【廃京闘諍録】最終結果&エンディングまとめ!
少しづつ、少しづつ奈良の廃都に平穏が戻る。 民草も少しずつ戻り、街の活気も少しずつ戻り、 この長らくのと闘諍に滞りし仕事を月性、風海を始めとした学僧らが黙々と片付けて、 街の被害をその手と足で修復し、散らばる瓦礫は拾い集めるは花命丸、鳥範が主導する猛き僧兵らであった
2019-09-01 21:55:41こうして一時とはいえ、協調体制をとれば不思議なもので、両派は所属寺院の垣根を越えて、話し合い一丸となり、「まずは奈良廃都」と手を取り合う。 【無天】による影響があったとはいえ、諍いの当事者であったことへの責は派閥関係なく負うべきであった。
2019-09-01 22:01:12そして今日は夏も過ぎ去りし、九月の一日。 花派も月派も報酬恩賞の授与と慰安を兼ね、傭兵らを食事に連れて行き、或いは彼らに憩いを勧めた。
2019-09-01 22:05:12―————— そして今日、新しく別当が内部の会合にて決まる。 花派、月派両者の知識人を一挙に集め、合議を密かに執り行った。 議論は夜に渡るまで行われ、昂ぶり、白熱したが、 遂にたった今!十時過ぎの今を以て結論が出た。 外部への大々的な発表は後日に行われよう。
2019-09-01 22:08:56花命丸「いいですね!吉野に飛鳥、三輪に橿原…おすすめの温泉はいくらでもありますよ!是非滞在してください」 twitter.com/nacho_kami/sta…
2019-09-01 22:10:57————— 合議の行われしは、奈良大寺でもなく興奮寺でもなし、中立を保っていた某小寺が食堂の間であった。 中に入れずにいた僧侶たちは戸の外で今か今かと寡黙に待っていたが、戸が開け放たれるや否やわっと顔を上げる。
2019-09-01 22:13:33勇気を持った一人の若僧が興奮を抑えて聞くらくは、 「……それで、別当は何れのお方になりましたんか?」 中にいた僧侶らは顔を見合わせ、頷く。 「こちらのお方がたったの今より別当と相なされた」 人の群れを割き、影が悠々と戸の前へと出てくる —————あれは!
2019-09-01 22:16:51まず先に、褐色の小男 —————風海が現れ、その後ろを —————月性がついてくる。 近くに、—————鳥範の姿はない。
2019-09-01 22:21:16二名が食堂の間を出て、建物一帯を取り囲む人々を見渡す。 風海が淡々と、淡々と爽なる声で事実のみを告げる。 「たったの先ほど、我らが奈良廃都を担う、別当に相応しい素晴らしき御仁が決定いたしました」 淡々と、淡々と事実のみを—————
2019-09-01 22:24:43また、戸の内側より誰か出る 小さい肩をいからせて、小柄な影が衆生の前へ 今にも零れ落ちそうな涙を堪え、 二本の脚とふたつの眼に力を張って! —————ああ、 —————ああ、あれは!
2019-09-01 22:27:35風海の声は、淡々と事実のみを告げる。 「我らが奈良廃都を統べる別当は………こちらにいらっしゃる、興奮寺が学僧、花命丸様に決定いたしました…………さあ、盛大な拍手でもって、奈良大寺へお迎えいたしましょう」
2019-09-01 22:29:58