやつクル----

2019-04-17 22:56:56
774チップ @774tip

人として大切な何かがすこんと抜け落ちたような男だ。獅子。外向きに何か言う時のあの大仰な仕種。誰かが悲しんでいても、あの調子で近づいては主人公らしい見せ場を奪ってしまう。奴自身は無意識だからたちが悪い。 あいつにありのままの本音など存在するのだろうかと、俺は遠巻きに思っていた。

2019-04-17 23:54:57
774チップ @774tip

(中略)もっと己の魂の求めるままに生きれば良いのに。獅子は弱さを見せない。己の抱える性を心底弱さと見做しているようで、いつも、違う女を連れていた。多分誰とも続かない。それは獅子の求める相手とは違うからだ。奴が俺を見て、奈落を見るように「蠍」と呟いた時に、俺はそれに気づいた。

2019-04-18 00:02:03
774チップ @774tip

(以下、中略と後略のあいだ)

2019-04-18 20:08:18
774チップ @774tip

何度獅子が女連れでいるところを見たか数える気もなくしたが、こうして一人ロングソファで眠っている奴の姿を見ると、弱点ががら空きに見えて胸が騒いだ。威勢を張っているつもりであまりにも無防備な。自分らしくもない好奇心というものが首をもたげて、俺は獅子の顔をじっと覗き込んだ。

2019-04-18 20:08:18
774チップ @774tip

浅く焼けた肌に分厚い唇、長いまつ毛。本当に無防備なやつ、と思っていると、獅子が目を覚まして仰天したのか無言で息をのんだ。2・3日は女に手をつけてなさそうな匂いがする。近づき過ぎたか。それでも、奴が俺を拒まないところを見ると可哀想になった。魔が差していたのかもしれない。

2019-04-18 20:08:19
774チップ @774tip

「お前、男は試したことないんだろうな」獅子は先に生唾をのんだ。「何言ってやがる。蠍、お前顔近ぇんだよ」燃える酒のような瞳の虹彩だ。向かい合った時に独特のパワーバランスを感じる。だが突っ撥ねてこない。臆病な奴。「一晩試してみろよ。ハクがつくだろう?」睦言の後に許すような間があった。

2019-04-18 20:08:19
774チップ @774tip

こちらから行った。静かな部屋で唇を重ね、大丈夫そうだと見計らってから、横になっている獅子に覆いかぶさるように舌を割り入れた。「んん」と呻きながら獅子の身体がびくりと震えた。全身の体温が高くなっている。もっと毒を飲めと思いながら舌を絡ませ唾液を流し入れた。

2019-04-18 20:08:19
774チップ @774tip

俺の流し込んだ毒に、獅子の心臓が苦しそうに強く脈打つのを感じた。重ねた唇の隙間から息遣いがもれる。獅子の手は、宙を掻いて爪を出したかと思うと、その爪を俺の身体へと突き立てて離そうとしない。お前の魂が欲しかったものはこれだろう?熱とともに獣の官能的な匂いがのぼってくる。

2019-04-18 20:08:19
774チップ @774tip

長く深いキスからようやく唇を離すと、獅子の顔は紅潮していて、ややとろんとした目が抗議するように強くこちらを睨んだ。悪かったよ。そんな風にしちまったことは。「お前からは、してくれないのか」俺の声も気怠く熱っぽかった。獅子はソファから身を起こすと、俺を寝かせようと襲いかかってきた。

2019-04-18 20:08:20
774チップ @774tip

(中略と後略のあいだ ここまで)

2019-04-18 20:08:20
774チップ @774tip

(中略)俺は人目につかない裏路地のアパートで奴を待っていた。奴がもし来るなら、きっとその瞬間は誰にも見せたくなかろうと思って。ベランダで黄昏れていると、獅子は通りの奥からずかずかと歩いていて、やがてそのまま路地から大声で俺を呼んだ。「蠍」と。奴の手には花束があった。

2019-04-18 00:13:19
774チップ @774tip

「愛してる」と奴が路上から大声で言うので、俺はしばらく面食らって絶句していた。獅子はまたずかずかと部屋まで登ってきた。なんという奴。合鍵でドアを開けて入ってきた奴は、また大げさに棒立ちの俺を抱きしめた。「知られたくないんじゃなかったのか」と訊いたら

2019-04-18 00:17:47
774チップ @774tip

「俺に恥じるところなど無い」と奴は顔を赤くしながら言うのだった。嘘をつけ、嘘を。 「おまえはほんとうに面倒くさい奴だな」と、つい返してしまったあと、急に猛烈ないとしさが込み上げてきて、俺はそっと部屋のカーテンを閉めた。(後略)

2019-04-18 00:21:38
774チップ @774tip

切なさ成分を完全に中略してしまった

2019-04-18 00:25:27
774チップ @774tip

出来心でつらつら書いた 後悔はしていない

2019-04-18 20:11:16