良い子はみんなご褒美がもらえる
4/24 15:00
赤坂ACTシアター
初見
良い子、戸塚くんきてたね。始まる前にスタッフさんに誘導されてひょいひょいと入ってきて暗転ラストから拍手の直前にひょいと出て行った。色のついた眼鏡をしてデニムっぽいシャツを羽織ってた。このぬるい嵐のような日にじめっと薄暗いはしちゃんのこの舞台を戸塚くんが観た、っていうのすごくいいな
2019-04-24 17:23:08橋本くんがこんな難解なロシア文学に全身で取り組んでいるとか涙が出てしまう!というまず孫よ…的な感想。ここまでとは思わなかった、すごいところに放り込まれたものだ、はしちゃんの勘の良さというか感性の豊かさみたいなものに震える。A.B.C-Zのセンターすごい場所ですごい仕事してる。面白い!!
2019-04-24 17:32:59そしてジャニオタがこういう世界にたまに出会ってしまうのもすごくいい。まさかジャニーズすきでいてこういう演劇体験をさせてもらってるなんて、外から見てたらまったく思わないことだろうな。
2019-04-24 17:35:39何が本当でどれが嘘か、誰が正常でどこが異常か、そもそもその判断をしたのは一体誰?足元からぐらりと不安になる世界だった。けどそれはいま私たちがいる世界そのものでもあって、なにをもって「良い子」とするかの定義は「真実」「自由」にもすんなり置き換えられる。じゃあご褒美って何かなってなる
2019-04-24 19:14:15橋本くんに音楽が似合うと思ったのはずいぶん前、そんなことを書いたaskがあったなと掘り返してみてたんだけど、2014年のこれ、次々と音にまつわるお芝居を重ねる橋本くんがついにオーケストラを率いた!と震えてしまった。 twitter.com/_mki/status/11…
2019-04-24 23:04:19わたしはオーケストラは誰の体の中にでもあっていつでも音楽を奏で続けている、その音こそ命そのもの。と思ってて、イワノフが率いるオーケストラは誰にも侵されるべきではない自分だけの心の世界、命の音、って感じがするのに、舞台上ではオケの中を看守が歩き回り心の自由すら監視された世界に感じた
2019-04-24 23:07:40今日みたいな生ぬるい風がよく似合う、とにかく暗めの詩を読んでいるような、それでいてキリリとした皮肉やジョークも散りばめられていて、なにを信じればいいのか分からなくなるような不安定な世界観がわたしはとても面白かった、良い子。観終わってから脳がカーッと熱くなる感じ、ひさしぶり!
2019-04-24 23:16:54個人的には、アレクサンドルとイワノフは同じひとりの人間なんじゃないかなと思った。そしてサーシャも。 調べたらロシア語でアレクサンドルの愛称はサーシャなんだってね!なんで同じ名前のはずなのに呼び方が違うのか不思議だったけどそういうことか〜、と。
2019-04-24 23:18:36誰が主人格かはわからないし、誰もが主人格として語られてはいるんだけど、イワノフは心の自由やあちら側の世界(縛られることのない精神世界やあの世)を担う存在、アレクサンドルは現実の理性や知性、サーシャが過去(子どもの頃のアレクサンドル)みたいなかんじ
2019-04-24 23:22:41トライアングルのあらわす三角形は、彼ら3人がひとつの人間だってことをあらわしているようにも思った。「三角形とは最も少ない数の辺で構成された多角形である」って台詞、人間を人間たらしめるには最低3つの辺が必要…みたいに聞ける。三位一体のようなものをかんじる。
2019-04-24 23:28:35何の楽器を演奏するの?ってしつこくアレクサンドルに聞くイワノフは、お前の心の中のオーケストラ(自由)はどんな音で今どこにある?って自問している。ちゃんとほんとうの音が「聞こえる?」って彼の閉ざされた耳に囁いているよう。実際に音が鳴ってるのに、聴こえないオーケストラが舞台上にいる意味
2019-04-24 23:36:19最後、ずっと見えなかったオーケストラが見えるようになり、聴こえるようになったアレクサンドルが、はじめてヴァイオリンを目にして、イワノフからタクトを受け取りオーケストラを奏ではじめる、っていうのは本来の心の自由を取り戻したか、はたまた魂のたどり着く先=死か。みたいなイメージを持った
2019-04-24 23:47:07ただ、指揮者がいてその指示に従い決められた音を鳴らす、というオーケストラのスタイルは体制的な意味合いとしても感じとれるのだよね、そうすると最後のそのアレクサンドルがタクトを振るシーンは、自分の命をかけたハンストもかなわず退院させられる=体制側に屈した姿にも見える
2019-04-24 23:48:55パンフの説明にあるように、有名人のアレクサンドルがハンストで死んでしまうと民衆がだまっちゃいないということだったから、 大佐がイワノフとアレクサンドルをわざと入れ替えて質問する神の一手で巧妙に退院させられてしまうのよね
2019-04-24 23:51:14体裁としてはどうしても彼を生かしたままなおかつ「まとも」な人として外にださないといけなかったわけで、「まとも」=体制側への服従っていうわけで、つまりそれが「良い子」でしょう?だとしたらご褒美とはなんと皮肉なものか?
2019-04-24 23:54:34Tシャツにもなってるパンフレットのイラストがめちゃくちゃかっこよかった!この指揮者の背中に2つの重なった顔があったり、パンフの最後のページの橋本くんと堤さんの顔がぶれて歪んで消えている、っていうのがふたりはひとりという感じがしてぞわぞわしたりした pic.twitter.com/ONdSEP1Z3q
2019-04-25 00:02:15「Every Good Boy Deserves Favour」って頭文字をとるとEGBDFってなって、これは英語圏の子どもが楽譜を読むときに、五線譜上の音(ミ=E、ソ=G、シ=B、レ=D、ファ=F)をおぼえるための語呂合わせのフレーズだと夫が教えてくれた!おもしろい!
2019-04-25 00:09:28この舞台で狂っていたのは外の世界の側、っていうことだろう。かなしいな。ただここで描かれる時代ではそれが当たり前のように逆転していたんだ。今だって、わたしたちだって、いつそんな逆転の世界に突入するかわからない瀬戸際にいるんじゃないかと危機感をもたずにはいられないよ。全ては表裏一体。
2019-04-25 00:21:05たくさんの生の音と声と命のかたまりみたいなものを全身で浴びてから、自分の脳みそをつかってぐるぐる考えることの楽しさを、舞台を通して教えてもらったと、ジャニオタやってて強く思う。自分の言葉で自分の心で考える癖がついたのも「観る」ことを重ねた結果だと思う。それってすごい財産なのよね。
2019-04-25 00:46:27正解か不正解かの答え合わせをしたいのではなくて、考えることが楽しいの、そう思わせてくれる舞台、ステージというものはものすごく素晴らしいものなんだなって分かる。とても豊か。 そして生活の中で、自分の頭と心で思考する術を手に入れることがこんなに武器になり役立つなんて、知らなかったよ。
2019-04-25 00:50:57良い子はみんなご褒美がもらえる
5/7 15:00 東京千秋楽
赤坂ACTシアター