芝村裕吏さんによるお悩み回答「対話を盛り上げる方法って?/インタビューの思いで 他」
熱さと勢いは違いますか。ですか。 違いますね。声が大きくてしゃきしゃきしていれば、いい対話かと言えば、違うのではないでしょうか。一方が勢いあると、対話にならないことがほとんどです。
2011-05-11 02:29:48昔、大女優にインタビューしたことがあります。 まあ、記事にならないインタビューです。たまたまユニセフから賞状もらって。その時の帰りのタクシーでした。
2011-05-11 02:33:40私はその女優に対していくつか、お話を伺ってもいいですかと言った後、非常に緊張しております。正直なところ、貴方のファンなのですといいました。 と、その人は急にいい笑顔を浮かべましてね。
2011-05-11 02:35:33その時思ったのは、相手がインタビュー慣れしている時、相手はたいていあきあきしてて、その上で面白い話を引き出すためには、好意を正直に伝えた方がいいと言うものでした。
2011-05-11 02:36:30くだんの大女優は、んー。私のファンなら、だいたいインタビューのこと知ってますよね、と前置きしたあと、どんな事がお聞きしたいのですかと言いました。 ハードルがこれですごいあがったんですね。
2011-05-11 02:39:06逆に言えば、高いハードルは、今知られてない新しい一面を描く事でもあり、私はここで、とても助けられたと思いました。もし、彼女がそういわなければ、私はなんで女優をめざしたんですかとか、そういうつまんないことを聞いていたでしょう。皆が知ってるようなことです。
2011-05-11 02:40:18つまりはこれが、組み立てというやつですね。 相手がしどろもどろにならない範囲で、ハードルをあげる。これはとても大切だし、話しているうちに本人すら、新しい事に気づくものだと思いました。
2011-05-11 02:42:24話を戻すと、私は非常に赤面しつつ、どうやれば人を引きつけられるのか、それは後天的なのか、先天的なのか、おそらくは両方と思いますが、先天的なのはどうにもならんとしても、後天的に、意識して勉強したことはありますかと聞きました。
2011-05-11 02:43:07それは私が謎に思ってたところでした。 全てが神に与えられたギフトなら、お年をめせばまあ、天に返す事もあろうと思ってたわけです。彼女は考えた後、笑って、そうですね。 と前置きして、いい説明をしてくれました。
2011-05-11 02:44:50彼女は言いました。そうですね。 演技や打算を思いながら演技していたら、それは嘘くさく見えるんじゃないですかねといいました。 嘘なんだから、嘘くさいのは当たり前ですよねと。 だから私、本気でやるんですと。
2011-05-11 02:47:14若い頃は意味もわからないで、がむしゃらでやってました。 年をとってからは、意味がわかって、本気で取り組むようにしていますと。 なんでしょうね。天下の大女優が言うとしびれるんですわ。これが。
2011-05-11 02:48:10で、私がいいですなあと顔をほころばせているか、ひきつってるかを見て、彼女は面白かったらしく、そこから色々話してくれました。 過去を想い出してたんでしょうね。サービスしてくれたのだと思います。
2011-05-11 02:49:24思うに好意というものは、相手からサービスを引き出す最良の対話手段なのです。 私は当時、今よりもっと無名でした。そう言う人相手でもサービスしてくれるのはもちろん人の良さもあると思いますが、それだけではないと、思います。
2011-05-11 02:50:51で。演技が気にくわないときはどうするんですかと、私はききました。 すると彼女は笑って。まずは想像するんです。なんでこんなことを言うはめになったのか、人となりを想像するんです。そこまでは誰もチェックしないんで、ここからは女優の好き勝手ですと。
2011-05-11 02:53:33後年、勇者王こと檜山修之さんと仕事することがありまして。 その時檜山さんが難しい顔で、「俺の大塚はこんなこといわんので、台詞帰られませんか」とか、相談しにこられまして、その時はまあ、なんというか、昔を想い出しまして。
2011-05-11 02:56:12@siva_yuri ありがとうございます。自分はインタビュー中、双方の沈黙時間が怖くてそそくさと事前に用意した次の質問に繋いでしまうことが多いのですが、ちょっと組み立てをしっかり意識して臨みたいと思います。
2011-05-11 03:01:39